軽めの胃潰瘍と、水素水で茹でる蕎麦と。

胃潰瘍モデル

理由はわからないが、胃潰瘍になった。
医者が言うには「そういうことは良くあるので、あまり気にしないように」とのこと。
なので気にしない。
薬をどっさり貰ってしまった。それを飲んでいる間はとても調子が良い。
昔、ストレスで胃が痛くなった時は、こうはいかなかった。対症療法がきちんと機能していることの素晴らしさを実感中。

昨晩、寝る間になんだかお腹が痛いなあ、と思ったことは覚えている。お腹を壊した感じでもないし、何だろうと思いつつ寝た。
そして夜中に痛みで目が覚めた。それから朝まで、手持ちの胃薬や温めた牛乳や、それから冷やしたり暖めたりしてみたりと、いろいろと試したのだが効果がない。唯一、市販薬のH2ブロッカーは効いた。

というわけで、今日は午前中に病院へ。
ちょっとした問診と、簡単な検査で胃潰瘍(か、重めの胃炎)と判明。午後は薬が効いていたので元気に働いてきた。薬局ではサービスで水素水を1本くれたけれど、これはH2ブロッカーへの挑戦だろうか。

 

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人はなぜエセ科学に騙されるのか〈上〉 (新潮文庫)

水素水といえば、この前、知人と食事をした時に、ちょっと印象的な“事件”があった。
蕎麦屋さんに入った時のこと。席についてメニューを眺めていたら、最初のページに、「当店では、打ち、茹で、そして出汁に至るまで水素水を使用しております」と書いてあった。
それを見た知人は、「店を出よう」と言って、すたすたと外へ。店員さんに「どうしました?」と聞かれた時には、「水素水を使っている、と書いてあったので。申し訳ないけれど、そういう店では食事はできない」と答えていた。

なかなかできることではない。僕だったら、「まいったなあ」と思いつつ、SNSへ愚痴を放流しながら、不本意な夕食をとっていただろう。
立派な行動だと思う。ここまでしないと、きっと似非科学を信じる人は、変わらない。完全に信じこんでいる人から、業者の宣伝を受けて「じゃあ試してみるか」くらいの気分の人まで、飲食店経営者にも色々いるだろうが、とにかく客の側から伝えられる一番のメッセージは、「客であることをやめる」なのだ。これがインターネットで「共有」まですると、非対称戦じみた嫌な感じになってくる。そういう意味でも、「店には入ったが、やっぱり止めた」は、効果的かつフェアなやり方ではないだろうか。

僕は、店に入ってから後悔することがあっても(かなり多い)、93%以上はそのまま注文してしまう。奈良で観光客向けの似非ナチュラル創作和カフェに入った時は、たまらず逃げ出したことがあるが、それ以外ではまず泣き寝入りする。あるいはブログに書く。
例外として、ゼロベクレルとか電磁波云々を唱える店では、がんばって店から出る。あるいはいちばん安くて、店の主張と関わらないものを注文する。
でも、メニューはいちおう大丈夫な店であっても、レジでお金を払っている時に、お店の掲示板(そういう店にはたいてい存在する)やフライヤー置き場(必ず存在する)に、「放射能除去のためのデトックスセミナー」などのチラシやポスターを発見して、とてもがっかりするのだ。
蕎麦屋でもオーガニック・カフェでもマルシェでも、ああいう店はわかりやすいステッカーを店頭に貼ってくれればいいのに、と思う。「docomoの無料wiFi使えます」のようなステッカー。
アイコンでわかる、その店のスタンス。「あっEMと酵素と白砂糖忌避と反原発(急進派)か。へえ終末はレメディも。じゃあ止めておこう」と判断できる。平和が保たれる。僕だって、それからもちろん知人だって、「蕎麦のおなか」になったまま街をさまよう必要がなくなる。

「わかる」と「納得する」―人はなぜエセ科学にはまるのか

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ニセ科学を10倍楽しむ本 (ちくま文庫)

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「ニセ医学」に騙されないために   危険な反医療論や治療法、健康法から身を守る!

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ほとんど関係無いが、よく行く書店では、「似非科学入門」という新書が「スピリチュアル・命の奇跡・伝統回帰」の特集棚に置いてある。たぶん「似非科学に入門するための本」じゃあ無いと思うのだが。岩波新書の鮮やかな赤が、クリスチャン・ラッセンや90年代のCGコラージュアートみたいな表紙のなかで目立っている。 

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