そういえばカロリーメイトというのはショートブレッドそのものだなあ、と気付いたのは輸入食材店のお菓子コーナーの前。今風に言うと「気づきを得た」訳だが、要はやや高い輸入菓子を買おうかどうか迷っている時の思いつきだ。
結局、そのお菓子は買った。でも、家に備蓄してあるカロリーメイト(プレーン味)のほうを食べている。
オーブンを140℃程度に温め、あんずジャムを塗ったカロリーメイトを入れる。まず焦げはしないだろうが、目的はジャムの水分を飛ばすことなので、いちおう注意はしておく。表面が市販のお菓子についているジャムのような飴状になったら完成。冷めるとさらに粘度が増す。
どこかで食べた異国の菓子、という味になる。買ったような味。紅茶に合う。
最近は、夜に飲むお茶はカフェインレスのアールグレイに決めている。理由は特に無い。家の近所で購入しやすく、かつ廉価なカフェインレスの甘くない飲み物としては他に選択肢が無いだけ。でもきちんと美味しい。マグカップに淹れて、がぶがぶ飲む。あらかじめ調合しておいた「チャイ用のスパイスミックス」も加えたりする。
カロリーメイトのような、味気ない機能性食品は好きだ。
たぶん子供の頃に図鑑で知った宇宙食が心に刻まれているのだろう。ちょっとおかしな英語のフレンドリーさは、ディストピア感があって大変によろしい。
今日のようなアレンジをすると、残念ながらその魅力は減じてしまう。イギリス人の書いた戦記には、戦地でもお茶の楽しみを絶やさない将校や、そのために工夫する将校付きコックの話がよく出てくる。イギリス人はすごいと思う。特殊部隊員の体験記にさえ紅茶の話が載っていた。
ブラヴォー・ツー・ゼロ―SAS兵士が語る湾岸戦争の壮絶な記録 (ハヤカワ文庫NF)
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味気ないといえば、日本代表は「ういろう」だと思う。
色も構造も均一で、甘くてもちもちしたあの直方体。僕は大好物だが(銘柄は問わない。三重県在住時はよく購入した)、あれを貰って大喜びしている人は見たことがない。専門店に行けば、抹茶や大納言、それに四季折々の花鳥風月を象った素敵なういろうが売られているけれど、熱狂的なファンが少ない食べ物だと思う。
「ういろう後進県の静岡でゲットしたのがこの“いづや菓子舗”の「玉露入り桜エビういろう」!!写真が汚くてゴメンナサイ(o_ _)o
早速開封、完食させていただきました(略)というわけで期待を込めて☆3つ」
みたいなブログは見たことがない。
ともかくその「ういろう」、機能性食品としての“可能性”を感じているのだが、どうだろう。ビタミンやミネラルを練り込んで、薄く灰色がかった樹脂みたいな外観だったら最高だ。
専用のホルダーに入れて携帯できる。いちおう朝昼晩と3種類あるが、味はおなじ(甘い)で成分が少し違うだけ。安っぽいオープナーが付属していてもいい(でも誰も使わない)。
どこかの和菓子屋で作ってくれないものか。行動食として、あるいは「身体のために栄養は摂っておきたいが、食事を楽しむつもりが無い時」のために活用したい。
ではそろそろ寝る準備を。明日明後日は忙しい。でも読書はしたい。森見登美彦氏の新刊は2冊とも売り切れだった。さすが。