10年くらい前からだろうか、国道や県道の、例えば閉店したコンビニエンスストアの建物等に、中華料理店ができるようになった。赤が多用された派手な看板、おそらくは中国か台湾の人が働いているらしい。チェーン店のようにも見えるし、個人経営のようにも見える。量が多くて安いと噂では聞いていた。
今まで行った事が無かった。たまたま、いつも通る道沿いにはそういう店が少なく、それに本場っぽい中華料理ならば駅前に昔からある古い店(中国語が飛び交っている)で食べられるので、たまに興味を惹かれても、なんとなく行きそびれていた。
今日は偶然、昼過ぎにその派手な看板を見つけて、入ってみることにしたのだ。
今日入ったのは、台湾料理の店。店員さん達は日本語があまり上手ではない。メニューも、ちょっと誤植(?)が目立つ。厨房からは中国語の会話が聞こえてくる。
昼はランチメニューが主で、夜は本格的な台湾の郷土料理も食べられるらしい。メニューは多く、日本風のラーメン屋っぽい品も沢山あった。いろいろ迷って、「台湾風鶏の唐揚げランチ」を選んだ。ラーメンを4種類(醤油、塩、豚骨、日式台湾)から選べるというので、「日式台湾」にしてみた。確か日本で言うところの「台湾ラーメン」は中京地方で生まれたらしいから、「日式台湾」はつまり、日本風の台湾ラーメンという事だと思う。
まず台湾ラーメンがテーブルに運ばれてくる。醤油味のスープに、辛い挽肉とニラが乗っている。愛知県で食べたものとそっくり。なるほど日式、と納得する。
それから他の品が並ぶ。チリソースとネギがたっぷりの唐揚げ、漬物、ご飯、春巻き、杏仁豆腐、サラダ。
どれも、とても美味しかった。唐揚げは謎の香辛料が効いていたし、春巻きだって日本のそれとは味付けが違う。大昔に行った台湾を思い出させる味。油はそれほど強くない。
ただし、ちょっと量が多い。肉体労働者の昼食、という感じがする。ご飯を少なめにしておいて良かった。それでもお腹いっぱい。
これで500円(税込)だから、ずいぶん安いと思う。食後にはコーヒーが供される。薬草飴も貰ってしまった。ちなみに台湾ラーメンは420円、だから80円でご飯や唐揚げやサラダが食べられた事になる。不思議な値段設定だ。
学生時代だったら、頻繁に通っていただろう。
メニューにあった「クレソンと烏賊の炒めもの」は興味がある。機会があったら再訪してみたい。
しかしこんなに安くて、経営は大丈夫なのだろうか。それだけが心配である。