仕事帰りに映画館に寄った。
昔は当たり前に夜の映画館に行っていたけれど*1この5年はそんな習慣も無くなっていた。今日はたまたま、出かけた先で仕事を終えて、近くに映画館があった。ちょうど帰宅渋滞の時間だったこともあって、そしてここ半年は本当に多忙だからチャンスがあれば観たい映画は逃せない。
というわけでハン・ソロさんの映画を観た。
とびきり楽しい作品だった。
小ネタ的にスター・ウォーズ世界のお約束が登場するし、スター・ウォーズ世界でなければ通用しないストーリーではあるのだけれど、普通に面白いSF活劇になっていてファンでなくても楽しめる。
チューバッカさんの大活躍も嬉しい。
フォースもストームトルーパーも表立って登場しない、そしてみんな等身大というか、金や地位や欲のためにひたすら頑張る。そんな等身大の悪党ばかりなのも素晴らしい。
マスター・ヨーダは好きなキャラクターだけれど、ああいう仙人っぽい人が何か語って宇宙の平和や調和云々を求めつつ戦争まで起こすよりも、地に足が付いている感じがする。神話ではなくて歴史の話が僕は好きなのだ。
それからデススター的な超兵器も登場しない。ああいうものが終盤に登場すればそれはもちろん盛り上がるのだが、いつも「2つ作っておけば良いじゃないか」とか考えてしまう。どかーんと手近な星を壊して、報告があって、その後に悪い人が「よし次は反乱軍の本拠地を撃とうフフフ」とか言って、そして準備して、なんて迂遠なことをしているから負けるのだ。換気扇の装甲以前の問題だと思う。
帝国軍の戦略とやる気は別として、やっぱりいつもいつも「みんなの危機」ばかりではつまらない。
自分と身近な仲間の危機、もっと言うとファルコン号に乗り合わせた人達だけが生き残るのに精一杯な程度の危機こそ、観る側だって余計なことを考えずに済む。
ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー オフィシャルガイド
- 作者: パブロ・ヒダルゴ,高貴準三,富永晶子,村上清幸
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外伝・スピンオフだからスケールは小さい。だから人によってはつまらなく思えるかもしれない。スター・ウォーズらしさはそれほどでもないけれど、きちんとスター・ウォーズ世界の面白みがある、変な映画ではある。
スター・ウォーズ・サーガに興味が無い人*2だと、見終わった後に「で、これがどの話に繋がるの?」「知った顔が最後のほうで出てきたけれど、何で?」となるだろう。
SF映画としてはずいぶん粗い(はははハイパー燃料!)うえに、実際のところこの作品でスター・ウォーズ世界にほとんど深みのようなものは加わっていない*3。そういう意味では「ローグ・ワン」とは全然違う。
でも、だからこそ楽しめた。
肩の力を抜いて、冒険や強盗や追跡劇をただ楽しむ。ディズニーランドのアトラクションみたいな作品だった。
ムビチケなどで安く買えば、十中八九文句が出ない、優秀な娯楽作品だと思う。定価で期待していると、どうだろう?