昨日の四国水族館

今日は平穏だった。
青山椒を佃煮にした。髪を切った。いくつかの多肉植物を剪定した。それくらい。

なので昨日に行った、四国水族館について書く。

良いところ

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新しい。つまり魚が元気で、水槽は綺麗。
意図しない藻や汚れも無いし、設備もしっかり機能している。

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オープン直後の水族館というのは何かしら状態の悪さがあるものだ。例えば瀕死の魚がいたり、予定していた生物が死んでしまって別の生き物を入れておく、といった事態はよくある*1
隠れ家にした石の後ろ側に魚が隠れて、当初の意図どおりの展示とならない事も多い。
そういう部分では、オープン直後に1ヶ月間の臨時休業となった事が、良い方向に働いたのだと思う。

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新型コロナウイルス感染対策で、かなり頻繁に拭き掃除が行われていることもあり、目視でも、写真撮影も見やすい状態に保たれている。普段はそんな事は気にしていなかったが、ぴかぴかのアクリルは本当に見やすい。

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四国を代表する水族館、というコンセプトもあって、磯の魚が充実しているのも見応えがあって良い感じ。数日前に食べた魚を水槽で見ることができるのだ。見たことのない不思議な魚とは別の面白みがある。

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イルカショーは休止中。
でもイルカは飼育員と練習をしていて、ショーの観覧席は丁度よい休憩所となっていた。室内に座る場所が少なく、外は日当たりが良い場所ばかりだから、この部分はもう、ずっと休憩エリアで良いのではないかな、と思えるくらい。

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屋外の展示は、ペンギンが良かった。
ちょうど餌やりの時刻に当たったのだが、特にショーアップされておらず*2飼育員さんが丁寧に魚を配っているところを見ることができて満足。デジタルスケールに誘導しつつ体重をチェックし、特定の個体にはビタミン剤か何かを腹に仕込んだ小魚を与える。ほぼ全てのペンギンが夢中で魚を追うなかで、投げて特定の個体に餌を与えるのは、なかなかできることではない。
どの世界にも「ぼくはいま食事にきょうみがないです」という奴がいる。そういう個体にも餌を与えなければならないのだから大変である。
これは下手なショーより見応えがあった。

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それから、屋外からの瀬戸内海は、やはり素晴らしい。
近くに住む身としては、それほど綺麗な場所とは思わないけれど、でも瀬戸内の多島海である。他の水族館には真似のできない良さだ。

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水族館の文化史―ひと・動物・モノがおりなす魔術的世界

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  • 作者:溝井裕一
  • 発売日: 2018/06/25
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パタパタ絵本ぐるーりすいぞくかん

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残念だったところ

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規模はそれほど大きくない。
というか、名前負けしている感じもする。

メインのフロアがあって、2階あるいは屋上部分からメインの水槽を別角度で見ることができる。個別の小さな水槽や、テーマ別の部屋もあるけれども、全体としてはこぢんまりしている。水族館マニアの大人が、ここだけを目的に訪れたら、ちょっと時間を持て余すかもしれない。

規模は、古い観光地にある私営の水族館やイルカショーの施設。見た目は、ここ数年のモダンな水族館、といった感じ。

とはいえ、規模よりも見せ方で工夫、というほど独自の展示があるわけではない。クラゲは綺麗で、ペンギンもかわいいし、大水槽は本当に大きい。でも、大水槽に主役の(他では見られない)魚がいるわけでもない。マスコットキャラクターになっているシュモクザメは、高知の廃校水族館のほうが近くでじっくり見られるくらい。

A++級の海遊館美ら海水族館があって、D級の資料館的な水族館があったら、B-かCくらいの大きさだろうか。ワンテーマの館ではないから、より散漫に思えてしまったのかもしれない。

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しかし、この規模の水族館でも、今はモダンなつくりになっていることは感心してしまう。暗さや湿った感じがまるで無くて、端から端までデザインされている。

 

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デザイン、という観点でいうと、生体の展示以外の部分での粗が目立った。
粗というよりも古さが際立っている。
突然、中華街と竜宮城を足して2で割ったような部屋があった。売店とプリクラがあって、通路では魚のイラストを投影している*3

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別の場所では、和柄ヤンキー趣味というか、いかにも今の人達が喜びそうな、少しスピリチュアルが混じった絵柄の壁画や書が並ぶ。たぶん5年後には、古臭くなっているだろう。今の流行に寄り添い過ぎている感じがして、好きになれない。

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それぞれの水槽、展示室にはテーマがある。それは大抵の水族館も同じだろう。
「渓流」や「サンゴ礁の海」や「瀬戸内海の魚たち」といったタイトルが付く。
しかしこの四国水族館では違う。
「○○の景」というタイトルになる。例えばアジの群泳を見せる水槽では「太公望の景」となる。サンゴ礁にいる、寄生関係の生物達の展示は「サンゴの世界の景」である。
悪い意味でポエムである。
直径5mほどの丸窓からシュモクザメを見上げる、かなりの“見せ場”である水槽は「神無月の景」となっている。よくわからないキャッチコピーが付いていて、大抵は協賛企業の紹介も添えてある。「うひゃあ」と声が出そうになる。

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外観の印象では真面目な「学べる遊び場」ではあるが、あちこちで「観光地にある吉本興業が経営するレジャー施設」に似た匂いがするのだ。
今は感染予防策として、ちびっ子が喜びそうな「狭い場所を通って水槽の奥を見る」ようなギミックが封鎖されていることもあり、全体に中途半端な感じがした。

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それと、水族館でヒーリング・ミュージック的な音楽を流し続けるのは止めて欲しい。これはもう、僕はどんな水族館であっても言い続けていく所存であります。

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自分の好みが「公営・教育施設・資料館寄りの真面目な水族館」なので、ちょっと肌に合わない部分は多い。でも大阪の「ニフレル」などは、もっと面白さを追求して、良いセンスでまとめあげている。静岡県のiZooやシャボテン公園などは、100%観光向けのスタイルでありながら、生き物を楽しんで見せる工夫に感心する。

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そんなわけで、少し残念に思うところが目にはついた。
でも、四国に住んでいるのなら、ぜひ一度は行きたかった場所だ。「さあ行くぜ」と準備した翌日から臨時休業したので、今回行けたのは本当に幸運だった。
そして、文句を言いながらも存分に楽しんだ。

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本州からなら、瀬戸大橋を渡ってすぐの場所。
ゴールデンタワーなるオモシロ観光施設も隣にある。
色々書いたけれど、良い水族館です。これから先、どうなるのかとても楽しみ。

なんだかんだ言って、機会があれば近いうちに再訪したい。僕はとにかく水族館が好きなのだ。

 

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余談だが、この水族館に行ったら、ついでに瀬戸内海の海にぜひ立ち寄って欲しい。
おすすめは車なら10分の沙弥島。ここは今は地続きになっていて、瀬戸大橋記念館の広い駐車場もある。「瀬戸内海の島と浜辺と磯」を散策できるのだ。水族館で見た世界を、人間の視点で楽しむことができる。実際、潮溜まりでは水族館で見たような生き物たちが沢山いた。せっかくだから、両方楽しむのがおすすめ。

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※令和にオープンする水族館でもこのメダル刻印機があった。
Twitterに載せたら「メダル刻印機マニア」の人達に喜んでもらえた。

 

お題「わたしの癒やし」

お題「ささやかな幸せ」

 

今週のお題「好きなお店」

*1:名古屋港の水族館では、ナマコだらけだった時期がある。

*2:人を集めるイベントは全て休止中。

*3:ちょっと癖のあるイラストやアニメーションをプロジェクターで投影して「最新のアートでござい」とするのは感心しない。最近あちこちで見かける。プロジェクションマッピングは面白い技術だが、プロジェクターなら大昔からある。