お菓子作り趣味の友人から、チョコレートケーキが届いた。
持つべきものはお菓子作りが趣味の友人である。
夏にチョコレートケーキは珍しい…と添えられたカードを見てみると「ズッキーニのチョコレートケーキ」と(英語で)書いてある。
なるほどズッキーニを使うスイーツならば夏向けである。
でもこのズッキーニ入りのケーキ、見た目は普通のチョコレートケーキなのである。薄いアイシングの下にある生地には何か千切りの植物っぽいものが見えるが、他に代わったところはない。
でも食べてみたら、普通のチョコレートケーキとは大きく違っていた。
チョコレートケーキとしての味は変わらない。
友人好みの、しっかり甘くした生地と、ダークチョコレートのチップの組み合わせ。
ただ、食感が違う。
なめらかで、軽い。
軽いのだが、いわゆるスポンジ状ではなくて、水分が多くてみっちり詰まっている。なのに、ぬるりするりと口当たりが滑らかなのだ。
なんとなく九州銘菓の「かるかん」を思い出した。
あれは山芋と糖分で滑らかさとしっとりした感じを出しているわけだが、どこか似たところがある。おそらくは千切りにしたズッキーニが、同じ役割を果たしているのだろう。
元から主張の少ない野菜である。ズッキーニの味は、ほとんどわからなかった。
上記の滑らかさや軽さ、そしておそらくは増量のためにのみ、ズッキーニは使われているのだと想像する。
古くはないが、イギリス菓子では定番だというこのチョコレートケーキ。
珍しいものを食べることができて大満足。ごちそうさまでした。
なお、写真を撮ったら真っ黒い塊が映っただけなので、画像は無し。見た目は普通のチョコレートケーキなので、ブログに載せる必要も感じないくらい。
面白い体験だった。まだ冷蔵庫には、たっぷり残っている。とても素敵なことだと思う。