牛カツとバナナカツ

早朝に家を出たせいで、13:00を過ぎて自由になった時には空腹が我慢の限界だった。
しかし放り出されたのは袋井市の田舎。
代掻きが終わったばかりの田んぼと、川と山、それに小さな工場がちらほらあるだけ。今日はバスと電車での移動だったから、外食をするにもまずは移動しなければならない。

 

さて困ったなと歩いていたら、工場の制服姿のおじさん達が談笑しながら入っていく店があった。垢抜けない雰囲気ではあるが、気軽な食事ができそうだ。

というわけで入ったのが「コスモス」というお店。
入店してすぐにわかった。ここは南米料理の店だ。

入口とレジの周りは、南米食材店になっている。乾物や冷凍食品、ペストリーもある。
見たことがない野菜も並んでいて、なかなかおもしろい。

先ほど入っていったおじさん達は、いわゆる日系人だろう。見た目は日本人のおじさんだけれど、喋る言葉や身のこなしが南米っぽい。だから、お昼には南米料理(ブラジル料理?)のお店に来るのは自然なのだ。

しかし僕にとっては全くの予想外。
こういうお店は好きで何度も行っているが、メニューを見てもわからない事だらけ。
とりあえずメインの品を注文すれば、副菜や米は食べ放題のようだ。

というわけで、目についた(そして食べたことがなかった)揚げ物料理の「牛カツとバナナ Bife à cubana」を注文してみた。

取り放題の料理は、レタスやブロッコリーといった野菜、それにポテトサラダなど。南米のサラダによくある、刻んだハーブや野菜がたっぷりのドレッシング、そして唐辛子の酢漬けもある*1
なぜか梅干しと筍の煮物もある。日本に住んでいる南米系の人達だって和食を食べるだろうから、不思議ではないのかもしれない。

ご飯は業務用炊飯器で炊いた普通の白米。
そして、保温鍋には豆と肉のシチュー「フェジョアーダ」が。このフェジョアーダはとてもおいしかった。豆ばかりで肉は少なめだが、塩気と豆の風味がちょうどいい。

しばらくしてテーブルに届いた「牛カツとバナナ」は、まさに牛カツとバナナだった。
牛カツは薄い赤身肉に下味をつけて揚げたものが何枚か。何も付けずに食べて、とてもおいしい。
バナナは単品で注文すると「バナナカツ」と呼ぶらしい。見た通り、皮をむいたバナナがフライになっている。

料理用の甘くないバナナならば南米旅行の時に普通に食べていた。でも今回のバナナカツは、そのへんで売られている甘いバナナだった。

違和感がすごい。熱が通りとろりとなったバナナは苦手な部類の味と食感ではあるし、牛肉と交互に食べるのも抵抗がある。
でも、食べ進めていくと「これはこれでおいしいのではないか」と思えてくるから不思議だ。そして、味に馴染み、組み合わせに納得した頃に、皿が空になる。

「コスモス」は小さなお店だ。
厨房に誰かいて、接客は高齢の女性が担っている。若い女性も働いているようだが、あまり目立たない。全体的に静かで、常連客で持っているような雰囲気がある。

予想外の連続ではあった。
でも牛カツとバナナはおいしかったし、お店の人達は親切だった。空腹も満たされた。
いいお店だったし、良い偶然だったと思う。午後は満腹で眠くなって困ったけれど。

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*1:唐辛子の酢漬けを、うっかりたくさん取ってしまい大変だった。おそろしく辛い。

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