今年最初の宇治金時(白玉団子付)と映画「きみの色」

今日は、半日だけお休みの日。

 

映画館で「きみの色」を観てきた。
素敵な作品だった。友人夫妻から「君には絶対に合う」と言われていたが、確かに好みに合っている。それも、予想以上に合っていた。

 


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親に隠し事をしている、友達に言えないことがある、大きな嘘をついている。
そういった葛藤を抱えた高校生3人がバンドを組み、オリジナル曲を作る。
たったそれだけの、ありきたりな物語である。


だから、親兄弟に怒鳴ったり、学校で叫んだり、喧嘩してバンドが解散の危機になるのが普通の映画だろう。でも、この映画では全くそういう"強い言動の爆発"は起こらない。


もちろん、悩みを解決しようと行動することも、重ねた嘘がばれることも、嘘をついていたことを親に伝える場面もある。でも、普通の映画なら盛り上がる部分は、さらりと描かれるだけ。人生初のバンドを組んで、音楽を作り上げる場面のほうが丁寧に描かれる*1
物語の最初から各々は絶望を抱えているが、そのまま沈むようなことなく、3人が出会うことで先への道を見出していく。

 


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観ていてストレスになるような(胃が痛くなるような)ありきたりな場面がやって来ないので、最初はおやっと思った。主人公たちの周辺には、いくらでも掘り下げられそうなネタがあるのに、さらりと流されていく。

でも美しい画面を見ていれば、きちんと主人公たちの感情の起伏が伝わってくる。
色や音や動き、小さな演出の積み重ねの賜物だろう。
登場人物が時折伝える聖書の言葉も、すんなりと納得できる。

変えることのできないものについて、
それを受け入れるだけの心の平穏をお与えください。

変えるべきものを変える勇気を、
そして、変えられないものと変えるべきものを区別する賢さを与えてください。

これはいわゆる「平静の祈り」だったか。
人それぞれに「色」を見出す主人公の特殊能力(共感覚?)と併せて考えると、この物語がただの優しい青春物ではないように思えてくる。

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喧嘩や押し付けのない映画というと、特にアニメ映画では「悪人がいない」と評されがち。もちろんこの映画には悪人はいない。悪人がドラマを駆動するような話ではないので当然だ。
でも、この作品で「〇〇がいない」と言うのなら、「馬鹿がいない」というほうが正しいだろう。誰もがきちんと考えて、拙い言葉でも一生懸命に伝えようとする。
考えてみれば、現実世界だって身近な人達とはそういう交流が大半だろう。かけがえのない青春の数年間は、あえて魂を傷つけるようなやりとりがなくても輝くものなのだ。

 

 

長崎県周辺をモデルにしたような、静かな多島海キリスト教系の女子校、古本屋に楽器に猫。よく動くキャラクター達。説明ゼリフがほとんどなくても、全てが過不足なく伝わってくる、驚くべき作品だった。
軽い気持ちで映画館に行ったのに、ばっちり楽しんでしまった。帰宅して夕食の支度をしている時も、ずっとこの映画のことを考えていたくらいだ。

勧めてくれた友人夫妻には感謝している。自分のアンテナだけなら、見逃していたかもしれない。

 

 

 

そんな今日のおやつは、葵区鷹匠の和菓子処「いらわや」で食べた。
この店は何を選んでもおいしいけれど、せっかくなので好物の宇治金時を注文。
しかも白玉団子(+100円)を追加した。

なにしろこの店の白玉はやわらかい。ほんのり温かくて、出来立てのようなやわらかさ。というか、自宅で白玉団子を作っても、ここまで上手にはできないかもしれない。

その白玉団子を、宇治金時を食べ進んだ途中に追加する。
上品な小豆餡と、昔風の抹茶蜜に、やわらかな団子が加わる。パーフェクトである。

 

実は今年最初のかき氷だった。もちろん最初の宇治金時
何か想いがあってかき氷から遠ざかっていたわけではない。あまりに暑いとかき氷を食べる機会が減り、加えてお気に入りの店が相次いで閉店したせいで、9月になってようやく食べることができたのだ。
でも、久しぶりに食べてみると本当においしいものだ。
宇治金時を考えた人は偉い。ノーベル氷菓賞をあげたい。

 

アイスの旅

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映画は素晴らしく、おやつはおいしい。
夕食の魚は焦げ気味だったけれど、でも今日は良い日だった。

では寝ます。おやすみなさい。

 

お題「わたしの癒やし」

*1:でも、悩んで叫んで意見が衝突して…みたいなことはなくて、個々人が淡々と曲作りを進めていく。

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