峠の大鯛焼き

 

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 ふと思い立って、静岡市の郊外、大鈩不動尊へ行く途中にある「丸子峠の大鯛焼き」を買いに行った。以前は国道1号線沿いで営業していた店。大きな鯛焼きが売り物。

一番小さなものが16cmで200円、中サイズは26cmで500円。この2種類は普通に皆が買っていく。大サイズは60cm(価格は不詳)で、たぶん予約が要るだろう。

今日はは小サイズを1つ買った。200円は安いと思う。
僕は大きさよりも、餡の味を評価する。あっさりした控えめの甘みと、豆の風味が丁度良い。量は多いが、軽く食べられる。

今日はどういうわけか、妙に混雑していた。もともと注文を受けてから焼くので、どうしても客を待たせる。だいたい20分くらいは待ったと思う。
店主なのか、剽軽な老人が客の相手をする。相手といっても、冗談を言ったり、何処から来たのか聞いてきたり、自慢の水琴窟のところまで連れていって「音を聞け」と勧めるだけで、例えば注文を整理するようなオペレーションはしない。静かに黙って甘いものを買いたいだけの僕などは、ちょっと困ってしまうのだが、元気なおばさん等は楽しそう。
そして1人のおじさんが、黙々と焼いている。職人的な寡黙さというよりも、どう見ても余裕が無い感じで(この人は数年前に見かけた時も余裕が感じられなかった)、型にタネを流し込んでから餡を乗せるのを忘れたり、焼き加減を間違えたりもする。動線の標準化が出来ていない、と思う。
しかしこの2人で、なんとか店は回っている。老人の余裕をおじさんに分けてあげれば「普通の店並み」になると思うのだけれど、まあ僕には関係無いことだ。ともかく美味しい鯛焼き屋さんである。

それから、たぶん鯛焼きの大きさに関係していると思うのだが、この店の型は、一匹ずつ独立している、いわゆる「天然タイプ」だった。一般的に見られる「養殖タイプ:数個の型が繋がっていて、まとめて焼くことが出来る」ではない。
久しぶりに見た。三重県岐阜県で数回見かけた事があるが、何処も古い店だった。静岡の、それほど歴史のない店で「天然」を見るとは思わなかった。

 

本屋と図書館に行ったこと、鯛焼きを買ったこと、それ以外は特に何もしていない、単に休養に徹した休日だった。なにしろ寒かった。
日曜の夕方になった今、何かをやり忘れているような気がする。そして、先ほどの鯛焼きでお腹がいっぱい。
まあいいや、なるようになれ、と思う。どうせ明後日も休日だから、今日はもう、何もしない。

 

そして今から、これを読む。

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