夜の散歩ふたたび:ウシガエル地帯

天気も安定してきたので、夕食後の散歩を再開した。
大抵はスーパーマーケットなどへの買い出しを兼ねている。夕食の準備で不足したものを把握して、手で運んで負担にならない小さなものを買う。家族に頼まれた文房具や雑貨を買いに、ホームセンターや100円ショップに立ち寄ることもあるし、朝食用のパンを補充することも多い。



しかし実家の周辺は典型的な郊外、田舎である。
少し歩けば「幹線道路沿いのロードサイド風景」の典型みたいな場所に出るし、その反対側に行けば元ニュータウン*1や、小さなショッピング・モールがある。買い物のための散歩は、この方面を歩くことがほとんど。

もう少し散策をしたい時には、山のほうに行く。
こちらは街灯も少ない、いわゆる田舎だ。運が良ければキジに会えるという。僕は先日、皮膚病を患ったタヌキに遭遇した。
気が弱い人ならば夜の散歩を嫌がるタイプのルートである。
謎のスクラップ置き場や葛の茂みの脇を歩き、ようやく到達した最も明るい場所が高架道路の側道。そんな、田舎の悪いところを寄せ集めたような場所を歩くことになる。

今日は、まず買い物を済ませたあとに、寄り道をして"田舎"方面へと向かった。
昼間に全く足を使っていなかったため、少しでも運動をしようと考えたのだ。

見通しの利かない、草だらけの田舎道でも、散歩は気持ちが良い。
ほとんどすれ違う人も車もなく、のんびりと歩くことができる。

なぜか夜なのにヒグラシが鳴いていた。
そして、川も沼もないのに、ウシガエルの鳴き声もたくさん聞こえた。理由は全くわからない。風景は子供の頃から変わらないのに、音だけが違うというのは不思議かもしれない。とはいえ、買ったばかりの豆腐やレタスがあるし、懐中電灯も虫除けスプレーもないから、音のする細道に入っていくことはできない。
たぶん明日には忘れてしまう、小さな違和感。こういうオチの無さは、夏の散歩らしいような気はする。

 

 

お題「ささやかな幸せ」

*1:最近は寂れかたが凄い。

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