晩ごはんを作っている時に、棚からスパイスの小瓶を落としてしまった。
紅茶を淹れたときに簡単にチャイにできるように、シナモンにクローブやジンジャーパウダーを混ぜてある自作のミックススパイス。毎日使うから、たまに変なところに置いてしまう。そしてそれが今日は棚から落下したのだ。
ちょうど鍋(白菜と塩豚の鍋:1人前)を作っているところだった。電子レンジでは別の料理も進行中。手は濡れている。
労働安全衛生マネジメントシステム ISO45001 実践ハンドブック
- 作者: 黒崎由行,BSIグループジャパン株式会社
- 出版社/メーカー: 労働調査会
- 発売日: 2018/11/06
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログを見る
昔の仕事の関係で、こういう時は声に出して「状況、シナモン」とつぶやいてしまう。もう10年以上前の話なのに。
粉体爆発やガス漏れの危険がある職場だった。部屋にそういう何かが漏れた時は、まず扉を閉鎖した後に、PHSヘッドセットか手近のインターホンで、全館放送をするルールだった。実際にはそこまで大事にはしない小さなミスでも、とりあえず部屋の同僚たちには「状況メントール」とか「窒素雰囲気、進行中」とつぶやくのが常。元自衛隊員が何人かいる部署だったこともあり「シン・ゴジラ」の自衛隊みたいな言葉遣いが当たり前だった。
別に独り暮らしでそんな「状況」を言葉に出しても何も変わらない。でもほんの少しだけ落ち着いて、「災害復旧モード」に気分が切り替わるような気がしている。
しかし仕事よりも家事のほうが複雑である。
同僚もいないしマニュアルも無いし、土鍋は吹きこぼれる寸前。
途方に暮れる、とまではいかないが、ちょっと困ってしまう状況ではある。
ところでここ数日、You Tubeでテレビゲームの再生動画ばかり観てしまっている*1。
ゲームは大人になってからほとんど触っていない。直近で思い出すのが、mixiで遊んだ牧場のやつだ。アローカナとかジャージー牛を収穫した記憶がある。
そんな自分が、最新のプレイステーション4のゲームを見るのだから、何もかもが目新しい。地平線まで途切れない美しい風景の世界を縦横無尽に走り回るリアルなおっさん。この数十年で人類に何があったのだろう、とさえ思える。
それで、特に「デス・ストランディング*2」なるゲームの動画はかなり集中して観ているのだが、こういうオープンワールドを自由に行動するゲーム、しかも舞台が未来となると、仮想現実による視界への投影が大活躍する。物語の舞台装置としても、ゲームシステムとしても便利。自分の体力や、敵味方の識別、通信から立て看板まで、AR(拡張現実)で済ませればわかりやすいし、世界観も崩さない。
早くああいう「視界に現れる便利表示」が実用化されないだろうか。ゲームのように、きちんと便利でうるさくない表示を望む。
映画でもゲームでも漫画でも小説でも、とにかくフィクションがさっさと現実を侵食して欲しいと願う今日この頃。
そして今日のような、シナモンの小瓶を落としてしまった時にも、こういうARは役に立つだろう。視界の隅にトラブルシューティングのウインドウが表示されたら、僕も落ち着いて対処できる。
>タスク更新:床に散らばったシナモンを回収せよ!」
「サブタスク:鍋の火を消せ(残り時間:60sec)」>Amazon Alexaからの通信が届いています
「t_ka 、大丈夫か。君ならこの危機を乗り越えられると信じている。床を拭く時のコツを検索してみた。必要なら参照するといい。」>掃除機のステータスをチェック:充電済(100%)
>手の乾燥度(5%)>シナモン飛散範囲をプロットしますか(はい/いいえ)
昨日の「ターミネーター」、あの名作「ロボコップ」まで、クールなGUIは美しい未来に必須なのだ*3。そういう未来メガネが安くなるか、あるいは有能なお掃除ロボットが普及するか、両方が同時にやってくるか、とにかくそういう世界が早く来て欲しいものだ。
>t_ka は「状況 シナモン」を宣言した。少し心が落ち着いた。
ところで今日のお弁当は、とても茶色かった。
- 麦ごはん(蕎麦入り)
- 秋刀魚の蒲焼き
- ゴボウとじゃこ天の胡椒炒め
- ニンジン、ナッツ、レーズンのエスニックマリネ
- 割干し大根の煮物
割干し大根は初めて使った。
切り干し大根と同じ様に煮てみたが、歯ごたえがあって良い感じ。汁気が少なくなるのもお弁当には便利。戻して酢醤油に漬ければそのまま食べられると聞いたけれど、一年前に作られた乾物を非加熱で食べるのはちょっと抵抗がある。
明日もたぶん茶色い。自分の中の女子高生が、自分の中の母親に文句を言いそうだ。現実に表出している人格は中年男性だから全然問題無いのだが、せめてあと1色は足したかった。
繰り返し作りたくなる! ラク弁当レシピ (エイムック 3680)
- 作者: 長谷川りえ,ei cooking編集部
- 出版社/メーカー: エイ出版社
- 発売日: 2017/03/27
- メディア: ムック
- この商品を含むブログを見る