静岡県中部にしてはおそろしく寒い日だった。
なにしろ晴れていても午前中は気温が10℃以下。ここまで空気がひんやりとしている日は、最近は珍しい。
用事で県東部の富士山麓まで行っていたのだが、もちろんこちらはとびきり寒い。
昼過ぎでも5℃以下だった。でも綺麗に晴れていて、空気は乾燥していて、雪国とは雰囲気が違う。
富士山が綺麗だった。
今日は仕事で静岡県の中部と東部を行き来していたのだが、なんだか全体に物々しい雰囲気だった。
救急車のために停車したのが4回。
幹線道路の交通事故は3件見た。そのうち2件は、通行止めによる大渋滞が発生していた。
大井川鐵道は爆破予告メールのために運行停止中。
マクドナルドは、何らかの理由により「営業を中止しております」の看板が立っていた。
病院とガソリンスタンドでは道路にまで車が連なっていた。看板は倒れ、ヤシの木から剥がれた樹皮や葉が歩道を塞いでいた。
1月の初旬に警察官が目立てば、「今日が視閲式(出動訓練&式典)なのかな?」と思うだけだろう。でも今日は事故対応から違反車両チェックまで、働いている警察関係者の姿が本当に多かった。知らない間に、人心乱れる世相がエスカレートしたのかと思ったくらいだ。
ほとんどの物事は、ただの偶然によるものだろう。でも、偶然が連なるだけで、なんだか不穏な雰囲気を醸し出してしまうものなのだ。
そんな今日の、ちょっと遅めの昼ごはんはラーメン。静岡市にできた新しいお店で、12時ころには行列もできるそうだ。
古鶏で取ったスープと、うどんのように太い麺が特徴のようだ。
きれいに澄んだスープは脂がたっぷり浮いているけれど、食べやすい味。なかなかおいしいラーメンだとは思ったが、この店は店員の声がうるさい。
厨房の人達の復唱も元気いっぱいだが、客席側にいて店の案内や配膳をする中年男性の声が、とにかく大きい。おそろしく滑舌がよく、室内によく響く"良い声"なのだが、それでも食事中に聞き続けると気になってしまう。
ラーメンが届いたときには耳元で「こちらでぇご注文のぅ品は全部でしょうかぁぁ」と叫ばれて、びっくりしてしまった。食券で単品を注文したので、全部に決まっているのに。
まだオープンから日が浅いらしく、店員への指導なども同じ声量で行われていた。もちろん、彼の大声への返答もまた、元気いっぱいに明るく大きな声で行われるのだ。
新興宗教の地区集会で新しく青年部長になったおじさんが頑張って声を張り上げているところに出くわしてしまった…ようなラーメン屋だったので、わざわざ再訪するようなことは無いだろう。
そんな週末だったので、身体と共に心も疲れてしまった。
栗羊羹が食べたいが、こんな時間に食べるわけにはいかない。
なので寝ます。おやすみなさい。