一昨日も昨日も色々と忙しい。もちろん今日も、どたばたしていた。
しかし忙しさを理由に私生活を疎かにしてはいけない。
経験上、忙しさが加速する。
というわけで、懸案だった折りたたみ自転車の処分をしてきた。
しばらく前に決意して、いつでも空いた時間に済ませられるように、車に積んであったのだった。
処分したのは、折りたたみ自転車のSTRIDA。
まだ若い頃に買った。
10年は乗ったと思う。
静岡の街で盗難に遭い5年以上過ぎて、放置自転車として隣の市で見つかった。
その時には新しいSTRIDAを買っていたので、放置され錆びたSTRIDAは1号機と呼ばれることに。
そのSTRIDA1号機は、数年の間、友人の元に預けていた。
故あって、この夏にSTRIDA1号機は僕の元に戻ってきた。
いくつかのパーツは、新しいほうの2号機に移設された。簡単な整備をした後は、カバーをかけて倉庫の奥に安置された。
大きな故障は無いが、再び乗ることはないだろう。あちこち劣化してきたし、STRIDA2号機のほうが総合的に優れている。
とはいえ、ずっと倉庫に置いたままにはしたくない。
倉庫は広いから、放置したらそのまま何年も忘れてしまう。たまに思い出して「どうにかしないとなあ」と負担に思って、また忘れる。そういう"死蔵"をするのは嫌だ。
というわけで、中古自転車を扱う自転車店に、STRIDA1号機を渡してきた。
手間賃にもならない買取価格だったが、処分費用を取られる覚悟で行ったから気にならない。むしろ、整備して店に並べてくれる事が嬉しい。*1
来月の中頃には再整備して店頭に並ぶという。あるいは店主が自分用に乗り回すかもしれないと言っていた。
それがSTRIDAとのお別れ。
この折りたたみ自転車は、三重県への引っ越しにも連れていった。通勤や日々の買い物、街の探検と大活躍だった。日常生活に折りたたみ自転車を活用する習慣は、このSTRIDA1号機で始まり、そして今に至る。
新幹線にも乗せて、東京を走り回ったこともある。離島への旅にも連れていった。
思い出を語ればきりがない。
今になって、なんだか残念な気がしてきた。
でも悲しくはない。思い出があって思い入れがあっても、たぶん僕はもう、きちんとSTRIDA1号機に乗ることは無かったから。乗らない乗り物を持ち続けることは、手放す事とたいして変わらない。そもそも"STRIDA1号機"は僕の中の存在であって、自転車そのものは、ただのモノだ。
残念な気持ちも感傷だが、乗らない自転車を倉庫に死蔵したくない気持ちも同じく感傷。
折り合いはついている。ただ、STRIDAの2号機を乗っているとき、あるいは新しい自転車に出会ったときに、きっとSTRIDA1号機のことを思い出す。
良い自転車だった。
*1:ちなみにHARD OFFでは買い取ってもらえなかった。店の前で記念撮影までしたのに、残念なことだ。