歯医者の定期健診に行く。特に問題は無く、歯磨きもきちんと出来ていると評価された。
歯科医はいつもの人だが、検診以外の作業をしたのは、中学生時代の知り合いだった。僕は忘れていたが、向こうが覚えていた。クラスは違うが塾で一緒だったと言う。言われてみればそうかもしれない。
歯医者に行くと、正しい磨き方から食後の習慣まで、様々な知識を教わる。「このまま放置すると歯の根元が...」といった怖い事を言われた時もあった。
医療的な処置をされている時のアドバイスというのは、効き目が格別だと思う。「これは〇〇が悪いから、こうすると...ほらもう痛くない」なんてされたら、頭の中では完全に因果関係が出来上がる。
プロのスポーツ選手が特定のマッサージ師に傾倒するのは、この「治療中の説明」に関連があると個人的には考えている。弱い体勢でもあるし、身体では実際に治癒が進行中なのだ。信じたくなってしまうだろう。
今日の歯医者は「歯の病気は隔世遺伝」という持論を語る。何度か聞いたことがあるが、さすがに信じる気にはなれなかった。
肩こりを治しながら薬草茶を勧めるという怪しげなマッサージ店が近所にある。なかなか上手い商売だと思う。薬草茶を飲ませてサービスに肩のツボを押しても、たぶんそれほど人気は出ない。
母のスーツケースと共に、トルコ土産が届く。
トルコの激甘菓子として有名な「ルクミ(ルクム?)」を食べてみた。村上春樹のエッセイで知った、憧れの味。
見た目と食感は、くるみゆべし。味も「ピスタチオゆべし」といった感じ。確かに甘い。主原料が砂糖なのに、砂糖より甘いという不思議。
しかし「食べられない程に甘い」という訳ではなかった。甘いものが苦手な人は駄目だとは思うが、僕は濃いコーヒーと合わせて十分に楽しんだ。
他に「トルコ風らくがん」みたいな砂糖菓子も食べた。ナッツや胡麻がベースで、モロッコ土産で似たような品を食べたことがある。これは普通に美味しい。
もう一つの干菓子も、やはり砂糖を固めたタイプ。バラのフレーバーがきつい。懐かしいアジアン輸入雑貨店のお香コーナーを思い出させる。砂糖が貴重だった時代の最高の贅沢、という風味がした。甘い。
こういう小さなものは、もちろん購入した土産もあるけれど、行く先々でチャイが振る舞われた時に手を付けないと(日本人観光客は概ね食べない)ガイドさんが包んでくれるという。
なにしろ風味が変わっているから、お年寄り仲間には渡さずに、僕に回ってくる。こういう品は「イスタンブール・国際土産センター」みたいな場所で売られているモスク型バタークッキーなどよりも、何倍も嬉しい。
母は数年前の沖縄旅行で「スーパーマーケットで地元民向けの品を買う」楽しさに目覚めた。
行く先々のスーパーやコンビニや市場で、妙なお菓子を果敢に購入する。素晴らしい挑戦だと思う。僕のおやつ生活も潤う。
日本人にも安心な「オーガニック蜂蜜100%使用の甘さ控えめルクム(東京のパティシエが監修)」も沢山買ってきていた。食べてみたが、美味しいけれど異国情緒には欠ける。これはたぶん、親戚に配ると思う。
雑誌感覚で購入した本が、気に入ってしまって保存版になりそう。
缶入りの食品は好きだ。鎌倉の鳩サブレーも、三重県湯の山の湯の花煎餅も、缶が捨てられない。なかなか丁寧なつくりの本だった。夜に寝る前に眺めるには丁度良い。