焦げピザ

 つい先日、2014年下半期の目標というか、部署のスローガン的なものが決まった。簡単に言うと「意識を高く持とう」みたいな感じ。詳細に書くと恥ずかしくなる。
 今日はそれを受けて、ずいぶん長く残業をする羽目になった。

 今日の仕事を終わらせた後に、明日の仕事を進めておけば、明日に余裕ができる、という目論見らしい。「今日できる事を明日に持ち越すのは、意識が低い」とのこと。
 それはまあひとつの正論かもしれないけれど、しかし今日の仕事を片付けるだけで十分に残業となるのである。手が空いている時間なんて全然ない。その上での明日行う予定の仕事をこなすのは、つまりは「明日の残業を減らし、今日の残業を増やす」だけのような気がして仕方がない。それに、よくよく考えてみたら(諸般の事情により)、今日の夜に1時間がんばって用意しても、明日の午前中に稼げる時間は30分足らずなのだ。

 ちょっと徒労感が強いので、「あんまり意味が無いですよー」という事を示すために、記録をつける事にした。

 ここまでは愚痴である。

 

 帰宅が遅くなったため、帰り道にあるイタリア料理店で夕食を済ませてきた。わりと小奇麗で、きちんとしたワインも置いてある。コースもあるけれど、カウンター席にてピザだけを食べる人も多い。
 小さめのマルゲリータと、野菜サラダを食べた。
 ピザは、今までの人生で最も焦げていた。フチの部分だけでなく、トマトソースも焦げている。
 しかし、あまりに当たり前の顔をして皿が出されたから、戸惑いながらも「いやいや本場イタリアではこれくらい焦げているのも当たり前なのかもしれない」と考え、食べた。見た目通り、スモーキーなマルゲリータ・ピザだった。
 かなりの部分を残したが、でもまあ空腹は満たされたし、寝る前だからこれくらいで十分か、と思って席を立つ。
 レジで精算をする時になって、店主らしき人から「申し訳ございません。先ほどのピザは焦げすぎていたようです。お代はいただけません」と声をかけられた。
 しかし食べちゃったものに代金を払わないのも悪いし、焦げていない部分は十分に美味しかったから、その旨を伝えて全額を払った。悪感情は持っていないし、たぶんまた食べに行くと思う。それに、そういうミスのリカバリーは、テーブルについている間に済ませてもらいたい。

 実は今も、その事でもやもやっと考えている。きちんと金銭のやりとりで片をつけていたほうがスマートだったのかもしれない。通勤用カバンの上には、店を出るときに手渡されたビスコッティの小袋がある。

 なんとなく、この件も愚痴っぽい。
 天真爛漫、明朗で前向きな事が書ければ良いのだけれど、どうも疲れていると暗くなる。
 ぜんぶ疲労が悪い。だから寝る。

 

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