静岡の中心街で開催中の「大道芸ワールドカップin静岡」に行ってきた。
静岡の街のイベントでは最も賑わっているのではないか。県外からのお客さんも多い。実際、静岡市のイベントのなかではいちばん文化的だと思っている。
お気に入りのイベントで、静岡県に住んでいる時はもちろん、以前はこのために帰省までしていた。
それが最近、どうにも熱意が失せてしまった。
「天気が悪いから止めておく」「人混みが…」「行けたら行く」と、他のイベントと変わらない対象になっていた。
それでも今日は天気が良いし、街に行く用事もあった。
なので、自転車散策も兼ねて行ってみることにした。
今日は(昨日に比べて)ずいぶんと人が多かった。
でも、参加する大道芸人の数は少ない印象。
海外の芸人さん達が終了後にジョーク交じりに言う「できれば投げ銭して欲しい金額」も、500円や1000円ではなく、2000円だったりするので、円安の影響が大きいのかもしれない。落ち込んで海外から取り残されているかつての経済大国としては辛いところだ。
とにかく、経済的な理由が、あるいは初日と2日目の悪天候のせいか、それとも最初から参加する大道芸人が少なかったのか、以前よりも街で行われている大道芸は少なかった印象。
となると、適当に歩いているだけはただの散歩になってしまう。
自分は海外から参加している大道芸を好む。
第一にわかりやすい。
鍛えた肉体や技術だけで勝負するものが多いので、余計なことを考えずに済む。日本の大道芸人さん達は台詞や音楽に頼りすぎる気がする。どれだけ頑張ってきたのか語られても、ありきたりな妖しく幽玄な雰囲気を演出されても困ってしまうのだ。
第二に、やはり海外から来るだけあって、技術レベルの高い人達が多いように思える。特に最近はガイドブックも買わず予備知識もなく観覧するため、つまらない・合わない大道芸を避けたい気持ちが強いのだった。
なので、中国や欧州の化け物じみた人達の芸を探すことになる。
参加者が少ない場合、これはなかなか大変な問題である。
とはいえ、今日は運が良かった。
何も考えずに街を歩いて、人混みがあったらその中心で行われている大道芸を楽しむ。それだけの雑な方法で、いかにも自分好みの大道芸をいくつも楽しめた。
投げ銭だって弾むし、やはり大道芸ワールドカップin静岡は素晴らしいなあと思ったものだった。
おそらく有料会場やセレモニーでは、もっと大掛かりで素敵な大道芸が楽しめるはずだ。でも今年の自分は、今日の1日だけで満足。
県外の友人知人には「素晴らしいイベントだ」と強く勧めているわりに、自分は雑に楽しんでしまっている。そのことに後ろめたさはある。でも、どんな楽しみ方でも想像以上に楽しめてしまうのだから、まぎれもなく良いイベントなのだ。
来年はもう少し計画的に参加してみようかな、と今は考えている。
持ち運び用の椅子と、小さなズームレンズ付きのカメラを用意して、もちろんプログラムも買って、初日から頑張ってみようか…と思っているのだ。
もちろん、そんな気分は来年には忘れてしまっているかもしれない。
でも、自分の中の"お楽しみ恒例行事"が自然消滅はしないであろう前向きの気持ちは、やはり嬉しいのだった。