近所の釣り好きのおじさんから、新鮮な鰯を貰った。煮てみる。
いつもは生姜と醤油、それに梅干しと煮ることが多いけれど、いちど本の通りに作ってみたい気分だった。だから古い料理本を引っぱり出してきて、参考にする。
母が20代の頃の婦人雑誌。いろいろと古めかしい。
「鰯の辛煮」というレシピを真似てみる。
だいたい以下の通り。
- 鰯は下拵えをして、平らな鍋に敷き詰める
- 鍋にひたひたの酢を注ぎ、煮る
- 適宜、アクを取る
- 鍋にひたひたの醤油を注ぎ、さらに煮て出来上がり
「調味料の量にビックリするかもしれませんネ。大丈夫、美味しくできます」と書かれている。たしかにびっくりする。水も香辛料も使わない。
僕は現代人なので、酢も醤油もやや控えた。平鍋のかわりにフライパンを使う。仕上げに唐辛子を1本投入。
なかなか美味しくできたと思う。ご飯が進む味。というか塩辛い。しかし水を加えなかったら、たぶん佃煮のようになっていたと思う。
古い雑誌といえば、「オレンジページ」あるいは「オレンジページ・ムック」が数冊、手元にある。
古い、時代がかっているといえば、この90年台のオレンジページも相当なものだ。90年代カルチャーが漂ってきて、読んでいて恥ずかしい箇所も多い。それから広告が古い。母の古い雑誌は全然平気なのだが、90年代は困る。オリーブオイルがお洒落食材だった時代。
そしてなぜか、この雑誌の束を、処分できないまま今に至っている。たぶん10年後も、この90年代的オレンジページ「大根使いきり特集号」は、手元にあるだろう。