友人夫妻に誘われて仕事帰りに会食。といっても新しくできたラーメン屋さんで、「つけ麺」を食べただけ。彼らが行きたかった、という理由で選択したのだが、食事はともかく長く話せないところがラーメン屋の困ったところだ。
典型的過ぎるくらいに典型的な「魂込めて作っています」のお店だった。頭にはタオル、揃いの黒Tシャツ(もちろん背には殴り書きのポエムがプリントされている)で、敬語は「〜になります」で統一。
「どうしてこの種の、ラーメンに魂を込めるお店は似通ってくるのだろう、という問い」に対して、友人(婦のほう)が、「魂のかたちは似通っているんだね」と、エヴァンゲリオンの渚カヲル君みたいな答えを。なるほど、と妙に納得した。
ちなみに「つけ麺」は、麺がものすごく太かった。「極みの激太麺」を謳っていたが、なんだか鹹水入りのうどんを食べているみたいで、有り難みは感じない。しかし珍しいものを食べた。じぶん1人では行かないタイプのお店だった。
友人夫妻は来週から、瀬戸内国際芸術祭に行くという。
前から話は聞いていて、旅の準備の優先順位などを伝えていた。例えば「地中美術館と豊島美術館は予約すべし」とか。まず宿を確保。次に美術館を予約、そこを軸に旅のプランを立てる位の心づもりが良いと僕は考えている。
やはりというか何というか、でも彼らはまだ予約していない。ベネッセの予約サイトで見ると、ほとんどの日付が「○:空き有り」となっているし、そもそもベネッセのアカウントを作るなんて休日じゃなきゃ面倒だ、と。あのカレンダー表示では「○」でも、実際に見てみると、多くの時間帯が「空き無し」になっているのだが。それにまだ「○」の時刻であっても、手続きが通らない時だってある。
食事のあとにスターバックスコーヒーで予約サイトを確認したのだが、案の定、希望の日付と時間では予約できなかった。
でも大丈夫、空いていて、買える時刻もある。そこを押さえて、他の時間を周遊に使えばいい。「スタンプ帖を完成させる」といった目的が無いのならば、あとはのんびりする覚悟さえあれば瀬戸内海の島では気分良く過ごせる。
もちろん船の心配はある。船に乗り遅れたら大変なことになる。
でもそれ以外は、それほどシビアな制約は無いと思う。
普通の観光旅行だったら、できるだけ数珠つなぎになるように、無駄なく1日のコースを考える。島だったら、なおさらかもしれない。
でも瀬戸内国際芸術祭に限っていえば、おなじ島や港に何度も訪れることも、船に乗って行ったり来たりすることも、恐れてはならない。効率は悪くなるかもしれないけれど、それでも狭い島と海である。たぶん想像よりも退屈や無駄は感じない。一筆書きの発想は捨ててもいい、と断言したい。
そういう意味では、やはり自転車は便利だった。
「春」はわざわざ折り畳み自転車を持ち込んだ。この前の「秋」は行く先々でレンタサイクルを駆使した。島の距離感を掴むまでは慎重にならざるを得ないけれども、バスよりも格段に自由度が増すし、徒歩なら嫌になってしまう探検もできる。徒歩だけで済む島や地域も多いが、例えば小豆島などは折りたたみ自転車が大活躍した。
友人夫妻も、自転車を持っていく予定だという。
小さな船や高速船には乗せてもらえなくなる事、島によっては自転車禁止のエリアがあること、を伝えた。
良い旅になってくれると僕としても嬉しい。
ガイドブックは必須だと思う。
重いから旅先にまで持っていくかは個々人の選択だが、まずは買って読み、できれば宿までは持ち歩きたい。
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