咳にナーバス

出勤したら、職場が真っ暗だった。
「発熱者」が何人か”発生”したそうで、いくつかの部署が、ほぼ無人状態。
他の部署から経験者を抽出して、電話番および応急対応をさせて数日を凌ぐのだと聞いた。電気を消しているのは、明るいと外来者が入ってきてしまうからだという*1

 

僕の働く部署は「物理的に離れている」とのことで、今日も平常運転となった。
しかし同じ敷地の別館とはいえ、非常階段を通路にしている建て増し部分である。そしてトイレや休憩室は共用、さらに他部署との人員の交流だって当たり前にある。

事前に決めた「仕事を止める基準」に照らすのではなく、結局は”長”が上の人達と話し合って決めた平常運転。つまり「仕事は止められない、だから止まらない」のである。

 

自分はそれなりに気を遣ってきたし、休憩室も使わず昼休みは外に出ていて、仕事内容的にも他部署との交流が無い。
今日いきなり感染対策が厳しくなった職場*2であっても、自分自身がやることはそれほど変わらない。

それでも、やはり不安はある。
帰宅すれば、治療のため免疫力が落ちている家族がいる*3
自分が感染したら、僕が家にウイルスを持ち帰ったら大変なことになる。
そもそも自分だって絶対安全ではないのだ。

 

だから今は、少しナーバスになっている。
マスクをきちんとしない来客には普段よりもはっきりと指摘をした。
「質問」という形で、衛生管理ルールを今一度、上司に確認してもらった。

帰宅した今だって不安だ。
先ほどから、2軒隣の家から咳の音(声?)が聞こえてくる。
家主の男性が、夜には外でタバコを吸っているのはわかっている。いつだって、タバコを吸いながら咳をする人なのだ。
でもなんだか、いつもの咳なのに、嫌だなあと思ってしまっている。

 

そういえば、上司が「この部署は今日も平常通り仕事を行います」と朝に言ったときに、こんな理由を言い添えていた。
「全国で、まだこの部署を閉めたところはない。ここが一番になるわけにはいかない」
これはもう本当に駄目だ。
ウイルスがそんな事情を斟酌するわけがないのだ。
パートやアルバイトや派遣社員といった「低い立場の人達」の気持ちが、一気に下がった瞬間だった。
こんな理由で死ぬわけにはいかない。少なくとも、低い待遇には釣り合わない。実際に、理由を作って休んだ人も多かった。

 

仕事中も、帰宅時にも、あちこちで小規模な感染の話を聞いた。
職場の近くの保育施設は、朝から閉まっていた。商店街の服屋も、お詫びの文章付きで臨時休業となっている。
今まで、遠方の知人友人、近所の会社、知っている店や場所での感染は何度も聞いた。でも自分が属する組織で発生したとなると、機器が本当に身に迫ってきた感じがする。

 

 

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そんな疲れた火曜日。お昼ごはんは、塩タンメン。
朝にばたばたしていたらお弁当を作り損ねてしまったので、外食で済ませた。

良いタンメンだった。椎名誠のエッセイなら激賞しているだろう。
材料は自分で作る「休日の昼ごはんラーメン」と同じだが、味が全く違う。すばらしい。

しかし外食も明日からは止めておこう。ああ嫌だ。でも仕方がない。

お題「わたしの仕事場」

*1:ゾンビ映画で似たような工夫を見た。ヒントにしたのかもしれない。

*2:昨日までは、誰かが空気循環のために窓を開けても、寒いからと他の人が閉めていた。

*3:母だ。

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