銭湯と、そして全ての小さなこと(ELT)

アパートのガス設備に不具合があって、今日の午前中はお風呂も台所のお湯も使えなかった。
昼は留守にする自分としては特に不便は無かったのだけれど、管理会社からは「お風呂券」を貰えた。

「お風呂券」とは、市内の提携するいくつかの銭湯やスーパー銭湯で使える入浴券らしい。初めて見た。
ガス工事中の代替手段だから使用期限が限られている。平日の今日に使ってしまうことにした。

リストにある中でいちばん古い銭湯に行ってみた。スーパー銭湯に比べたら入浴料は安いが、せっかくの機会に、古い街の古い銭湯に行くことにしたのだ。

日没直後に行ったのに、お客さんは多い。お年寄りがほとんど。
港が近いこともあり、刺青をしているお爺さんも数人いた。

広くは無いが、かなり深い特徴的な湯船に浸かる。お風呂券が無ければ出来なかったであろう体験。ある意味でプライスレスである。

 

銭湯図解

銭湯図解

 

 

ところでお風呂では老人達がかなり自由に過ごしている。
シャンプーも石鹸も持参するスタイルの銭湯だから、自宅の延長みたいなものなのかもしれない。

歌っている老人もいた。
「タァクシィーのヘエェッドラァイットーがぁぁー 眩しくて ひっとっみっをとじぃたぁー ほっほに流れ落ちるなぁみぃだぁ 街がにじんでぇぇいたぁぁぁ♪」
と、なかなか良い声で呻っている。こぶしが効いていて、なんというか、お風呂の雰囲気にとても合う。壁に描かれた松林と多島海によく似合っている。

聞き覚えのある唄、いや歌だなあとぼんやり数秒考えてから気づいた。これ、Every Little Thingの「For the moment」じゃないか。



まだメンバーが若く、夜の都会を歌っていた時代のヒット曲。
自分の“若い頃”を彩る名曲のひとつと言っていいだろう*1
お爺さんなのにどうしてこんな曲を…と思ったけれど、考えてみれば世間一般の「若者」よりも、僕はこの銭湯のお爺さん達に(年齢や文化的には)近いのだ。彼らがELTCoccoプリンセス・プリンセスを合唱していても不思議ではない。

そういえば、20代の「昭和の曲も好きっすよ。名作ぞろいです」と語る若者が「ZARD」を「音楽好きに愛され時代を駆け抜けたロックバンド」扱いしていて「なるほど、僕の若い頃は既に『時代』なのだな」と実感したのが昨年の今頃だった。昭和時代も平成時代も、年表の彼方だ。

 

フレンズ

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なるほどなあ、と何度も頷きながら、帰路はELTのベストアルバムを聴きながら帰宅したのだった。GoogleAmazonのサービスで古い曲も手軽に聴けるのも、時代である。

 

THE BEST History of GARNET CROW at the crest...(初回限定盤)

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そういえば、あの時代には都会の夜で愛やら真実やらを探していた異性の友人が、(予想よりも老けずに)今は田舎でほっこり暮らしている。そういう中年は多い気がする*2。まるでELTの変遷をなぞっているかのようだ。
まさにポップソングは時代を映す鏡である。

 

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Every Best Singles ‾Complete‾【通常盤】

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ところで今日のお昼ごはんはこんな感じ。

https://www.instagram.com/p/B7FXGifgT5B/

 

  • 小豆の炊き込みご飯
  • 鶏唐揚げ
  • 安納芋と林檎の煮たやつ
  • もやしのナムル
  • ソーセージとキノコのオイル焼き

今週は1週間分のお惣菜作り置きを少なくしている。そのうえで、諸々の事情で、毎日の自炊も手抜きをしている。食材の種類や色味が代わり映えしないのはそれが理由。冷凍した食べ物の処分も兼ねている。明日は週末、冷蔵庫の中には茶色いお惣菜が何種類か並んでいるだけだが、まあなんとかなるだろう。

 

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私たちのお弁当 (クウネルの本)

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クウネルの本 もっと私たちのお弁当

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お題「今日の出来事」

 

*1:好きな曲だが、昔から『瞳を閉じた』という表現が引っかかっている。瞳孔の事だろうか?

*2:老人は知らない。

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