数日前に行った豊川市について書く。
仕事で訪れたわけだが、午後からは休暇として、街の散策をしてきた。
特に豊川稲荷は、昔から行きたかった場所。
東名高速道路を使っていたときには、それこそインターを降りればすぐに行けた。静岡から西日本に行く途中に「ここで降りれば…」といつも思っていた。
最近は新東名高速道路を使う機会が増えたが、それでもたいして時間はかからない。ただ、神社だけのために寄り道するほど興味があるわけではないので、もう10年以上は「いつか行きたい場所」になっていた。
そんな個人的に近くて遠かった豊川稲荷だが、なかなか楽しい場所だった。
京都の伏見稲荷に比べるとこぢんまりしていて、境内を全て巡ってもたいした時間はかからない。
徒歩散策にはちょうどいい広さ。これより広いと、時計や体力と相談してコース選びをする必要がある。豊川稲荷ならば、適当に歩いても安心安全である。
もちろん本殿や最祥殿といった建物は立派で、外から眺めるだけでため息が出る。
霊狐塚に至る道は、おびただしい数の幟*1が奉納してあって、狐の石像と併せて独特の風景を形作っている。
でも、全体としては街の中心にある大きな神社の雰囲気なので、どこか親しみやすい。少なくとも異界じみた怖さは全くなくて、善男善女がご利益目当てで訪れるお気楽な雰囲気が楽しかった。
豊川稲荷から駅にかけては、いかにも観光地といった感じの商店街。
平日だったせいか、あるいは元から寂れているのか、音楽と看板だけが賑やかな感じ。
神社から少し離れると、いかにも古い地方都市といった感じの町並みとなる。交通量は多いが人間が少なく、全体的に静かな住宅街。
そんな場所で、休憩のために入った喫茶店「コーヒー&レストラン キャンドル」は、絵に描いたような「愛知県の喫茶店」だった。
個人経営なのかもしれないがスタッフを何人も雇い、たくさんの席がある喫茶店。モーニングメニューが充実していて、最も安いものはコーヒー代だけでトーストやサラダが付いてくる。平日からたくさんのお客さんで賑わっていて、全体的に騒がしい。
つまり、全国展開している「コメダ珈琲店」のローカルバージョン、あるいはアーキタイプみたいな店だった。
僕はコーヒーとプリンを注文したのだが、それでもモーニング*2を勧めてくる。断っても「ならばトースト抜きで、茹で卵とサラダだけでも用意できる」と、さらに言う。どうやらモーニングを断るのは非常識とされているらしい。
なので、コーヒー、プリン、茹で卵、サラダという、鶏卵のタンパク質に偏った軽食をとることになった。
プリンは大きく、しっかりと甘く、昔ながらの苦いコーヒーに合っている。
とても良い喫茶店だったと思う。
食事メニューも良さそうだったし、追加料金で選べるモーニングに関しては、立派な食事だった。近所に欲しいお店だ。
すっかり「愛知県の喫茶店」を堪能した後、豊川市を後にしたのだった。
その後、僕は三重県の菰野町を目指すことになる。その事については後日書くつもり。
ところで今日は(昨日に引き続き)すっかり疲れてしまった。
昨日の貰い事故で傷が付いた窓を何気なく触っていたら、指が傷だらけになっていた。浅い傷だが、指紋認証とタッチタイピングに支障がある。実に面倒くさい。しかし、触っても痛くないガラスの傷、ただ数ミリの欠けた部分で、どうして血が出るような傷ができるのだろう?困ったものである。