クリアジェロー

 

海外出張のお土産が、ジャムっぽい何かだった。

ヨーロッパを渡り歩いてきた研究員さんが、小さなプラスチックパックを配っていて、僕も始業前に1個いただいた。
休憩時間に、何人かが開封した。お茶菓子だと思ったのだろう。

確かにパッケージには、リンゴとチェリーの絵と、ビスケットみたいな焼いた何かと、それに挟まれた赤いジャム的なものが描かれていた。
割れやすい焼き菓子を保護するためもパックだと考えても、不思議ではない。

しかし中身は、さらっさらの赤色透明のジャム。
これではおやつにならない。そして持ち歩くのも難しい。

結局、密封できるプラスチック瓶に集めて(研究施設だから、そういうものは余るほどある)、「もらえるものは何であれ持ち帰ってしまう青年」が貰っていった。
どう考えても、ヨーロッパの庶民的なジェローに興味のある人には見えないが(艦隊これくしょんが好きなのは、見ていてわかる)でも無料の品には目がない人なのだ。そういう人、いますよね。

研究員さんは、甘いものにも土産物にも興味が薄い。でも何かの本で「スーパーマーケットで地元の品を買って買えるのが気が利いているかも」とか読んで、チャレンジしてみたらしい。
しかし語学力が抜群なのだから、せめて多国籍対応の原材料と品名表示くらいは読んでおくれよ、というのが皆の評。こういう、ちょっと抜けているくらいのほうが、研究者としては“らしい”あるいは“キャラが立っていて”好ましいと僕は思うのだが。

そして僕は持ち帰ったそのクリアなジェローを、ヨーグルトに入れてみた。
激烈に甘く、しかしリンゴのようなアプリコットのようなドライチェリーのような、上手く分析できかねる果物の風味がして、悪くない。異国土産として素晴らしい品だと考える。職場の休憩コーナーに置くには適さないけれど。

 

 

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