山の神社と藁人形

夕方まで静岡市駿河区にいた。

用事を終えたあと、少しだけ近くの神社を散策できた。
そこで藁人形を見つけたのが、今日のいちばん大きな出来事だといえる。

 

その神社は、住宅街に囲まれた低山にある。
全体が墓地や雑木林になっている場所で、かつては山城だったそうだ。
その一部が神社となっていて、山頂には小規模ながら本殿らしい社も建っている。

漫画や小説で戦国武将の斎藤道三に興味が湧いていて、縁の地があれば立ち寄ることにしているのだ。今日の山と山城も、作中に登場している。

 

神社も山も、めぼしい遺構などは残っていなかった。
でも良い運動にはなったし、山城跡というのは登ってみると「なるほど」と思わせるものがある。こういう場所で戦の準備をしたのか、と平野部を眺めて考えることができる。

ちなみに漫画の「新九郎、奔る!」は漫画としておもしろいだけでなく、自分の生活圏の地名や、地名の元になった武士がたくさん登場する。室町時代から戦国時代に至る時期という、あまり知らなかった時代が舞台であることも、気に入っている。

 

とにかく、その散策中に、藁人形を見つけた。
石段から外れた場所に大きなクスノキがあり、そこに至る細道に落ちていたのだ。
はじめは注連縄かと思った。
そしてふと目を上げると、クスノキの洞や、周囲の杉の木に、いくつもの藁人形が打ち付けられていたのだった。

 

写真は撮った。
しかし帰る前に社務所の方に伝えたら、「インターネットには公開しないでくれ」と頼まれたため、ここには掲載しない。


誰がどんな目的で作ったのか知らないが、ものとしては貧相に見えた*1。細く束ねた藁で粗雑に作られていて、今までフィクションで見てきた、納豆の藁苞みたいなふっくらしたものとは大きく違う。
固定も、釘というより鋲みたいな細いものだった。

 

おそらく神社の人が回収し、焼いてしまうのだと思う。
社務所の横には、お札や注連縄や破魔矢を回収する箱があった。「どんと焼き」で焚き上げるのかもしれないし、何かしら"解呪"的な儀式をするのかもしれない。よくわからないが、とにかくクスノキの回りの人形は綺麗に回収されてしまうはずだ。もし継続して行われている「呪いの藁人形」だとしたら、次に来た時に犯人(?)はびっくりするだろう。

Amazonでも藁人形は売られているようだ。
コスプレあるいはジョークグッズらしい。

世の中には様々な商品があるのだと感心する。Amazonで藁人形を検索したら、屋外でも使える接着剤が「この商品を買うならセットでおすすめ」みたいに表示された。
世の中には様々な「おすすめ」がある。感心もするし、風情の無さに呆れもした。Amazonは(多くの状況で)風情を理解しないのだ。

お題「気分転換」

 

*1:落ちていたものは、数日前の雨もあって分解寸前だった。手に取ったら腕部分が落ちてしまった。

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