冷蔵庫には丸のままのキャベツが1玉、他は作りおきのお惣菜や鶏卵しか無い。そして複雑な料理を作る気力も無かった。
キャベツで手抜きといえば、肉と重ねてスープ煮にしたものが有名(?)。
僕はさらに手抜きをして、重ねずに少しの水分と煮てしまう。大丈夫、きちんと同じ味になる。
しかし今日は肉が無かった。ソーセージもベーコンも買い置きが無い。茹でて冷凍した鶏ササミは、この用途には適さない気がする。お弁当用のレバーも違うだろう。
というわけでサバの水煮の缶詰を使ってみた。
こういう機会でないと賞味期限の長い備蓄品は使わないので、良い機会だった。
キャベツを4つ割りにして、芯を切り捨てる。ばらばらになった部分も含めて、適当に鍋に詰めていく。外側の葉も綺麗なところは使う。
隙間にサバを突っ込む。
鯖缶の汁と「ほんだし」で味付け、唐辛子を1本と水少々を加えて沸騰させる。その後はいつものシャトルシェフで保温調理する。
今日の夕食は、これを半分。つまりキャベツを0.5玉。
大きな器に取り分けて、塩胡椒を振って食べる。
想定よりおいしかった。
誰かに振る舞うような類の味ではない、でも1人で雑に作ってこれならば十分以上の出来だろう。
半分は塩胡椒とゴマ油。残りはクミンシードとオリーブオイルと塩で食べた。後者のほうが合うと思う。
「ほんだし」とサバだから和風になりそうだが、予想以上に“魚くさい汁”になったため、クミン*1が面白い効果を発揮し、どこか外国の味になったのだろう。
まだ鍋にキャベツ半玉分が残っている。
明日の朝食にするつもりだ。バターでも落としてみようか。色合いはすっかり褪せて、見た目は良くない。しかし同じ様なものを天然生活や昔のku:nelでは載せていた気がするので、気にしない。きっと撮影技術があれば綺麗に見える。それだけのことだ。
ところで今日のお弁当はこんな感じ。
- 緑豆ごはん
- 椎茸の炊き合わせ
- 肉じゃが(簡易版)と甲子豆
- 春菊のおひたし
- かぼちゃと昆布の煮物
前の席の人に「年寄りの食事だ」と言われた。ぐうの音も出ない。しかし若者ではないのだから、別に問題は無いともいえる。一応、全て同じ「出汁+醤油+糖」の味にはしていない。
肉じゃがは、電子レンジを駆使して作ってみた。まずジャガイモに火を通し(正確にはマイクロ波で加熱して)、煮汁とフライドオニオンと鶏団子を加え、さらに加熱しただけ。これできちんと肉じゃが味になる。煮崩れもしない。でも煮崩れしない肉じゃがは、ちょっと違う気もしたのだった。
甲子豆は、たぶん四国の郷土野菜。やや固くて色合いも淡くて、昨今のさやいんげん達と比べると「全国制覇できないのも宜なるかな」といった感じ。しかし僕はこの豆は好きだ。
祖父母の家で出された料理を思い出す。もちろん静岡の祖父母宅では、甲子豆なんて使っていなかったけれど。
では寝ます。キャベツを半分食べて満腹だが、こういう種類の満腹は長持ちしない。いきなり空腹になって、夜中に台所を漁ることになる。そして今は、おやつ備蓄庫にマシュマロと板チョコしか入っていない。まさか木曜日の夜中にマシュマロを食べるわけにもいかないだろう。
だからもう寝る。おやすみなさい。