朝から冷麺を食べてしまった。
ホテルの近所に24時間営業の韓国料理屋があって、しかも朝から空腹だったので、つい注文してしまった。
早朝から大好物を食べるなんて、なんとなく後ろめたい気分になる。背徳的、とまではいかないけれど、旅先とはいえ羽目を外しすぎかもしれない。
残念ながら今日の東京は小雨が降っていた。
とりあえず何も考えずに表参道まで行き、小川軒でケーキを買ったり(ここのロールケーキは美味しいと思う、レーズンウイッチも好き)、青山ブックセンターで本を見たり。洋書のバーゲンをやっていたので、資料本をいくつか購入した。好きなイラストレーターの作品展が開催されていて、ちょっと徳した気分になる。
表参道も歩いた。
なかなか綺麗な建物が続いて、嫌いじゃない雰囲気だけれど、表参道ヒルズで買い物することは無さそうだ。でも、高級なお菓子とかには興味がある。
今日は開店時間頃に行ったので、どの店も店員さんがきびきび働いていた。見ていて楽しい。
昨日から歩き通しなので(荷物も多い)、少し道に迷うと疲れてしまう。
無理をしてでも自転車を持ってきたほうが良かったかもしれない。
でも、地下鉄も歩道も空いていて、とても歩きやすい。
渋谷まで歩いてから、電車で谷中方面へ。谷中から根津、千駄木と散策を続ける。
古い町並み。狭い路地。
昨年に行ってとても気に入った土地だ。今日は古本屋を探しながら歩く。
古くて安い文庫本を買っては、小さなお店に入って珈琲を飲む。チーズケーキも食べる。
店主の個性の強い喫茶店やカフェが多い。
普段は、店主の主張が張り出されているようなお店は苦手なのだけれど、今日行ったいくつかのお店は、読書などの個人の楽しみに特化していて、とても居心地が良かった。入り口とかに、どんな客を求めているかが(明示的に、または暗示的に)貼り出されているので、間違って入って雰囲気を乱す人も少ないようだ。
色々と苦労はあるのだろうが、客を選んで商売できる風土というのは羨ましいと思う。
1個10円の饅頭(近所にあったら糖尿病になりそうだ)をお土産に買ったり、アイス最中を食べたりして散歩を続ける。
カメラに買ったばかりのストラップをつけて、首からかけて歩いていたら、何人かのカメラ好きなおじさんから声をかけられた。ぶれない持ち方とか、細々したコツを教わった。
新しいカメラは、カメラらしい形をしている。黒くて四角くて、ファインダーがある。
レンズキャップが煩わしいので、フードやフィルタを組み合わせたら、さらに昔ながらのカメラに似てきた。
前のソニーの薄型のときは、こんな事は無かった。少し面白い。
昨年に写真を撮ろうとして怒られたコロッケ屋さん(1ケ30円!)は、今日も元気に撮影禁止を叫んでいた。
今日もカメラを抱えて歩いていただけで、しっかりと注意されてしまった。
何故ここまで写真を嫌がるのか解らないが、観光化された商店街なので嫌な思いをすることもあるのだろう。
霊園の中を一巡りして、ギャラリーや小さな専門店を覗いて、また歩いて、と繰り返していたら夕方になってしまった。
急に疲れが我慢できなくなったので、静岡に帰ることにした。
品川駅で軽く夕食を摂った後、電車に乗る。
帰りは節約と読書の為に鈍行で帰る。
寝て起きて読書して、また寝ていたら静岡に着いていた。
いくつか行きそびれた場所がある。
買い忘れたもの(革とか紙とか)もある。
なにしろ散歩ばかりした2日間なので、効率は悪かったけれど、自分にとっては好きなことばかり出来た2日間だった。
でも、ノマディック美術館だけは行くべきだったかもしれない。
それだけは後悔している。