昨日の東京さんぽ

昨日は久しぶりに東京へ行ってきた。
静岡県(中部)だと、ちょっと遠い。新幹線か高速道路が必要なので、ふと思い立って出かける感じではない場所だと、僕は考えている。昔ほど「東京に行かなきゃ」という状況も無くなっているし、イベントや行き先が定まらずにふらりと訪れるには、新幹線で1時間、車なら2時間以上かかる土地は、少しだけ面倒だ。

でも今回は、特にこれと言って目的地もイベントもない“上京”だった。しいて言えば築地市場には行ってみたい、程度。

それから、低コストの日帰り旅行を久しぶりに楽しみたい、というのもテーマといえるかもしれない。

 

具体的には、

が最初にあって、前々日くらいに

  • 写真美術館。
  • いくつかギャラリーを巡る。
  • そうだ築地市場ならば銀座も近い。行ってみよう。
  • バスの発着は渋谷。ならば渋谷を探検しよう。

を追加案件として定めたかたちとなる。
さらに言うと、それじゃあ何か気の利いたものを買ってきてー、と職場の人に頼まれてお菓子屋さんを巡ることにしたり、それでも時間が余るからと吉祥寺を散歩したり(大好きな街なのです)と、なんとなく「ふだん静岡の街で過ごしている事の拡大版」が、今回の東京小旅行だった。つまり、さんぽです。

 

築地市場は、いつも周辺を歩くだけで、きちんと場外市場に入ったことが無かった。なるほどツーリスティック、観光っぽい!と楽しくなる。
田舎の観光市場ほど珍しいものも無いし、海鮮丼は高いし、なにしろ混んでいるしと、ささっと歩いただけで満足してしまった。
「鳥藤」というお店の「鳥丼」は食べた。美味しかった。その後の暴飲暴食に備えてご飯少なめ。うっかり普通の量だったら、ぜんぶ食べてしまったであろう素晴らしい甘辛味の鶏肉各種が乗っていた。

場内のほうも、周囲から少し見物。
築地市場といえば「ターレ」が可愛い。他の市場ではこれほど多く見ない。寸法や機能からすると、長い目で見れば廃れる乗り物のような気がする。極小のトラクター&トレーラーシステムは見た目には魅力的。でもこれを発展させるより、既存のハイテク化されたフォークリフトや電動搬送機あるいは台車を活用する方向に行く気がしてならない。でも本当に可愛い。スターウォーズのドロイド的な良さがある。

 

 

 

 

銀座では「木村屋」のあんパンを購入。これは母のリクエスト。昔は「あんパンのくせに高い」と言っていた気がするけれど、年老いてからは「この小ささと味が良い」と理解し、ついに好物になってしまった。パン屋のパンというより、手土産の和菓子的な立ち位置があると思う。僕も好物です。

銀座といえば「ウエスト」が素晴らしかった。
大昔の「クウネル」に載っていて、印象に残っていたお店。実際に銀座の店舗に行けたのは、今回が初めて。
清潔で静かで、でも緊張を強いられず、店員は常に気配りを絶やさずしかし見張られている感じがまるで無い。広いとはいえないスペースにあれだけ店員がいて歩き回っているのに、全体はのんびりしている。都会の贅沢、って感じがして、うらやましい。
ケーキを注文すると、全部が盛られた足つきの皿(トレイ?)を席まで持ってきてくれるのが最高。ケーキ喫茶の最高峰だと思う。
今回は焼き菓子を1つと紅茶を注文(ドライ・ケーキのセット)。普通のキーマンだが、びっくりするくらいに美味しい。しかもおかわりできる。旅の途中だというのに、つい長居してしまった。
この店は、次も必ず行く。

 

銀座ウエストのひみつ

銀座ウエストのひみつ

 

 

 

写真美術館とその周辺は、長くなるから割愛。気が向いたら書く。良い散歩でした。

 

 

吉祥寺。
秋も良いが、冬もまた素晴らしい井の頭自然文化園と公園。
動物園は寒々しいけれど、居心地の良さは格別。公園の賑わいとセットで楽しむ。

人は多いが、歩くと楽しい街だと思う。公園から「A.K Labo」を目指す散策コースが基本で、寄り道をしながら延々と歩く。疲れたら、あるいは飽きたらバスに乗る。

A.K Laboでは定番のチーズタルトと、初めて見るルバーブのタルトと、中国茶を。小さな焼き菓子をつけてくれた。
何を食べても美味しい店だが、今回の選択は自分を褒めて良いと思う。「おやつ世界選手権」があって、僕が選考委員だったら、とりあえず日本代表チームに推薦する、そんなお店。
駅からは遠いから、日帰り旅行の時間管理的には少し厳しくなるが、それでも(ほぼ)必ず寄ってしまう。
良いお店です。


今回は高速バスということで、帰りの時刻はきちんと守らないと大変なことになる。だから、早めにバス停のある渋谷へ到着。
渋谷の駅ビルみたいなところの4階にバスのロータリーがある。2階とか連絡通路みたいなところに私鉄の改札がある。さすが都会。人も多い。

東京は寒い。静岡県に比べると、“ひとまわり”ほど寒い気がする。
だから厚着をしてきたわけだが、少なくとも渋谷では寒さは気にならない。何しろ駅周辺の商業施設群は暖かいわけで(むしろ暑い)、外の寒さも露天風呂的な心地よさというか、不快な感じがまるでしない。防寒と防暑を両立させた、秋に田舎の低山を歩くような服装が望ましいと考えるのだが、そういう人は皆無だった。

さて早く到着した渋谷、せっかくだからと歩いてみたが、夜の渋谷を一通り歩いてみた感想は、「疲れた」です。
坂が多いこと、適当に歩くと歓楽街に迷い込むこと、慣れた人とそうでない人が混在して群衆になっていること、がその理由か。
でも本当に久しぶりの渋谷、歩いてようやく土地勘がアップデートされた。次は大丈夫。

 

朝、出勤より少し早くに家を出て、東京観光は午前中から、そしてちょっとハードな残業くらいの時刻に帰りのバスに乗り、日付が変わる前に自宅に到着。10年前に乗った高速バスよりも快適で、うん、これなら今後も使える。
疲労もたいした事なく、今日は普通の休日を過ごせた。なるほどやっぱり散歩だった。

 

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