水を持って清水区へ

所用で静岡市清水区に行くことになったので、自宅の倉庫にあったミネラルウォーターを車に積んだ。

ちょうど先月から来月にかけて賞味期限が切れるペットボトル入りのミネラルウォーターが、大量に備蓄してあったのだ。2Lペットボトルが6本入った箱が、21個あった。

静岡県中部は大地震が来ると昔から言われていて、我が家でも子供の頃から防災用品の備蓄は充実している。

それにしても貯めこみすぎなのは、父も母もこういった品を捨てられない質だから。
我が家ではミネラルウォーターを日常的に飲む習慣は無いし、古くなってもペットボトルの水が災害時に無用になるわけではない。捨てる手間まで考えると、倉庫に積み重ねてしまうのだ。「いざという時に使い途はあるから」の濫用である。

 

そういう意味では、今回の「清水区の断水に対する備蓄水の支援」は、倉庫の整理・不用品の押しつけという意味合いもある。
とはいえ、もちろん断水は深刻だから、使えるものは融通したほうが良いはずだ。

実際、この水はとても喜ばれた。
数箱は知人の家に届けた。ついでに、知人宅の近所にも配った*1
飲料水としてはもちろん、2Lのペットボトルそのものが助かるのだと高齢者は言う。日常使いの水筒では生活用水の給水*2に少なすぎるし、かといってポリタンクがあっても重すぎる。今日までは、麦茶用のジャグを使っていた家もあったそうだ。

もちろん、水は買うこともできる。
車がある家は、隣の区や市に行けばいい。知人たちも午後には買い出しへ出かけるそうだ。でも、必要なものをひたすら買い続けるわけにはいかない。
なにより、水のような重量物を運ぶ手段の無い世帯は、それだけで"詰み"である。

そんなわけで、残りのミネラルウォーターは、希望者への配布を行っているという民間企業「田子の月」へ託すことにした。

「田子の月」は、静岡県中部では当たり前に見かける和菓子屋。名物菓子が数種類、洋菓子や季節菓子も扱うチェーン店といえば、他の土地でも似たような規模と形態の店を思い浮かぶのではないか。
とにかく、その手土産系チェーン店である田子の月が、今は支援物資の収集と配布を行っているのだという。ちょうど知人宅の近所に店舗があったので、車で行って水を置いてきた。

やはり高齢者への配布が問題だと言っていた。清水区は僻地ではないから、動ける人間はなんとかなる。免許を返納した老人、洪水や浸水被害の復旧で動けない住人に支援したい…というようなことを店員さんは言っていた。

 

ところで、そんな清水区の状況は酷いものだった。
自分も住んでいた土地だが、想像もしていなかった場所が洪水の被害に遭っている。巴川や草薙川だけでなく、用水路から溢れた泥水が今回は被害を拡大したようだ。
30℃を超える気温で乾いた泥が、街を薄茶色に覆っていた。
同様の被害は葵区駿河区でも見られたが、水が使えるため今日の午後には綺麗になった場所も多い。飲み水、生活用水だけでなく、環境整備の観点でも、断水はつらい。

 

実はまだ、車に乗り切らなかったミネラルウォーターが数箱ある。
僕のセダンには積載量に限界があるのだ。他に荷物もあるし、トランクには折り畳み自転車も載せている。
明日はこのミネラルウォーターと、知人から頼まれた折りたたみウォータータンク等を清水に運ぶ予定。他にも長い「買い出しリスト」がある。

 

そんな今日のおやつはこれ。

水を届けたときに買った、田子の月の「まんじゅの月」。
小さなどらやきだが、皮がもちもちして面白い食感。田子の月の焼き菓子は、世間一般よりももちもちしている傾向がある。理由はわからない。

うさぎがかわいい。

 

 

お題「これ買いました」

*1:知人宅の隣の敷地に井戸があった。ポンプが故障しているというので、がんばって修理した。
「井戸を修理する」なんて、人助けのなかでもフィクションじみていて悪くない。

*2:市内各所に給水車が来ている。港では巡視艇が水を配っていた。井戸のある工場でも、水を市民に無料配布している。いずれも容器が必要。

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