寒空の下で作業をしたら、少し鼻炎気味に。風邪にはならないと思うが、まあ、体調不良と言って間違いは無いと思う。
さっさと帰って寝るのも良いが、帰宅しても家族は留守で、せっかくだから美味しいものでも食べようかと考えていたら、ふと「チーズナン」という単語が頭に浮かんだ。
チーズ入りのナンと、スパイスが効いた豆のカレーと、たまねぎのサラダ。身体に良さそうだ。いつもチーズナンを食べると満腹の限界に至るのだが、もちろん食べる前には忘れている。今日も忘れていた。
インド料理といえば、最近は島田市の「デリー」がお気に入り。といっても何度も行ったわけではないし、その辺にある(謎の台湾料理店みたいな)量産型の安い個人店(?)でも、十分に美味しいのだけれど、とにかく志太地区でインドカレーを食べるのなら「デリー」が最良の選択だと思う。
職場からも通勤路からも、もちろん自宅からも近いとはいえない「デリー」は、幸いなことに開いていた。今日はお客さんが少ない。夜でもセットメニューがあって、今日はシンプルな「豆のカレーのセット」とチャイを注文。ナンはチーズナンに変えてもらった。
カレーが多いのは把握していた。チーズナンも、もちろん大きい。
自宅に持ち帰ったら、家族で3日間の朝食を賄えそうなサイズ。
チーズの量も多いし、ナンも豆カレーも熱くて、最初は食べ進めるのが難しい。
でも食べ始めてしばらく経つと、ぐいぐいと手が止まらなくなる。
辛さレベルを「辛め」にしてもらったことを後悔したのは最初だけ。だんだんそれが美味しく感じられるようになってくる。この店の味付けは、全体に爽やかというか優しい。刺激があるのに、負担にならない。つまり、今日のような鼻風邪の一歩手前には最適な食事なのだ。
しかしチーズナン、これ、どうやって作るのだろうか。
普通のナンは、よく伸びる発酵生地を、びたーんと壺釜の内壁に打ち付けるから、あの出来損ないの琵琶湖みたいな形になる(琵琶湖が出来損ない、ではない事は注記しておく)。
チーズナンは、円形をしている。中に入っているチーズは、焼く前から入れてあるのだと思う。ずいぶんな量が仕込まれていて、しかも外にはみ出ていない。綺麗な円盤型に焼けるのはどういうテクニックなのか。静かに釜の底面に置くのか。
よくわからないが、美味しいから良しとする。
食後に飲んだチャイも、レジで支払いをしている時に貰った糖衣付きのフェンネルシードも、いかにも外国のスパイスって感じがして素晴らしい。
特にフェンネルシードは、ずいぶんな量を貰ってしまった。実は自室にも常備していて、たまにお茶に放り込んだり、ちびちびと数粒ずつ口にしているが、こんなにまとめて食べたのは初めて。フリスクだったら「食べ過ぎ」と言われそう。
そしてそのフェンネルが、まるで薬のように“効く”のだ。具体的に言うと、健胃薬のオーバードーズ。満腹なのに、苦しくないし、気持ち悪くもない。こんなに効いて良いのだろうか。
今のうちに寝てしまおう。夜中に身体が頑張ってくれる。食べ過ぎたチーズとか、胃に溜まったものを消化するだろう。