暑いがなんとか凌げる、それが今日の広島だった。水分補給だけは意識して欠かさなかったけれど、暑くても日陰なら大丈夫。だから延々と歩いて、今は疲労困憊なのだが。
朝いちばんの新幹線で静岡からひたすら西に移動する。とはいえ10時頃には広島市に到着したのだから速いもの。
まず厳島神社のある宮島に向かう。最寄り駅から宮島までの船は10分足らずという短い距離を、文字通りピストン輸送している。2つの会社がそれぞれ2隻以上のフェリーをひたすら往復させ、日本と世界各地からのお客さんを運ぶ。
フェリーは完全に前後が対称で、方向転換の手間がいらない。ケーブルレスの超大型ケーブルカーみたいな感じ。フランス人らしき若い女性が「ゾックみたい」と流暢な日本語でつぶやいていて、おっ姐さんイケるクチだねぇ、と思ったけれど、別にそれで国際交流が進むわけでもないのであった。
国際交流といえば、その宮島、厳島ではとあるオランダ人のおばさまと何度も遭遇し、最初は道案内やシャッターを押してあげる程度のやりとりだったのだけれど、最後は一緒に紅葉饅頭を食べ抹茶を飲むくらいに仲良くなったのだった。
紅葉饅頭は多くの店で連続焼成マシンを稼働させ、その様子をガラス張りの状態で見せている。それをおばさまは「クリスピー・クリーム・ドーナツ!知ってるわ!」と言っていて、なんだか面白かった。いや、言葉はまるで通じなかったのだけれど、とにかく楽しい旅の交流だった。
厳島神社、とにかく混雑していたが、でもすばらしい。ちょうど武道の奉納稽古や演舞が開催されていて、槍道や古兵法といった珍しいものを、あの海の上の舞台で見物できて、なんだかとても特をした気分。
宮島水族館もすばらしかった。シーパラダイス的な観光水族館だと勝手に思いこんでいて、でも実際はまじめな部分と楽しく見せる部分が盛りだくさんで、侮っていたことを反省している。
宮島では、あなご丼、紅葉饅頭、そして揚げ紅葉饅頭などを食べた。どれもこれも本当に美味しい。さすが由緒正しい観光地。
広島では、まず道を間違えた。それから、バスを間違えた。
でも広島現代美術館が最高だったから、すべて良し。
このあたりのことは長くなるから、また後日。
そういえば、夜の散歩で見つけたケーキカフェ「ムッシムパネン」でテイクアウトしたケーキが素敵だったことも忘れてはならない。今日はカフェの時間は終わっていたので、明日は必ずお茶を飲みに行く。どのケーキも間違いなくおいしい、そういうお店だと僕のゴーストがささやくのだ。
しかし広島、都会だ。しかも歴史がある都会。
夜に(ヤンキーさんや騒ぎたい若者ではなく)ふつうの市民と観光客が川沿いの道や公園をぶらぶらしている。不穏な感じがしない。そして、川沿いに素敵なケーキカフェがある。そういう場所は、都会だと思う。
では寝ます。明日は尾道散策とサイクリングか、呉と広島市内観光か、どちらかを実施する。明後日の天気次第。今日はさすがに歩きすぎた。