映画「GRIDMAN UNIVERSE」

 

ここ数年の方針として、親しい人達が勧める映画は必ず観ることにしている。
歳をとって自分の嗜好だけでは世界がどんどん狭くなり、結果としてつまらない思いをすることも増えたので。経験を積んで自分の判断力は増えても、世界の広さには敵わない。

先月は父の同窓生が面白いと言っていた「仕事人 藤枝梅安」を観た。
友人の姪が「ぜひ!」と勧める「わたしの幸せな結婚(実写版)」も映画館で観た。
前者は「なるほど、おじいさん向けだな。でも親切設計で楽しい」と思った。
後者は「漫画原作の邦画は辛い」と思った。
世界を広げるには痛みが伴うこともある。

 

 

 


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というわけで今夜はアニメ映画「GRIDMAN UNIVERSE」を観てきた。
これは四国で暮らしている時の同僚が「絶対に映画館で観てくれよな!」と連絡してきたから。

元々、映画の前にアニメ作品が2つある。同僚から2作品を薦められていて、四国では仕事の合間に全話を観ていたのだった。

ずいぶん昔に「電光超人グリッドマン」という実写特撮シリーズがあった。
その特撮番組を下敷きに、「グリッドマンが登場する新しいアニメ作品」として「GRIDMAN」が、そして同じ舞台で(しかし別の宇宙の話として)作られた話が「ダイナゼノン」。2作品とも、登場するロボットや怪獣の玩具を売るための子供向け作品みたいな体裁の熱血ロボットアニメという体裁で、登場人物の少年少女や演出は極めて現代的な、なかなかおもしろい作品だった。無駄なシーンが全くなくて、謎は多くても消化不良を起こさない、気持ちの良い青春SFに感心したことを覚えている。

 

 

今回の劇場版では「Universe」の名の通り、「GRIDMAN」と「ダイナゼノン」の2作品のキャラクターが一つの宇宙に合流し、大きな危機に立ち向かう。「マーベル・ユニバース」や「ガンダム宇宙世紀サーガ」のように、「グリッドマン」を共有する一連のシリーズを指す「グリッドマン ユニバース」が、タイトルそのものになっている。

アニメ2作品と同様に、サービス精神がいっぱいの、勢いとわかりやすさと迫力に溢れる楽しい作品になっていた。

 

 


いわゆる多元宇宙もの、マルチバース作品はどうしてもメタな視点が必要になり、妙に説明臭くなったり、お話として何でもありになってつまらなくなりがちだが、小難しいことを考えなくても原因から結果まで理解できて気持ちよくスタッフロールを眺められた。
すぐに難解にしがちな劇場版アニメの界隈で、この簡潔さは珍しい。

 

自分は友人や、映画館に集うオタクな若者達ほどにはこの「GRIDMAN」シリーズに夢中ではない。
でも、きちんと楽しめた。
そして「もしも、中高生の時に、このシリーズに触れていたら、一生ずっと好きな作品になるのかもしれないな」とも思ったのだった。
そういう勢いのある作品を観ることができて幸運だった。
そういえば監督からして知らない人だった。今はこういう作品に触れて、新しいオタクが育つのだろう。すばらしいことだ。

 

お題「ゆっくり見たい映画」

 

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