諸事情あって、夕方にJR静岡駅に行くことに。
少しだけ待ち時間があったため、南口から徒歩数分のところにある「静岡ホビースクエア」に行ってみた。
ここは静岡の地場産業であるプラモデルやその他の模型についてのショールームだ。行政と業界団体が組んで「模型の世界首都*1」である静岡産の商品を紹介する場所。
サウスポット静岡という25階建のビジネスビルの3階に収まっている。
入り口はこぢんまりとしているけれど、展示はなかなかに充実していた。
タミヤやバンダイ、アオシマ模型といった有名どころから、木製模型やミニカーの会社まで、多くの企業の商品が綺麗に並んでいる。
漆塗りや竹細工といった伝統工芸の展示も少し、それから模型サークルの展示もフロアの一部を占めている。
アオシマ模型の創業者である青島次郎氏に関する展示がいくつかあったのは、氏が地元の業界団体(模型倶楽部)の会長になった夜、懇親会の場で急逝したからだろうか。
大正時代にプロの飛行機乗りだったという特異な経歴と戦後の急成長から、生前から伝説の人だったと聞いたことがある。
無料施設とはいえ、ほぼ模型専門の場所。
お客さんは数人だけ。ただし、実に熱心な人が多かった。
珍しいところでは、バンダイのプラモデルをわざわざ買いに来ている人がいた。いわゆるガンプラは品薄で、この静岡ホビースクエア内の売店が穴場のようだ。ガンプラは1人が1個までと貼り紙があった。
売店は狭いが、各メーカーのプラモデルや工具、それに工作素材があって、眺めているだけでも楽しい。いかにも出張帰りといった雰囲気の男性達が、工具と小さなプラモデルをまとめ買いしていたのは、帰路の車中で組み立てるのか、それともお土産か。
スタバやタリーズもつまらないし…と消極的な気分で訪れた場所ではあった。
でも意外と充実していて、良い時間を過ごすことができた。
基本的には完成したプラモデルがずらりと並んでいるだけなので、時計を見ていつでも切り上げられるのも便利。
静岡駅で暇を潰すのなら、とてもおすすめできる場所。観光旅行の時間調整にも良さそうだ*2。
*1:傲慢な自称だ。
*2:静岡駅南口周辺の施設だから、入り口がわかりづらいのは仕方がない。ペデストリアンデッキを痩せさせたような連絡通路さえ見つければ大丈夫。大きな看板等は無く、地元の人間でも存在を知らない人は多いだろう。