肉のない焼きそばでも幸せ ─ 静岡市葵区巴町の『松竹』 ─

所用で静岡市へ行く。
中心街は少しだけ滞在、その周辺を自転車で走る。なにしろ暑いので、持参したペットボトル2本が無くなる前に拠点*1へ戻る。帰宅してから、静岡市は昨日今日と日本一の気温(37℃)だったと知る。静岡市とその周辺の人間からすると、最高気温はもっと山のほうで記録されるものなので、ちょっと予想外。確かに辛かった。 

火星の人〔新版〕(上) (ハヤカワ文庫SF)

火星の人〔新版〕(上) (ハヤカワ文庫SF)

 
火星の人〔新版〕(下) (ハヤカワ文庫SF)

火星の人〔新版〕(下) (ハヤカワ文庫SF)

  • 発売日: 2015/12/08
  • メディア: ペーパーバック
 

 

 

自転車で広めの公園を横切っている時には「マスク警察」のおばさんに怒られた。
マスクの着用をチェックする老人が、あちこちに出没しているようだ。
自分は自転車での移動中はマスクをしていない。人が増えたらどうせ自転車からは降りるし、そうなったらマスクをすぐに着ける。距離と密度を考えたら、それで十分だと思う。

逆に、全くマスクをしない人も何人か見かけた。
見た目で言うのは良くないのかもしれないけれど、ヤンキーとかチンピラ風の夫婦ばかり。これは「半グレ」仕草なのだと思う。つまり、コンビニの駐車場でわざわざ斜めに停めるベンツや、ファミレスで机に足を投げ出す(あるいはソファに立て膝で座る)ジャージ愛用ファミリーと同じである。

今やマスク着用が「社会性」の指標となった。
だから、マスクなんて気にしないぜとアピールすることが半グレ仕草として成立する。
逆に、マスク着用を絶対のルールとして、他者を指弾するおばさんも現れる。ゴミ分別のチェックのために他人のゴミ袋を開けるような人達が元気になる。
公園でマスク非着用者に大声をあげるおばさんも、ディスカウントスーパーでマスクをせず(店頭の注意書きも無視する)カップルも、同じコインの表と裏だと思う。

なんのためのマスクなのか*2、というのは20日に1回くらいは全国民に再通達したほうが良いと思う。
とはいえ、この国では、「原理原則」からは目を逸らすことが一般市民のあるべき姿として求められている。難しいことを考えるのは、つまらなくてズルい事なのだ。残念なことに。

 

 

「ウイルスだらけ」な日常では珍しいくらいに、今日は様々な場所に立ち寄ってしまった。書店や文具店、古書店等々。良い買い物もあったし、後で後悔するものもある。
ともあれ、明日以降に感染が判明したら、保健所の人はトレースに苦労するのではないか。少し反省している。

 

コロナの時代の僕ら

コロナの時代の僕ら

 

 

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お昼は北街道沿いの老舗「松竹」で食べた。
焼きそばと餃子の店、と認識しているけれど、ラーメンや炒飯を注文する人も多い。メニューにワンタン麺やワンタンや黄金饅頭(!)もあるから、「鉄板があって、粉ものが充実した中華屋さん」と表現するのが正解なのかもしれない。

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小さなお店である。昭和を描いた作品のロケに使われそうな雰囲気。創業は1954年、カルロス・ゴーン氏やジョン・トラボルタ氏が生まれ、映画「ゴジラ」が公開、自衛隊が発足した年だ。

 

 

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そんな古い店のソース焼きそばは、シンプルそのものである。
具はキャベツと、上に乗ったナルトのみ。細めの麺は、しっかりとしたコシがある。ソースはフルーティーと言っていいくらいに甘酸っぱい。
不思議な焼きそばだ。一般に、鉄板で焼いて供される粉・ソース物というのは各種の食材が渾然一体となって、さらに油と脂が絡み合うものなのだが、この焼きそばは違う。キャベツだって少ない。
そして、びっくりするくらい香ばしい香りがする。
他で食べたことがない味。一言でいえば、おいしい。

 

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餃子は普通。普通の餃子と、一風変わった焼きそばを交互に食べていると、なんとなくラムネを注文したくなる。「それでは完全に『孤独のグルメ』ではないか」と妙な理由で我慢したけれど、今は少し後悔している。

 

 

自分の行動範囲から少しずれるため、なかなか行く機会が無い。でも良い店です。
前を通り過ぎるばかりで入ったことがない、という人はいちど行ってみると良いと思う。ラーメンも実にシンプルな趣があって、素晴らしいのです。

 

ポケットに静岡百景

ポケットに静岡百景

 

 

他にも色々あったけれど、今日の日記はこれでおしまい。
明日は法事の予定だが、お坊さんから「もしかしたらキャンセルになるかも」と連絡が来ている。仏さまは何しろ仏だから寛容だろうし、死者がカレンダーに囚われる事も無いだろうから、我が家としては何の問題も無い。しかし親戚一同が集まるような家だったら大変な事になっていたと思う。お寺も「断りやすい家」を選んでいるのかもしれない。

おやすみなさい。

 

アイスの旅

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  • 作者:甲斐 みのり
  • 発売日: 2019/06/10
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 
東海道新幹線 各駅停車の旅

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お題「ささやかな幸せ」

 

*1:折りたたみ自転車なので、駐車場に停めた車

*2:当然、健康のためのマスクである。

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