満腹の正月三日目

特に遠出もせず、未だに初詣もしていない。読書だけが進む。
明後日から出勤ということで、そろそろ夜更かしを是正しなければならない。といいつつ、今日も寝坊した。九時過ぎに起床して、おせち料理と雑煮(餅1つ)を食べると、昼食の時刻になってもお腹が空かない。でも、十四時過ぎに何か食べたくなってしまう。

 

今日は、そのタイミングで、古い友人から呼び出された。
概ね1年に1回くらいは会っている、と思う。中学生の時に塾で出会い、色々あって疎遠になり、成人してからまた連絡を取り合うようになった友人。趣味も考え方も性別も境遇もまるで違う。もはや話すことは近況報告のみ。でも会う。そういう間柄。

気の利いたお店はどこも閉店中で、かといってチェーン店は混雑している。昼食と会話が可能な店が、まるで無い。
やっと見つけた店は、チェーン店のような個人店のような、よくあるインドカレーのお店。居抜きの物件、インド国旗風の色合い、セットメニュー。なるほどインド料理店は正月も営業するのか。盲点であった。

マトンカレーとナンと、タンドリーチキンとサラダのセットを注文。タンドリーチキンはハーフサイズ、ナンはチーズナンに変えてもらった。食後の飲み物はチャイ。

カレーは美味しい。でもちょっと量が多い。お椀みたいな容器ではなくて、普通の「カレー皿」みたいなものになみなみと入っている。勢い、カレーが余る。

ナンのおわかりが可能とのことで、1枚注文。
僕「小さめに…(手振りでサイズを示す)」
店員「オーケーでーす。ハーフにするネー」
とのやりとりがあったのに、普通サイズの、でろんとしたナンがやってきた。
あれー小さくて良かったのにー、と顔に出ていたのだろう。店員さんが察して、「ごめんねー」と一旦奥に下げる。そして、半分にカットしたナンと、薄く蜂蜜を塗った(もう半分の)ナンがテーブルにやってきた。

まさか蜂蜜を塗ったナンを「いらない。満腹だから」と残すわけにはいかない。日印戦争になりそうな予感がする。友人は面白そうに観察している。

迷っているとカレーが冷めてしまう。だから、食べる。
チーズが入っていない普通のナンだから、見た目よりは軽い。特にこの店のものは薄い。だから、きちんと食べきることができた。

蜂蜜が塗ってあるほうも、カレーに付けたり、あるいはそのままで食べた。ごく薄く塗ってあるだけ、な筈なのに変化があって、結局最後まで食べきってしまった。

店は3時前だというのに、とても混雑していた。
あまりインドカレーに興味が無いような感じの注文(サイドメニュー的な『カレーライス』を全員が注文する家族とか)が続き、店が混乱していたのだと思う。チャイの代わりにラッシーが来たし、「良かったらドゾー」と、マンゴーラッシーも来た。友人と思わず笑ってしまう。さらに、見た目も匂いも「lush」に売っていそうなインド式落雁みたいなお菓子もいただいて、その甘い甘い薔薇とカルダモン風味な塊を囓りながらラッシーを飲んでいると、気分は大昔の「アジアン輸入雑貨全盛期の吉祥寺」みたいである。
思えた遠くに来たものだ、と変な感慨を抱く。

 

満足したが、しかしお腹がいっぱい。
友人からお土産に羊羹を貰ったが、今日はさすがに食べられない。
夕食は質素に、白菜とほうれん草と桜エビの鍋にした。
それでも今も、お腹が苦しい。こんな筈じゃなかったと、少し後悔している。そういえば、こういう連休に友人と会って、お茶もケーキも無かったなんて、10年に1度の出来事ではないか。
今年の正月は、地味かつ妙、という事で総括できてしまう。うん、普通じゃない。とりあえず早く寝る。それでもう、おしまい。

 

 

ガレット・デ・ロワに繋がる1月2日

僕の住む土地は、どちらかといえば東西の移動が容易で、南北は面倒。大きな国道やバイパス、鉄道が東西に走り、南は海、北は山。
でも、正月休みには、その東西の交通が不便になる。何処に行っても、小規模ながら渋滞に遭遇する。用事があれば我慢できるが、ぼんやり遊びに行くには適さない。

というわけで、とりあえず今日は、家の近所で過ごす。
いちばん遠出したのが図書館。これは返却ポストに本を放り込んだだけ。あとは書店で買い物をして、ちょっと自転車を走らせた程度。

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おやつは藤枝市の「ボクゥボクゥ」で「ガレット・デ・ロワ」を食べた。
フランスの郷土菓子にして、1月の季節菓子。フェーヴが有名。今日食べたものは、手のひらサイズの個人用。

アーモンド風味の詰め物が入ったシンプルなパイ菓子。
単純な“つくり”ということで、地味ながら誤魔化しが効かない品でもある。そして、香ばしさに関しては藤枝市最強レベルのこのお店だから、もちろん美味しい。
わりと店によって違いの大きいお菓子だが、上品かつリッチな味わいは、地域随一だと思う。

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先ほどまで、親戚が集まって、賑やかに過ごしていた。
いささか眠い。甥姪とカードゲームをやって、なんだか妙に盛り上がってしまった。
昨年に三重県の「雑貨屋Novi」で購入した『ROCCA RAILS』。

http://roccaspiele.ocnk.net/data/roccaspiele/product/20130426_ab2494.jpg


六角形のカードに描かれた線路を繋げて行き、カードが無くなると勝ち。線路には色があり、合わないと繋げられない。色を合わせる、という部分はUnoに似ている。橋のカードは色が変わる、トンネルのカードは線路の向きと色を変える(線路なので方向がある)、電車の走っているカードは連続してカードを使える、といった要素もUno系の雰囲気がある。
この六角形カードは立方体を斜めから見たかたちになっていて、並べていくと立体の風景が出来上がっていくのが面白い。
絵柄も素敵で、品の良い絵本のよう。カードとダイスのゲームには珍しい雰囲気。
ゲームが進むとテーブルに線路が拡がり、見た目に楽しくなる部分は、普通のカードゲームとは違う良いところだと思う。
シンプルなルールで、小学校低学年から、大人まで楽しめた。
お薦めです。

d.hatena.ne.jp

rocca-game.jp

りんごタルトで始まる元旦

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ここ数年、元旦は帰省した友人と会うことがほとんど恒例となっている。あるいは知人夫婦に招かれて会食。
それが今年は、都合によりぽっかりと暇な時間ができた。いや、元旦に暇なのは当然であって、家で心静かに過ごす休日が1年に一回くらいは必要だと思う。

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でもなんとなく、とりあえず静岡の市街地に行ってきた。
静岡市へ入り、安倍川の河川敷に車を停め、そこから折りたたみ自転車で浅間神社を目指す。神社は混むから、パス。
商店街の「You&Me cookies Bikini」には行く。元旦といえばBikiniが、もう10年以上続く、個人的な決まり事なのだ。

今日はりんごタルトとチーズケーキを購入した。
チーズケーキは、その後に偶然遭遇した友人(空腹)にプレゼント。とても喜んでいたが、僕だって食べたかった。
りんごタルトは、今から食べる。お正月にはBikiniのりんごタルトあるいは栗のタルト。これも変わらぬお正月の選択。コーヒーだって、良いものを淹れた。

www.swbt.jp

そういえば、今日は「混雑するショッピングモールの元旦」へ行ったのだった。自転車散策のついでに入った「MARK IS 静岡」は、なんだかとても騒がしい。人混みはそれほどではないけれど、店員は絶叫していて、全体に熱気があって、20分も滞在しないうちに疲れてしまった。なるほどこれが初売りというものか、と妙な感慨が。
UNIQLOにだけ長蛇の列が観測されたけれど、ぱっと見た限りでは格別に安いわけではなかったと思う。いつものUNIQLO的な安さそのままであって、今日わざわざ買うような品があるようには思えない。が、もちろんそうではない、びっくりする位のお得な商品が奥の方にはあったのだろう。普段はちょっと買いづらいが、今日はばんばん買っちゃおう、みたいな値引きが。なにしろ店内を半周する列だったのだ。

ちなみに無印良品は、のんびりしていた。
劇場版攻殻機動隊押井守)のオープニングみたいな怖いBGMと、ちびっこ自由エリアの嬌声が混じって面白い雰囲気。
僕はステンレスのフックを購入。それとクリアフォルダ。

 

ではタルトに集中するため、iMacはスリープします。
今年もよろしくお願いいたします。
知っている人も、知らない人も、近い人も遠い人も、それぞれが何か満足できる日常を過ごせますように。もちろん僕も。

 

 

築地市場: 絵でみる魚市場の一日 (絵本地球ライブラリー)

まるで関係無いけれど、7日(土曜日)に、東京に遊びに行くつもり。もう切符は購入した。
今回は築地市場。下調べもせず、ただ絵本だけで妄想を膨らませている状況。この本はとても楽しい。
たぶん何とかなるでしょう。瀬戸内国際芸術祭に行く訳じゃないのだ。陸路ばんざい、都市ばんざい、である。

 

 

1日早い、初売りセール!

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ばたばたっと懸案事項を片付ける、といういつもの週末みたいな大晦日。髪も切ったし、年賀状も出した。

年賀状といえば、昔は市内行きとそうでないものを分けて輪ゴムで縛り、大きめの郵便局でそれ用のポストに投函するのが当たり前だった。今はもう、全部まとめて、しかも束ねずに放り込めば完了。駐車場に袋を持った係員さんが待ち構えていて、いわゆるドライブスルー方式で済んでしまう。
おそらく機械読み取りが早くて正確なのだろう。人間が(それが書いた本人であっても)束ねたものを信じるより、全て読み取り装置に放り込んだほうが、間違いが無い。

ところで年賀状は、その仕分けをどのようにしているのか、ちょっと考えたけれどよくわからない。
インターネット的な伝言ゲーム方式か。市内向けと、そうでないものを分ける。市内向けは地区ごとに分けて、配達係に割り振る。
それ以外のものは、他県行きと、それぞれの市区行きに分けて、「愛知県行き」とか「新潟行き」の箱に入れて、それぞれの県でまた仕分けマシーンに放り込むのかもしれない。それとも、最初に受け取った郵便局で、いちいち細かく分けて、それから各都道府県に送りつけるのか。どんな方法が効率的なのか、考えていたら混乱してきた。

 

今はようやく落ち着いて、兄家族と蕎麦(父が打った)を食べ、紅白歌合戦を鑑賞している。僕は紅白歌合戦に興味が無いから、ときどき自室に戻り、このようにブログを書いたり、パソコンでイラストを仕上げて過ごしている。実はもう眠い。

 

晦日、最後のお仕事は、各種消耗品の交換。
箸は新品を買い忘れた。ベトナムで買った黒檀の箸は、磨いてオイルを塗ってみた。気が向いたら、新年に新調する。
髭剃りの替え刃、歯ブラシなどはもう新品に換えた。スリッパも更新。それくらいだろうか。

 

夕方に街のほうに行った時、小さな手芸屋さんが「1日早い初売りセール」をやっていた。ユーモアを前面に出す類の店ではない、というか店主どころか店の特徴なんて皆無の、実に地味な店なのに。どうしたのだろう、と心配になる。
試しに入ってみたが、ただ安売りをしているだけで、それ以外はいつもの無個性な、商店街の小さなお店そのものだった。革紐とチャコペーパーを購入。

 

今年は例年以上に、地味な年越しとなる。
昨日はうっかり夜更かしした。今日は早く寝たい。
今年の振り返りも、来年の展望も、年が明けてから書こうと考えている。

 

では、今年も一年、本当にありがとうございました。
このブログを読んでいる皆様が、次のより良い一年を過ごせますように。

 

この世界の片隅に 上 (アクションコミックス)

この世界の片隅に 上 (アクションコミックス)

 
この世界の片隅に 中 (アクションコミックス)

この世界の片隅に 中 (アクションコミックス)

 
この世界の片隅に 下 (アクションコミックス)

この世界の片隅に 下 (アクションコミックス)

 

 

今年最後のガトーショコラ

https://www.instagram.com/p/BOoUJfOhMm3/

たぶん、おそらく、きっと、今年最後になるガトーショコラを、「ボクゥボクゥ」で賞味してきた。

この店のガトーショコラは、ビターチョコレートが強い。そして、みっちりと詰まっている。とても好みに合う味。

 

さて、今になって、ようやく年賀状に手を入れている。いや、絵は10月頃から4枚くらい描いたのだが、皆、知り合いに譲ってしまった。共通の知人もいるから、さすがに共用するわけにはいかない。

描きたい絵が頭に浮かんだが、どうにも省力化できない気がする。というわけで、日記はここまで。今からAdobe illustratorに専念します。

 

 

トーヨーフーズ どこでもスイーツ缶 ガトーショコラ

 ところで、この缶詰、わりと美味しかった。科学館で売ってる宇宙食に似た、非日常の味わい。
災害時にあったら、ものすごく救われるかも。自分が食べるのではなくても、選択肢として「防災っぽさ」が少ない食べ物は有ったほうが良い気がする。

トーヨーフーズ どこでもスイーツ缶 チーズケーキ

トーヨーフーズ どこでもスイーツ缶 チーズケーキ

 
トーヨーフーズ どこでもスイーツ缶 ガトーショコラ

トーヨーフーズ どこでもスイーツ缶 ガトーショコラ

 
トーヨーフーズ どこでもスイーツ缶 抹茶チーズケーキ

トーヨーフーズ どこでもスイーツ缶 抹茶チーズケーキ

 

 

良いシャンメリーは良い人生に

https://www.instagram.com/p/BOWsmJshTzi/

「邦画の当たり年は、シャンメリーの当たり年」と言われている。確かにそういう傾向はあって、例えば今年のクリスマス前に開けた何本かは、納得の味わいだった。

白もロゼも素晴らしい。赤は好みからは少し外れたが、それでもここ数年で最高の出来だったことは間違い無いだろう。ネット上でもずいぶんと話題になっていた。

でも、少し肩すかしを食らった気分になったことも確かなのだ。
なんというか、予想の範囲内の美味しさだった。
ここ数年の傾向、言ってみれば「日本シャンメリー界の進歩と向上」と年月の経過をグラフにプロットすれば、これくらいは当然だろう。かつて「飲むアート」と呼ばれたそれが、単なる工業製品にしか思えない。
クリスマスイブ用に冷やした1本はさすがに素晴らしかったが、もはや語る言葉は出てこない。だから、このブログにもきちんとレビューや感想を書けなかったし、Facebook上のやりとりも隔意しか感じなかった。


ずいぶん長い間、シャンメリー好きを自認していた。いくつもの同好会に出入りし、わざわざ専門店の会員になって、時間とお金を費やした。掛け値無しに楽しい趣味だった。
でも、今年が最高峰だとして、それを愉しめないとしたら、もう“潮時”かな、とも思ってしまった。
mixiのコミュニティで飲み比べレビューを繰り返していたあの熱は、ついに冷めてしまった。そんな風には思いたくないのに、分析を超えた愉悦は、とうとう訪れなかった。
十分に美味しいのに、少し寂しい気がした、そんなクリスマス前の試飲は、初めてだった。

 

 

とはいえ、間違い無く美味しい飲み物ではある。
それに、まだ未開封のボトルが半ダースは残っている。せっかくなので今日の夕食に開けてみた。シャンメリーに年を越させるな、と村上某も言っていた。

 

びっくりした。
クリスマス前に開けたものと同じ銘柄、同じロットでも、こんなに味が違うものなのか。
美味しさは変わらないかもしれない。いや、たぶん変わらない。でも、奥深さというか、力強さ、口に残る余韻が、まるで違う。
特に「北駿鉱泉(有)」のロゼは格別だった。
例えるのならば、学生時代に勉強だけ出来た優等生に、大人になってから再会したら、きちんと趣味も家庭も楽しめるようになっていた、みたいな感じか。つまらない奴、とどこか下に見ていた人間が自分よりも望ましい人生を歩んでいた事に対する嫉妬と、彼が夢中になっていた理論数学や第二外国語が、人生を豊かにする土台となっている感慨、そんな複雑な気分が、一杯のグラスにしゅわしゅわと注がれている。

どうしてこんな変化が起きたのか、全くわからない。
どのボトルを開けても、格段に変化している。それも、良い方向の変化に。
魔法、と単純に言いたくはない。果糖ブドウ糖液糖と酸味料、着色料、そして香料に少しの風味付けに洋酒、二酸化炭素に水、それらをボトリングした品は、奇跡も魔法も似合わない。

 

しかし今は、この変化をただ愉しもうと考える。
かつて師は言っていた。「肩の力を抜いて、人生を愉しむように、シャンメリーを飲み干せ」と。
今になってその言葉がようやく腑に落ちた。実感として、わかる。
今年のシャンメリーの変化、それは僕の心境や体調が原因かもしれない。実際に1週間足らずで変質したのかもしれない。どこにも変化なんて無くて、そう思いたかっただけ、という事も多いにありうる。
考えるのは後でもできる。
今は、開けたボトルから、シャンメリー・グラスに注ぎ、飲む。それだけで十分。
堪能し、感謝し、五感で慈しむ。来年の出来、再来年の味わいを想像し、過ぎ去る時間を惜しむ。
人はそれを、幸福と呼ぶのだ。
あるいは、希望と名付けたのだ。
振興会認定シャンメリーのラベルには必ず書かれている言葉(手元のボトルを見てください)、「Ars longa, vita brevis.:芸術は長し人生は短し」そのままを体感させてくれた、それが今年のシャンメリーだった。
これだから、シャンメリーは止められない。

 

シャンメリー (ゴールド) 360ml ビン 1本

シャンメリー (ゴールド) 360ml ビン 1本

 
シャンメリー (ホワイト) 360ml ビン 1本

シャンメリー (ホワイト) 360ml ビン 1本

 

 

 

平日の午後にホットケーキ

仕事が午前中で終わり、午後はそのまま静岡市へ年末の買い出しに。
結局、欲しいものはインターネット通販で買うことになり、街では書籍を数冊だけ購入。でも明日から連休だと思うと、それでも気分は軽い。

https://www.instagram.com/p/BOjHnePhD23/

おやつの時刻に、いつもの「つきさむ」へ行った。

いつものコーヒー(アルプスブレンド)と、いつものホットケーキ。

この店のホットケーキは本当に素晴らしい。
世の中にはもっと美味しいホットケーキはあると思うが、そして何度か遭遇もしているが、素晴らしさ、という観点からすれば、個人的にはもう「つきさむのホットケーキ」が不動の地位を占める。
もし「ホットケーキの単位・尺度を決めろ」と国際標準化機構あたりに命じられたら、まず「つきさむ」を100、隣町にある「ナントカ珈琲〜○○の離れ〜」みたいな店のそれを0にして、間を100等分する。単位は「°Shi(度シロクマ)」だ。

 

しろくまちゃんのほっとけーき (こぐまちゃんえほん)

しろくまちゃんのほっとけーき (こぐまちゃんえほん)

 

 前述の通り、世界には110°Shiのホットケーキも、-50°Shiのホットケーキも存在する。でも別に気にしない。僕は「つきさむ」で満足だ。
ホットケーキというのは、そういう食べ物だと思う。
先代から継ぎ足した生地を使う頑固一徹な店とか、空輸したフォアグラを挟んだ一皿なんてものは、ホットケーキの世界では廃棄物である。そういうものは「パンケーキ・ユニバース」へ飛んでいけば良いと思う。
ちなみにマイナスの店は論外ですが、ホットケーキであるのならば存在意義はあると思います。パンケーキも大好物です。

ちびくろサンボ

ちびくろサンボ

 
ちびくろ・さんぼ3巻セット

ちびくろ・さんぼ3巻セット

 

 

掃除ができない男

今日は勤め先の大掃除。部署によっては、ものすごく汚くても平気な場所や部屋があって、そういうところをえいやっと片付ける。仕事内容、特に設備の問題で普段から清潔を保っているところは、正直やることが少ない。僕は後者の仕事をしていて、今日は前者の、“汚い職場”にお掃除の手伝いに行った。

でも掃除は好き。特に年末の大掃除は、性格に合っている。普段の掃除よりも、メンテナンス的な部分が多いからだと思う。

今日は後輩君(30代)と共にその大掃除を行った。
この後輩野郎が、全く掃除ができない。実のところ仕事だってできないが、掃除がここまで出来ないとなると、日常生活が心配になる。
気が利かないのは、覚悟していた。1を教えて0.7くらい完了させれば御の字だと思う。2件以上のタスクを振るのも諦めたし、「気になったら、こういう風に修繕しておいて」も避ける。

しかしまさか、エアコンのフィルターを洗ったら流しに放置、床面を掃いてから棚の上の埃を払い、次にロッカーの上を拭く、なんて予想できなかった。いわゆる「四角い部屋を丸く掃く」人でした。
作業が終わったあとに床がびしょ濡れになっていたし、想定外の出来事(ドアの蝶番に油染みが!!)で手は止まるし、それをいちいち注意して、手本にやって見せて、たまにチェックするので、僕の作業効率も落ちる。

家でも掃除はしない、なんて言っていたが、では部屋はママが綺麗にするのだろうか。

彼は「だって男ですから僕。先輩はマメですねえ。珍しい」とも言う。
これ、いわゆる性差別の、最も身近な問題点だと思う。つまり、「男だから掃除ができない・女だから掃除くらい出来る」という思い込みが可能になると、それだけで掃除をしない連中が、最大で人口の50%まで生じるのだ。本当は、ただやりたくない、興味がない、というだけの話なのだが、信じるだけでそれが正当化されるのならば、そりゃあ声高に語り出す連中がいてもおかしくない。

しかしこの種の「小さな男女差別」に関しては、大抵は「でも家ではそう教えられてきたから…」が言い訳になる。「知らんがなお前の家の方針なんて」と思うし、なにしろ就業時間中だからやることはきちんとやってもらうしか無い。つまり、親の想いなんてものは、言い訳にはならない。
でも最近、やけに「ウチではこうだから」「両親が教えてくれたのは…」を公の場で口にする若者が増えてきていると感じる。少なくとも田舎では、家族大好きな人が(あるいはそう公言する人が)急増した印象。良い部分を認める、とかそういう話ではなく、家の常識が正義、と疑わない。

 

今日の後輩氏は30代前半、若者とは言えないが、やっぱりこの「自分と親」が言い訳になると考えていて(だってウチでは、おかあさんが掃除役だもん)、なんだかとっても疲れてしまった。そんなに親の呪縛って強いものなのか。根底にあって消せないけれど、それなりに生活を積み重ねていけば、成人して10年も経てば「自分は自分」となるように思えるのだが。それは家族を大切にする事と矛盾しない。

家族なんて盲進するものじゃない。だから、何か自分の常識が“外”と食い違っても、「家ではこうだから」とは言わないほうが良いと僕は考える。繰り返しになるが、赤の他人にとっては「知らんがな」である。

 

孤独病 寂しい日本人の正体 (集英社新書)

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チーズナン、とゴーストが囁く

寒空の下で作業をしたら、少し鼻炎気味に。風邪にはならないと思うが、まあ、体調不良と言って間違いは無いと思う。

さっさと帰って寝るのも良いが、帰宅しても家族は留守で、せっかくだから美味しいものでも食べようかと考えていたら、ふと「チーズナン」という単語が頭に浮かんだ。

チーズ入りのナンと、スパイスが効いた豆のカレーと、たまねぎのサラダ。身体に良さそうだ。いつもチーズナンを食べると満腹の限界に至るのだが、もちろん食べる前には忘れている。今日も忘れていた。

インド料理といえば、最近は島田市の「デリー」がお気に入り。といっても何度も行ったわけではないし、その辺にある(謎の台湾料理店みたいな)量産型の安い個人店(?)でも、十分に美味しいのだけれど、とにかく志太地区でインドカレーを食べるのなら「デリー」が最良の選択だと思う。

職場からも通勤路からも、もちろん自宅からも近いとはいえない「デリー」は、幸いなことに開いていた。今日はお客さんが少ない。夜でもセットメニューがあって、今日はシンプルな「豆のカレーのセット」とチャイを注文。ナンはチーズナンに変えてもらった。

https://www.instagram.com/p/BOelHIkhOWl/

カレーが多いのは把握していた。チーズナンも、もちろん大きい。
自宅に持ち帰ったら、家族で3日間の朝食を賄えそうなサイズ。
チーズの量も多いし、ナンも豆カレーも熱くて、最初は食べ進めるのが難しい。

でも食べ始めてしばらく経つと、ぐいぐいと手が止まらなくなる。
辛さレベルを「辛め」にしてもらったことを後悔したのは最初だけ。だんだんそれが美味しく感じられるようになってくる。この店の味付けは、全体に爽やかというか優しい。刺激があるのに、負担にならない。つまり、今日のような鼻風邪の一歩手前には最適な食事なのだ。

しかしチーズナン、これ、どうやって作るのだろうか。
普通のナンは、よく伸びる発酵生地を、びたーんと壺釜の内壁に打ち付けるから、あの出来損ないの琵琶湖みたいな形になる(琵琶湖が出来損ない、ではない事は注記しておく)。
チーズナンは、円形をしている。中に入っているチーズは、焼く前から入れてあるのだと思う。ずいぶんな量が仕込まれていて、しかも外にはみ出ていない。綺麗な円盤型に焼けるのはどういうテクニックなのか。静かに釜の底面に置くのか。
よくわからないが、美味しいから良しとする。

 

食後に飲んだチャイも、レジで支払いをしている時に貰った糖衣付きのフェンネルシードも、いかにも外国のスパイスって感じがして素晴らしい。
特にフェンネルシードは、ずいぶんな量を貰ってしまった。実は自室にも常備していて、たまにお茶に放り込んだり、ちびちびと数粒ずつ口にしているが、こんなにまとめて食べたのは初めて。フリスクだったら「食べ過ぎ」と言われそう。
そしてそのフェンネルが、まるで薬のように“効く”のだ。具体的に言うと、健胃薬のオーバードーズ。満腹なのに、苦しくないし、気持ち悪くもない。こんなに効いて良いのだろうか。
今のうちに寝てしまおう。夜中に身体が頑張ってくれる。食べ過ぎたチーズとか、胃に溜まったものを消化するだろう。

 

www.hotpepper.jp

 

マスコット フェンネルシード 20g

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