所用あり、清水区に赴く。昼前には暇になったので散策をした。
何度か書いているが、この土地は生まれてから何年か住んでいる。両親の実家もあった。今は親戚も知人もほとんどいないけれど、個人的にとても馴染み深い場所だ。
特に清水駅から巴川河口までの旧市街じみた街並みが好きだ。
自転車で走り抜けても良いのだけれど、今日は歩いてみた。
途中、印度料理屋さんでお昼ごはんを食べた。
写真は撮り忘れた。ナンとチキンほうれん草カレーとサラダと、豆の和え物のセット。
どういうわけか高校生が多い店だった。
だいたい2人連れで、みんなナンをおかわりしてもりもりとランチを平らげている。元気いっぱいである。
「冬服じゃん色が付いたら終わりだよう」と騒げば店員が紙のエプロンを用意する。
カレーを待つ間に並んで座って髪を編んで騒いでいる*12人には、やはり店員が「髪を触るのは食後にしなさい。席は向かい合って座りましょう」と指導する。
もっと元気だったのは、在 清水区インド人あるいはネパール人の家族連れ。
なんとなく、あの辺りの人達は静かに食事をするものだと思いこんでいたので、ちょっと意外だった。
とはいえ、おそろしく広い店内にテーブルが点在しているから、新型コロナウイルスの感染リスクは低いのではないか。テーブルの間隔が、海外の食堂並になっていた。
清水区で駅前といえば「洋菓子喫茶 富士」が最近のお気に入り。
今日は「洋ふう鹿の子」をテイクアウェイ。
半球状のスポンジケーキに生クリームを盛り、甘く煮た小豆*2を貼り付けた素朴な洋菓子。
まるで昔の「暮らしの手帖」に登場しそうなお菓子。帰宅してから、そのおいしさに驚いた。軽いクリームと、さっぱりした甘さの小豆が不思議な味になっている。
200円という安さだから、何も豪華なところは無い。だからこその味わいなのかもしれない。
散策は1時間と少しだけ。でもひたすら歩いた。
かつて通っていた幼稚園*3は、ずいぶんと綺麗になっていた。
その頃には気づかなかったが、港町の古い住宅街なので、お屋敷や蔵も多くて、歩いていて楽しい街並み。ただし廃墟や空き地も増えていた。
驚いたのが、昔住んでいた家があったこと。
小学校に上がる前に*4、数年間の仮暮らしをしていた借家が、ほとんどそのままの形で残っていたのだった。当時、既に古臭い建物だった。だから多少は塗り直されていても、今だって十分に古い。
よくもまあ、あの文化住宅+αみたいな家が今も残っているのだと感心もしたし、その後の数十年の経済的な停滞に思いを馳せることにもなった。なんで昭和の借家が今も残っているのか。
暖かく、そして風もほとんど無くて、とても良い散歩日和だった。
空き時間を見つけて、外の空気を楽しむことができた。今の時期、静かな散歩はとても贅沢。