午前中のホルモン鍋:由比川沿いのおふくろ亭

所用により清水区の由比へ行っていた。
午前中の早い時刻に暇になった。訪問先の会社からほど近い場所にある定食屋さんを紹介されたので、行ってみることにした。
「安いしおいしい。おもしろい店だから行ってみるといいですよ」と、メモに地図まで書いてくれる。

それが、「おふくろ亭」だった。

 

由比は東海道の宿場町。今も本陣跡や古い商家が旧街道に残る。
自分の訪問先もその古い町の一角にあった。
しかし「おふくろ亭」は、新しい東海道、つまり国道1号線バイパス沿いにある。
その国道1号線バイパスは、町からは隔絶されている。つまり、東海道線や昔の堤防を隔てた海側にある*1。さらに、準高速道路ともいえる速度と交通量があり、車でバイパスを走っていても、あっという間に通り過ぎてしまう場所だ。中央分離帯があるから、バイパスでも上り車線でしか入れない。今まで「なにか店がある」としか認識していなかった場所だ。

では、そんな店に町から行くにはどうすれば良いのか。
メモによると、「徒歩でJR東海道本線の橋を潜れ」とある。でも道路なんて無い。
歩道すら無くて、川沿いの砂地を歩くことになる。



こんな場所を歩いて大丈夫なのかと心配になるけれど、足跡は無数にあるし、方角は間違っていない。
すぐ上を電車が通り抜ける橋をくぐると、店は本当にすぐそこにあった。

 

この「おふくろ亭」は、朝早くから開いている定食屋さんだ。
名物は白ホルモン鍋と、白ホルモンの炒め物。そして安い小鉢。
雰囲気は肉体労働者向けの安食堂といった感じ。デートに適した店とはいえない。

でも地元の家族連れらしき人達もいたので、日常の外食に活用されているのかもしれない。

僕は白ホルモン鍋定食を注文した。
白ホルモン鍋とは、どうやらモツ鍋のようだ。
それに数種類から1つ選べる小鉢のおかずと、漬物とごはんが付く。ごはんは「少なめ」でも、家庭の一膳かそれ以上だった。

定食は他に白もつ定食がある。鍋の代わりに、白もつの炒め物が付く。注文しているのを見ていると、生姜風味かニンニク風味が選べるようだ。

定食はその2種類だけ。
ただ、たくさんの小鉢(100円)や刺身(300円)を手に取り、ご飯や味噌汁を注文すれば、自分だけの定食を完成させることが可能だ。小鉢といってもサバの塩焼き等もあるから、ワンコインで立派な食事になる。

僕の注文した定食は、こんな感じ。
うっかり小鉢を1つ(ハムエッグ)取ってしまったが、これは余計だった。鍋とごはんで、十分に昼食になる。11時過ぎに食べて、夕食までお腹が空かなかったのだから、立派な量だ。

味も良かった。
白モツ、豆腐、油揚げ、ニラ、そしてモヤシ。どれもたっぷり入っている。
味付けは見た目よりも優しく、唐辛子を除ければ子供でも食べられそうだ。

 

食べ終える頃には、カウンターにずらりと並んでいた小鉢の数も減り、その旨を知らせる貼り紙が入口に出されていた。のんびりしているようでも、客が絶えない人気店なのだ。

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そんなわけで、教えてもらわなければ絶対に通らない道を通り、普段はまず行かない店へ行ってみたのだった。
最初は面食らったが、でも鍋はおいしかった。由比へ行くことがあったら、再訪してもいいかなと思える、良い店だった。
しかし雨の日はどうするのだろう。

そんな休日出勤の土曜日。
日差しは暖かく、気温は少し低い。過ごしやすくはあるが、病み上がり気分だったせいで落ち着かない。今もなんとなく警戒態勢なのだった。

 

お題「昨日食べたもの」

*1:そのさらに海側に東名高速道路が走っている。静岡県で最も細い場所に、町と線路と道路が束になっているのだ。

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