台湾のおばさん料理店

昼に適当に入った店が、安くて量が多い居抜きの中華料理店だった。
何と呼べばよいのかわからないけれど、とにかく田舎には多くあるのだ、そういう店が。
大抵は台湾料理店を名乗っている。
メニューは写真付きで立派。品数も多い。
なぜか冷奴や枝豆など、飲むための品が載っている。
最初に書いたように、安くて量は多い。味については店毎にずいぶん違う。

どのような繋がりがあるのか不明ながら、各地に点在し、そして似通ったスタイルを保つ。そういう部分は、インド料理店にも近い。

今日はなんとなく、チャーハンが食べたくなったのだった。
家でも1人の時には作るけれども、他人の作った、外食っぽいチャーハンが食べたい。

チャーハンか、サンドイッチ(にんじんサラダが挟まっているやつ)か、何か甘酸っぱいスイーツ、お昼にはそれら3種以外は食べたくない気分だった。
そして最初に目に入ったのが中華料理店だったので、飛び込んだわけだ。

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チャーハンはシンプルにおいしかった。
チャーハンと野菜のおかずとスープとお茶、というセットを注文した。でも、テーブルに来たのは、チャーハンと唐揚げと野菜のおかず(青菜の炒めもの)とレンコンの黒胡椒炒めとスープ(豆腐とザーサイ、とろみがついている)と漬物とお茶と冷水だった。

大丈夫かな、と心配になったけれども食べる。
何故ならば、言葉が通じそうにないから。

店員さんは全員が中国あるいは台湾の人たちだった。
注文を取る人は片言の日本語を話すけれど「クレジットカードや電子マネーは使えるのか?」といった質問にも答えることができていなかった。
店員さんを呼ぶチャイムも中国語が書かれていたし、押した時の「3番テーブルでお客様がお待ちです」みたいな合成音声も、そしてレジシステムも中国語だった。
食材以外、全て中国か台湾から持ち込んだみたいな店。

 

向田邦子の手料理 (講談社のお料理BOOK)

向田邦子の手料理 (講談社のお料理BOOK)

  • 作者:向田 和子
  • 発売日: 1989/05/22
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

ここまで「中国流」を徹底しているのは初めてかもしれない。
店員は全員が中年以上で、ずいぶんと楽しそうに働いている。飛び交う言葉だけでなく、そのノリが異国じみている。
台湾旅行で見たような光景に、静岡県の真ん中で出会ってしまった。

静岡県では、南米系のお店が独自のスタイルを貫いている。しかしそんな店でも、日本人スタッフが働ける余地がある。メニュー以外は空気まで外国、みたいな店はさすがに珍しい。

すごい、都会みたいだ。

 

東京の子 (角川書店単行本)

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きっと、これからはこういう体験が増えるのだろう。
国際化、日本経済の弱体化と海外資本の進出の、ひとつのかたちである。
歴史の教科書にある「この頃から、○○族は勢力を増し、近隣諸国では反発が強まっていた」という記述は、戦と占領ばかりを指していない。
「いつの間にか、静鉄ストアーが消えて、バローが跡地に入ったね」「バロー安いね。スーパー富士屋も危ういんんじゃないかな?」みたいな話が、国際的になっただけなのだろう。

混交し、交流し、淘汰される経済。どうか願わくば、僕の好きな部分だけは残ってほしいと思う今日このごろ。世の中そう上手くはいかないものの「色々あったけれど、トータルでお得だから良かった」だけではない、複雑で面白い世界になってくれればと思う。

 

店名も忘れてしまったけれど、良いお店でした。
青菜炒めは、家でも真似したい*1
都合により朝食がトマトだけだったから、がっつりした昼食がとても嬉しい。老人と暮らしているとなかなか食べられない味でもある。
たまにはいいなあ、と思いながら胃もたれはしているのは、どうにも格好悪いのだけれど。

ちなみに、注文(チャーハンランチセット)とは別の内容だった件は、特に問題なかったようです。なぜか50円、安くなったのも、「ダイジョブ、デース」とのこと。安いぶんには僕もダイジョブ。 

アイスの旅

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  • 作者:甲斐 みのり
  • 発売日: 2019/06/10
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 
クラシックホテル案内

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お題「ささやかな幸せ」

*1:最近は葉野菜が高いですね。実家の周りは、小松菜だけが通常価格。