映画「ギルティ」を見てきた。
潜水艦ものに外れなし、というのは映画好きの常識らしい。状況が限定されているほうが作る側も見る側も楽しみやすいと何かの本に理由が書いてあった。
ならばこの「ギルティ」も間違い無く当たりだろう、と予想していた。
何しろ「警察の緊急通報センター」から一歩も出ずに話が進むのだ。
最初は意味不明な電話が、どうやら誘拐事件の被害者からのものと判明して、しかも誘拐犯は被害者の隣に居る。
通報を受けた主人公は、元は刑事らしいが、電話窓口担当という閑職に飛ばされていて、警察内で微妙な立場にいる。捜査や指揮の権限なんて無い。
こうなると、クライムサスペンスとして(やや異例だが)見どころは予想できる。つまり、主人公の電話窓口担当者(元刑事)が限定された状況で被害者をどう救うのか、である。
実際に序盤はこの「電話のやりとりだけ」で通報者=被害者をどうやって救うのかが描かれる。通報者の隣にいる誘拐犯に気づかれないように会話を続ける、といった工夫は面白い。
しかし中盤から風向きが変わってくる。
ここを詳しく書くと面白みが失せるので、書かない。
実は最初から延々と描かれていた、「取り返しのつかないことをしてしまった人間がいかに行動すべきか」という問いに、主人公が直面するのだ。しかも、狭い通報センターで、情報も手段も足りない残業時間中に。
なるほど良い映画だ。
ヨーロッパの生真面目な賞をたくさん獲っているのも納得できる。
見て本当に良かった。
自分の場合は、こういう「地味な映画」は自宅では集中できない。
ミニシアターで緊張して観ないと、たぶん途中で別の事を考えてしまう。そういう点で、今日は映画館に行けて良かった。
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昼食は官庁街にある、炒飯専門店で食べた。
店の名を冠した炒飯は、美味しいのだけれど、どこか懐かしい。「奇跡的に美味しくできた、ありあわせの創作炒飯」といった雰囲気がある。店で食べるのではない、自分で作って食べる味だ。おそらく、材料がシンプルではない(基本の材料に、辛みや少しの酸みが感じられた)のが、その「家っぽさ」の理由か。
なかなか良い店だったので、次はもう少しプロっぽいメニューを選ぶつもり。オプションのあんかけは、後半に味の変化を付けるのに便利。
普段は行かない映画館周辺とその西側、市役所や公園の周辺、さらに栗林公園までを自転車で散策できた。雨の心配があって心ゆくまで遊べたわけではないにせよ、なかなかに楽しい時間だった。
街では「平成最後」が溢れている。
自分としてはその風潮には抗っていきたい。
たかが暦、されど暦。静かに見守りたいと思っている。
MdN 2019年4月号(特集:平成のグラフィックデザイン史)
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あ、そうだ。ようやく瀬戸内国際芸術祭のガイドブックを買うことができた。
なんかこう、トラブルの予感を強く感じる発売遅延、ぱらっとめくった限りでも、3年前のそれより“練られていない”気がするのはさすがに錯覚か。ともあれガイドブックがあると無いとでは全然違う。この芸術祭に限っていえば、公式ガイドブックは必須だと思う。