日中の外気温は26℃まで上がっていた。
日が落ちた後も、ベランダの温度計は23℃を指していた。今の季節では異例の暖かさだ。昼間は長袖Tシャツだけで過ごすことができた。
しかし明日は寒いのだという。
今日、公園や野山で見かけたシマヘビやカタツムリは大丈夫だろうか。
そんな暖かな今日は、代休を取得できた。
家にいてもつまらないから、静岡県の西部、磐田市にある「磐田市竜洋昆虫自然観察公園」へ行ってきた。
雑木林やビオトープのある公園にある小さな昆虫博物館が目的地。
地味な施設だが、とても良い場所だ。いつ行っても楽しめる。
今日はこの公園の名物企画展である「ゴキブリ展」が目的なのだった。
世界中のおもしろいゴキブリが展示される。ほとんどが生きている。
この施設のスタッフにゴキブリの専門家がいるようなのだ。新種発見や各種の研究で有名らしい。
展示は全体的に子供向け。
水槽の高さが、ちびっこ用になっている。
でも説明文は硬軟取り混ぜていて、大人でも楽しめる。
何よりゴキブリも、その他の生物も、とても見やすい。
石の裏に隠れてどこにいるのかわからない…みたいな事がほとんどない。多くの動物園や水族館を見てきたから、それがどれだけすごい事なのかわかる。
保護色で隠れている生き物が、きちんと水槽の中央にいて、しっかり探せば誰も見つけられる。「なるほど保護色なのだな」と、体験しながら理解できてしまう。すばらしい。
ゴキブリだけでなく、常設の虫や生物たちも元気いっぱい。
２階部分は昆虫標本など地味な展示があるけれど、それだって楽しめるように解説文が工夫してある。
流行りものやジョークを控えめにしたうえで、多くの人が楽しめるように作られているのは本当にすごい。テレビの動物番組くらいの万人受けを目指しながら、「クラスの昆虫ハカセ」を満足させる水準だ。
ビオトープや観察用の自然公園も良い感じ。
静かで、でも時々は子供の声が聞こえてくる。明るくて穏やかな場所なのだった。
展示内容とは直接の関係は無いのだが、企画展にはありがちな「ゴキブリの人気投票」には感心した。
入場時に貰える投票券を、全ての候補者（ゴキブリ）が記された投票箱に入れる形式。それぞれのゴキブリごとに投票口があるので、記名する必要がない。しかも名前のほかに写真まで添えてある。
ここまでストレスフリーな「人気投票」は見たことがない。企画をしたら、きちんと成果を出せるようにする。当たり前のことだが、なかなかできることではない。
万事このような気配りがされた施設だから、嬉しくなってしまうのだ。330円で、ここまで楽しめるなんてすごいことだ。
せっかくなので遠州灘方面をサイクリングしたり、途中で見つけた焼き菓子屋でブラジル風のパンを買ったりして*1、夕方まで過ごした。
特別に暖かい日だったせいもあって、なんとものびのびとした休日になった。
*1:南米系の人達が多い土地なのだ。
