今日からロボットになります

打ち合わせと説明のためにファミリーレストランに行ってきた。
先方が来るまでにコーヒーでも飲もうと、少し早めに到着したところ、客は僕ひとりだった。

休日の午前中には客は少ないのかもしれない。
少ない店員たちがのんびりと準備をしていて、普段のファミレスとはちょっと違う感じ。

 

席を案内ながら「今日からロボットになります」と店員さんは言う。
これを正確な日本語で言うならば「今日から接客の一部を配膳ロボットに切り替えます。ご容赦ください」ということだろう。飲食店、特にチェーン店における敬語表現は、慣れないと面食らうことがある。

 

コーヒーを飲んで、少し読書をしていたら先方が合流、打ち合わせをした。
いわゆる"黙食"も慣れたけれども、会話が主の状況では会議室と変わらない。せっかくドリンクバーがあるのに、「飲むのは後で」というのはつまらない。これならば、コップを全て片付けてからのほうが集中できる。

というわけで、打ち合わせを終えたあと、相手は早々に帰っていった。
相席だと食べるのも飲むのも不便だから、別の店(ファミレスかカフェ)で"飲み直す"のだと言っていた。気持ちは、よくわかる。

 

 

僕はケーキを注文した。
注文というか、薦められてアプリ会員になったら「お誕生月特典」として無料のケーキが振る舞われたのだった。
誕生月は8月なのだが、店員さんに聞いても「よくわからないが、大丈夫ですよ」とのこと。ちょうど軽く食べておきたかったし、ケーキは嫌いではないし、今日を逃せば再訪する機会も無さそうだから、この特典は使ってしまうことにしたのだ。

このケーキが、例のロボットにより運ばれてきた。
タブレットでの注文時に、オプションで「バースデーソング」が選べた。選んでいたら、ロボットが歌っていたのだろうか。それとも店員さんが来たのだろうか。

しかし、無人のロボットが妙に明るいメロディと共に、孤独な氷河期中年にお誕生日ケーキを運んでくるのである。「ものすごい未来に来てしまったぞ」といささか興奮してしまった。ココアパウダーで描かれたハッピーバースディの文字も白々しくて、とても趣が感じられた。コーヒーの不味さにも、未来感を見出してしまう。
ファミレスの配膳ロボットなんて何度も見ているけれども、今日は格別だった。

そうやって、マシーンによる祝福を堪能していたら、客がちらほらと入りはじめたため、最後に紅茶を飲んでから店を後にした。

 

 

 

 

そんな土曜日。
午後はパソコン仕事を進めたり、親の見舞いに行ったりして過ごす。夕方には料理の作り溜めもした。
親の介護についてオンラインでレクチャーを受け、ドラゴンクエスト2を少し進め、夜の散歩をして今に至る。
総じて、平和な一日だった。

 

今週のお題「SFといえば」

 

 

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