今日はテストの日。たぶん合格。
自分にお疲れ様、ということで前から気になっていたお店に行ってみた。
前から、というのはちょうど一年前の今頃、この地に住み始めた時から、いやもっと前の、出張で何度も香川県を訪れていた頃から、なんとなく気になるお店だった。
見た目はちょっと古めの「たこ焼きや鯛焼きを売る半持ち帰り形態の小型店舗」で、香川県らしく讃岐うどんも食べられる。
僕はこの店がある「観光通り*1」という道に縁があるようで、かつては宿泊から転居時の一時滞在、そして仕事の行き来も、そして今は日常的な自転車散策コースにと、よく通るのだ。生活圏の外周接線にある道路、それが観光通り。
週に何度も横を通り、しかし自分の生活では行く機会が無く、でもなんとなく気になる店。そういう場所は、何かきっかけを作ってでも一度は訪れておくといい。上手く行けば世界が広がるし、気になったまま閉店してしまう“失敗”も防げる。こうして日記のネタにもなる。
テストの後の今日が、自分にとってそういう日だった。
店の名前は「揚げたこ焼きの店 マークン」。
年配の店主が1人で切り盛りしている。
香川県の店らしく、たこ焼きが妙に安い。店の外はそれほどでもないが、店内は壁にびっしりメニューが貼られ、不思議なオリジナルメニューの見本がいくつか並んでいる。例えば「チョコレートうどん」とか、「氷うどん(かき氷+讃岐うどん)」とか。
要はオモシロメニューの店なのだが、名古屋の「マウンテン」とはちょっと違うタイプだ。店にあるレギュラーメニューの食材を組み合わせて大量のオリジナルメニューを作り出すお店。
つまり、うどん、鯛焼き、揚げたこ焼き、普通のたこ焼き、そういうものを順列組み合わせ的に活用する。「うどんラーメン」のような、ちょっとよくわからない品もあるし、かき氷の「コーラ味」のようにその辺で調達した品を使うメニューもある。
僕はまず手始めに「鯛焼きうどん」を食べてみた。
3年前に瀬戸内国際芸術祭2016のついでに観音寺市の「餡餅入りうどん」の店に行ったら閉店日だったことがある*2。その日のことを思い出して、これを注文したのだ。
鯛焼きは「揚げ鯛焼き」だという。鯛焼き自体に何種類かあって(小豆餡、カレー、カスタードなど)、僕は小豆餡を選んだ。
うどんは、ネギが添えられたかけうどん。ここに揚げ鯛焼きが乗っている。揚げた鯛焼きを想像し辛い人は、自宅で冷凍の讃岐うどんを使って、ドーナツを乗せれば近いものが楽しめるだろう。
うどんの汁をきちんと小鍋で温めてからザルを通して丼に注ぐあたり、専門店でなくとも讃岐の地である。
味はまあ、普通に美味しい。
鯛焼きはあっという間に汁の中でほぐれていく。熱い小豆餡で口の中を火傷しそうになる。
当然、餡(かなり甘い)も汁に溶け出すが、うどんの味を破綻させるほどではない。愛知以東の田舎で蕎麦やうどんを食べると、もっと甘いこともある。
駅の立ち食い蕎麦屋の「コロッケそば」みたいな感じ。見た目ほど奇抜ではない。
「炭水化物(小豆餡)+炭水化物(鯛焼き)+炭水化物(うどん)」で、揚げ油や醤油や塩も使っているので、お医者様もニッコリのバランス栄養食である。生活習慣が評価される自己責任社会においては重課税されそうな食べ物。
でも1人で静かに食べている限りは、特に盛り上がるものでもない。ホイップクリーム山盛りのパンケーキとは違うのだ。
というわけで初「マークン」の「鯛焼きうどん」は良いものだった。ちなみに価格は500円、肉うどんよりも高い。遅めのおやつの時刻に食べて夕食が要らないくらいにお腹が膨れた(あるいは血糖値が上がった)ので、それなりにお得な食事だったかもしれない*3。
そして今、次は何を食べようか、と考えている自分に驚いている。これくらいのマイルドなオモシロメニューのお店が自分には合っている。店主の老人が何も主張しないのもクールだ。
お昼は至って普通の地味なお弁当。
枝豆は冷凍のものを出汁醤油に漬けただけ、肉団子も出来合いのものに黒酢あんだけ作ってからめただけ、といった半端に手抜きのお弁当。正直言って、もう少し手作り要素を増やすか、逆に冷凍食品などに頼るほうが、生産性という点では正しい。時間とお金と手間と成果のバランスについては、今後の課題としたい*4。