四国カルストと天空の村

今日は雨。
少しだけ引っ越しの支度をした。図書館で本を借りたが、読破できるかはわからない。
実に生産性の低い日だった。

足はもう、ほとんど痛みは無い。まだ傷のかさぶたは目立つし、打撲した部分は腫れている。でも椅子に座っている限り、足のことは忘れてしまう。たぶん数日後には、力仕事も問題なくなるだろう。
自転車については、大きな故障もなく、念の為に分解確認(そして清掃)をして、数千円で済みそう。もちろん相手の保険でまかなうのだが、安ければそのほうが良いだろう。

 

 

さて、一昨日には高知の水族館だけでなく、土佐市須崎市といった高知県の太平洋岸、そして北上して愛媛に向かう山間部にも行ったのだった。

なかなか興味深い景色が続く道だった。
いつも見ている瀬戸内海とは全く違う。高知市を出ると、どんどん過疎地になっていく。荒い波の様子は郷里の静岡に近いが、海沿いまで雑木林が迫っているあたりは南国土佐という感じだ。

 

山に入ると道は細くなる。
最初の目的地である梼原町までは、渓流に沿った山道を走ることになる。コンビニも何もなく、「道の駅」や「農産物直売所&地域振興&観光PR&老人の集会場」みたいな場所が休憩ポイントとなる。デイリーヤマザキの看板は何度も見かけるものの、地元の人しか入れないような雰囲気だった。

 

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梼原町には、新しくできた小さな美術館がある。
名前は「梼原 木橋ミュージアム」という。
建物自体が、梼原町に縁のある建築家、隅研吾氏の作品である。
というか、「天空のホテル」なるお洒落ホテルと、隣接する「天空の温泉」という日帰り温泉施設を繋ぐ橋が、そのままギャラリーになっている。ギャラリーといっても、今はこのミュージアムの建物そのものについてのパネルが何枚かと、建築模型があるだけ。むしろ開館祝いの花のほうが目立つ。

簡単に言うと、「隅研吾氏による超豪華な渡り廊下」がこの木橋である。山梨県猿橋と同じ構造とのことだが、小さなギャラリーと橋、それからエレベーターでホテルと温泉を繋いでいるだけなので、感想としては「ふうん」である。
入場料200円の価値があるのか、というと微妙なところ。建築に少し興味があって、せっかくだからと入ってみたのだが、同行した友人は5回くらい「ふうん」と言っていた。

 

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この梼原という町、あちこちに「天空」を冠した施設がある。
特に図書館が有名だろう。
古い学校だった場所に、木材をふんだんに使ったおしゃれな図書館ができている。
靴を脱いで上がる。町の規模からしたら、ずいぶんと立派な施設である。

本来は「人をダメにするソファ」などが並んでいたようだ。今はそういう「不特定多数の人が接触するもの」は隅に片付けられていた。図書館としては、特集棚がしっかりしていて、テーマ別の小部屋などもあり、使いやすそう。コーヒーやチーズケーキを売るコーナーもあった。

特に県外からの移住者に喜ばれるのではないか。そんな感じの利用者が何人かいた。
軽い感じのジャズが流れていて、友人とちょっと笑ってしまった。お洒落図書館にジャズである。ほぼ飾り用の全集(手が届かない)も含め、装飾が多い気がしたけれど、でも地元にあったら嬉しい施設ではある。

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この「天空の村」から最終目的地である四国カルストに向かう道は、なかなか大変だった。
一応は、県道や国道なのだが、とても幅が狭い。普通サイズのセダンでも軽自動車とすれ違えない場所もあった。
最初は延々と、棚田の脇を進んでいく。何度も農家の前を走ることになる。
瀬戸内国際芸術祭で、直島や小豆島に行ったことがある人なら、そういう道を(大抵は徒歩で)進んだことがあると思う。
その細い、どう見ても農道であり生活道路である道を登っていくと、次は本格的な林道になる。路肩がごそっと落ちているところもある。ほとんど緑のトンネル状態で、グーグルマップに騙されているのではないかと不安になる。

僕の知っている「高原に至る道」は、もっと広々としていて、走りやすい。自動車雑誌でスポーツカーのレビューをするような、カーブがあってもスピードが出せる道である。ほとんど来ない対向車を気にしながら、運転手ですら車酔いになりそうな山途を経て高原までぐいぐいと高度を稼ぐ道なんて、人生初である*1

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とにかく、かなり唐突に四国カルストに到着する。
牛もいるし牧場もあるし、風景はとびきり綺麗だ。WindowsXPの壁紙みたい。
でも観光牧場や売店の類は閉まっている。だからここでは、ひたすらのんびりするしかない。

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ここは本当に素敵な場所だった。
気温は22〜20℃。晴れていたけれど、薄手のカーディガンが欲しくなる気温だ。
「下界」に比べてからりとしていて、朝に淹れて持ってきたコーヒーが美味い。
椅子など並べて、存分に楽しんだ。

 

 

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夕方、最後の仕事を片付けてから香川に帰る。
愛媛の山の真ん中を東にひた走るルート。途中からは吉野川を眺めながらのドライブとなる。ここもずいぶんと鄙びた風景が続く。国道沿いだから、何かしらの建物や家はあるのに、人の姿が少ない。普段の生活圏では、ここまでの過疎地に行くことがないから、走っていてもまるで飽きない。

高速道路に乗って、香川に到着して、友人を送り届けて帰宅したのが21時過ぎだったか。ひたすら車を走らせていた1日だったわけだが、気分は悪くない。

しかし四国カルスト、素晴らしかった。
梅雨にあんな場所に行けるなんて。贅沢な時間だった。

 引越し前に、良いところに行けた。ああ良かった。

マチボン 愛媛 vol.14「高原へいらっしゃーい。」

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お題「気分転換」

 

 

*1:帰路は別の道を選んだのだが、やはり同様の「林道→棚田の道」だった。