静岡育ちとしては4月末日といえば「ヴァルプルギスの夜」なのだが、四国は魔女よりも弘法大師の土地なので、静かなものである。
それよりも今日は平成最後の日。
実のところ天皇制については無批判に万歳をする信条も心情も持ち合わせていないのだけれど、でも現代日本の天皇とそのご家族については(大変な立場という意味で)尊敬と同情をしている。
動画配信サービスで平成天皇の儀式を見た。
正直なところ「なんか地味だな」と思ってしまう。NHKの特番で伊勢神宮や出雲大社の儀式を見た記憶と比べると、立派は立派だがいまいち特色が無い。もう少し天皇家ならではの古い何か、近代の神道以前のおどろおどろしい文化が滲み出ていれば面白いのだけれど。とはいえ、まさに今の天皇家はそういう部分を漂白した綺麗な神道を引き継いでいるわけで、地味なのも仕方がないのだろう。でも平成天皇の衣装はなんだか凄かった。色も独特、皺やシルエットも普通の和装とは違う。
極めて個人的な“平成”について少しだけ書く。
思えば長い30年。色々な人と知り合い、別れてきた。
話すと長くなるし、明日も人生は続く。
ただ今は、ほんの少し改まって、自分の今までと、関わった人達について思いを馳せたい。大晦日と元旦には、自分でも思いがけず居住まいを正してしまうように、今なんとなくそういう気分なのだ。
なるほど、これが文化だ。
平成論―「生きづらさ」の30年を考える (NHK出版新書 561)
- 作者: 池上彰,上田紀行,中島岳志,弓山達也
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2018/09/11
- メディア: 新書
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さてそんな区切りの日に僕は何をしたのだろう。
家でのんびりするつもりが、それではつまらないと外出をした以外に、書くべきことはない。
朝はうどんを食べた。
普段は行列ができる店、今日なら開店前に行けるかな、と暇人ならではの好奇心で訪れてみた店は、連休中はお休みだった。繁盛店ならではである。
しかし元より「うどんで行列」については抵抗を感じていたので*1、それほどがっかりはしない。
近所にあった別の店で食べたうどんが十分に美味しかった。
芝エビのかき揚げが売り物とのこと。今どきもう少しかりっとしたかき揚げも珍しくはないけれど、安くて美味しくて満足である。昆布の天ぷらも良かった。
遅めのお昼は「レガロビズ」という店に行った。
GoogleMapで検索して(特にこれといった熱意も期待もなく)訪れたのだが、食事が美味しくてびっくりした。
カフェというかレストランというか、看板には「喫茶室」とあり、さらにギャラリーでもあり、アンティークの時計やアクセサリーも展示されていて、ライブもやるし映画の上映会もやるらしい、コーヒーもずいぶんとこだわっていて、上手く回れば田舎のカフェ文化の核になりそうなお店*2。
とにかくランチに食べたチキンステーキが美味しくて、それでもう店のファンになってしまったのだ。
シンプルにかりっと焼けた鶏肉と、10種類くらいの野菜のグリル(野菜の一部はフリッターになっている)。喫茶店風に盛られたご飯がもりもり進む。
食後のシフォンケーキも、それからコーヒーも素晴らしかった。
椅子もテーブルもとても雰囲気がある。
暗くて落ち着いた店内、のんびり長居してしまいそう。
普段は行かない方面とはいえ車だったらそんなに時間はかからない。というわけで、また行く。次はカレーを食べたい。
僕は天皇家の人間ではないので、たぶん明日も明後日も、ずっとこんな生活を続けるだろう。さようなら平成の30年間。おめでとう令和。
そう、30年前からこんな感じだった。色々あったけれど、今日だって変わらない。いつの頃からか、こうして日記を書いている。嘘も本当も混ぜて知らない人に向けて文章を書く日常。
今までありがとうございました。
そしてこれからもよろしくお願いします。