片岡温泉アクアイグニス

日帰り予定の三重県訪問、なんとなく友人宅に泊まることに。菰野町で夜を過ごしている。

こういう時は、お風呂を「片岡温泉アクアイグニス」で済ませることが多い。正直なところ共同浴場は苦手(眼鏡が無いとぼんやりとしか周囲が見えないし、そもそも赤の他人と肌を…というのも嫌だ)なのだが、ひどい肩こりが一時的に楽になるから、機会は逃さず活用する。

アクアイグニスはいかにも「デザインしています」な雰囲気が独特。僕は割と好きだ。特にこの種の場所は、とりあえずきちんと小綺麗であることが大切。

肩こりは割合として2割の低減、というところか。数時間後には元に戻るだろう。

このアクアイグニスの「風呂上がりにだらだらする広間」はみんな本当に無防備だ。無印良品の「人を駄目にするソファ」の特大版みたいなものがたくさん置かれ、誰もが風呂上がりのラフな服装で寛いでいる。僕は(共同浴場と同様に)この状況も苦手で、今はその横の椅子と机のスペースで、こうして日記を書いて、髪が乾くのを待っている状況だ。

そろそろ友人宅に戻ろうと思う。さすがに眠い。

https://www.instagram.com/p/BVbraiJnF3b/

 

古いパソコンを初期化した。

家に放置されていた古いパソコンをリストアした。
OSはWindows Vista。購入時の状態にしてから人に渡すつもりで作業をして、結局手放す必要は無くなったのだけれど、これが実に面倒だった。

いや、WindowsXP以前の「初期化」を知っている身としては、これで大変と言ったら罰が当たる。事前に用意しておくリストア用ディスクも要らないし、初期設定なんて無いようなものだ。

悪いのは東芝。そう、これは東芝のノートパソコン。
老いた両親が家電量販店で薦められるままに購入した、薄くも軽くもない(安くもない)、もっさりしたモデルなのだ。

Windowsの再インストール(というか、リカバリ領域からの復元)が終わると、もう後は延々と「プリインストール・アプリの導入」が続く。7年前のパソコンだから、もう終了しているサービスも多い。でもユーザー登録を薦めてくるし、いちいち「いいえ」をクリックしないと先に進まない。

僕としては、「素」の状態に近い状態にして、最低限のセキュリティ対策とアップデートを行っておこうと思っていたのに。

アプリの導入も酷いが、今思うとこのアップデート、マイクロソフトの各種更新も実に駄目な感じだった。
シークバーが不正確なのは、まあそういう時代だったと思うしか無い。しかし細々したセキュリティ・アップデートを終えたあとに、「統合アップデート」を薦めるというのはどういうわけだ。
そして延々と続く再起動。「インストールを試みています」の後に「インストールしています」そして「データを導入しています」と切り替わる。知らんがな、って思う。そして放置していると「使用許諾はOKかい?」みたいなウインドウが出て、インストール作業が止まっている。

今愛用しているiMacの、MacOSはこの辺りの細かい気配りが上手い。
実のところ、MicrosoftApple、技術的な優劣はわからないし、使っていてもそれぞれ“個性”程度の差しか感じない。
しかし、こういうユーザーにストレスを与えざるを得ない部分、つまらない待ち時間の演出・設計は、Appleは“さすが”だと思う。「時間がかかるから、待ってりゃいいよ」とメッセージが出たら、本当にただ待てばいい。シンプルな進行状況表示が少しずつ確実に動き、聞くべき事は最後の最後にまとめて入力を求める。

 

僕はこの、Windowsパソコンの初期設定から使用開始に至る時間がとても苦手だ。嫌いとか面白くない、という以上に、ついぼうっと無意味に、その進行具合に付き合ってしまうのだ。
昨晩も今朝も、それで時間を無駄にした。先ほどようやく作業が終わった。

 

僕としては処分したい。でも、老いた両親は、手放すのに抵抗がある様子。彼らにとっては「まだ使える」ように見えるのだ。5年前に使えたものを、同じ使い方であっても今は使えない事が、腑に落ちないのだと想像する。

気持ちはわかるが、でもインターネットに繋げられない(設定は容易、でもセキュリティ上の懸念が大きいので、しない)パソコンでは、年寄りの言うところの「メールとインターネットだけ」もできない。

 

ともあれ作業は終わった。
明日は三重県に遊びに行く。だから、早々に寝るつもり。21時には寝たい。

 

ポケットに静岡百景

ポケットに静岡百景

 

 

あとは野となれ大和撫子

あとは野となれ大和撫子

 

 

苦いレタスとコンビーフのサンドイッチ

春にプランターで育て、葉を何度も収穫し活用していたレタスが、庭の隅で復活していた。
家族が夏野菜を育てるために、レタスは引き抜いて、そのまま「落ち葉とか枝とか、いらないものを積んでおくエリア」に放置してあったもの。
また根を張り、葉を延ばしていた。

でもこのレタスっぽい力強い何か、かなり苦い。
親戚の子供は食べられなかった。

しかし僕は、こういう苦い葉野菜は平気だ。むしろ好きかもしれない。
食材図鑑に「日本では苦みが敬遠され出荷量は少なかったが、近年はレストラン向けに栽培される事も増えた」とか書かれていそうな感じもする。

どうやって食べようか、と考えて数日経つ。
ふと思いつき、コンビーフと合わせてみた。そのために、今日は寄り道して、安いコンビーフを買ってきたのだった。

料理、という程のものでもない。
家族が出かけていたこともあり、簡単な夕食として、10分かけずに作った。

コンビーフに胡椒をたくさん振るのが工夫といえばそうかもしれない。あとは、パン、コンビーフ、レタス、マスタード、パセリ、コンビーフ、パン、という感じで重ねただけ。
他にはにんじんサラダを作った。

なかなか美味しくできた、とは思う。
でもなんとなく寂しい夕食。何が足りないのか。花でも飾れば良かったのか。

 

花図鑑 野菜+果物 (草土花図鑑シリーズ)

花図鑑 野菜+果物 (草土花図鑑シリーズ)

 

 

トレーシングペーパーのブックカバー

なんとなく初めて、ここ最近よくやる夜の小規模作業に、ブックカバー作りがある。
使い回しが可能な、布や革の品ではない。本屋が無料で付けてくれるような紙のカバーを、自分で(部屋にある本に)付ける作業をしているのだ。

最初は、次の旅用の本に付けた。かばんに放り込んでいる間、痛まないように。写真はピンぼけだが、実際もこんな見た目。

 

北アルフ?ス国際芸術祭 公式ガイドブック  JAPAN ALPS ART FESTIVAL 2017 OFFICIAL GUIDEBOOK 信濃大町 食とアートの廻廊 2017.6.4-7.30

北アルフ?ス国際芸術祭 公式ガイドブック JAPAN ALPS ART FESTIVAL 2017 OFFICIAL GUIDEBOOK 信濃大町 食とアートの廻廊 2017.6.4-7.30

  • 作者: 北川フラム,北アルフ?ス国際芸術祭実行委員会,岡澤浩太郎,中村志保(ブックインブック),原游,山本康平
  • 出版社/メーカー: 現代企画室
  • 発売日: 2017/04/10
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
  • この商品を含むブログを見る
 

 

今は他の本にも装着している。
大昔に購入して死蔵していたトレーシングペーパーを利用。
どことなく、古本屋にあるハトロン紙のそれに似ているが、もう少し不透明度が高い。
A4サイズの紙では、文庫本以上のものは“継いで”使う必要があり、その部分に使うテープがアクセントになっていて、これはこれで良いのではないか。上の「北アルプス国際芸術祭公式ガイドブック」では、ちょうど背の部分にテープが来ている。下の本では裏表紙にある。
天地双方とも、高さを揃えるために折っているのだが、その部分は白みが強くなっていて、それも悪くない。

カバーとしての実用性はそこそこ。それよりも、見た目と手触りが気に入っている。
本当はもう少し大きな紙のほうが作りやすいし、わざわざ継ぐ必要も無い。でもこの作業というのか工作というのか、夜の小さな作業用に、わざわざ買ってくる、というのも違う気がする。それに、A4のトレーシングペーパーはあと120枚以上ある。

 

'80sガーリーデザインコレクション

'80sガーリーデザインコレクション

 

 

SAKAEテクニカルペーパー Sトレーシングペーパー45g/m2 A4 50枚 STP-A4K-45

SAKAEテクニカルペーパー Sトレーシングペーパー45g/m2 A4 50枚 STP-A4K-45

 

 

 

 

もつカレーを作る

静岡市清水区の名物料理、といってもある居酒屋のメニューだったものがいつしか様々な店で扱われるようになり、そして例の如くご当地メニューとして取り上げられるようになった品、そんな「もつカレー」を作ってみた。

いわゆる土手煮のカレー味版。カレーライスにはしない、と思う。
僕が子供の頃は、肉屋の総菜コーナーで量り売りされていた。でもそのことを話すと、誰も信じてくれない。

この場合の「もつ」は、基本的には豚の腸を使う。僕は牛の第二胃「ハチノス」や牛の腸も使うけれど、ハチノスはトマトで煮たほうが美味しいと思う。
カレーの風味があるから、下茹でや臭み抜きはそれほど神経質にならなくて済むのが、この料理の良いところ。黄色っぽい、給食などで出会うようなカレーの色が「らしい」と思う。

作るのは簡単。
みじん切りのネギと、下拵えした「もつ」を胡麻油で炒める。生姜はたっぷり、好みでにんにくも。カレー粉があれば適当に振り入れておくと、風味が良くなる。
僕は入れないが、にんじんを具に加える店や家が多いと思う。
タマネギも良いのではないか。見たことはないけれど。

そして少しのお湯、濃縮めんつゆ、酒などで味を調えつつ煮込み、最後に市販のカレールウを投入し、さらに少し煮て、とろみが生じたら完成。

それほど煮込まずとも大丈夫な、煮込み料理。
胡椒や一味唐辛子が効いていると、副菜としても酒肴としても存在感が増すし、大人向けになる。どうしても甘めに仕上がるから、辛味はきちんと加えたほうが良いと考える。

食べる時に、刻んだネギをたっぷり添える。
とにかく白ネギをたくさん使う料理ではある。多めに入れて失敗する事は無いだろう。肉類の脂は(使う部位にもよるが)期待できないし、不要だと思っている。要はカレールウに旨味・コクを担ってもらうわけだ。

作るのは簡単。
どっさり作って毎日食べる、というものではないが、かといっておかずの1品分だけ煮るのも効率が悪い。僕は深めのフライパンで作って、副菜として食べ、残りは冷蔵あるいは冷凍して数日で食べきる。

 

味はまあ、普通に美味しい、という程度か。
作ってみるとわかるが、全国デビューするには力不足な味だ。存在は知っていても、わざわざ食べたりしない、という人も多いのではないか。熱狂的なファンも(自分の観測範囲には)存在しない。
ちなみに缶詰も売られている。これをベースに、好みの「もつ」や野菜を加えて楽しむ人もいるらしい。以前、しめじを山ほど加えたものを食べた記憶がある。

 

 

 

 

ホテイ もつカレー 85g缶

ホテイ もつカレー 85g缶

 

 

熱海で買った「猫の舌」

熱海で買ってきた「猫の舌」が美味しい。
老舗洋菓子屋である「三木製菓」の定番。レトロかわいい包装は、雑貨カフェ徒歩旅乙女系雑誌によく掲載されている。
その名前の通りラングドシャであり(langue de chat:猫の舌)、実にスタンダードな、でも上質な、よいお菓子だと思う。僕は大好物だ。

http://www.mikiseika.com/images/mark.gif

 

www.mikiseika.com

さてこのお菓子、職場にも持っていったのだった。
で、「猫の舌だからラングドシャ」という話をしたのだが、まるで信じてくれない人がひとりいて(ちょっと嘲笑された…)、そのせいでちょっと変な雰囲気の休憩時間となってしまった。小分け袋に印刷されているフランス語を示して、ようやく「そういう説もあるかもね」程度の納得はしてくれたのだが。

この人はしかし、自身の感覚と知識から外れたものは基本的に信じない。傲慢というより、そういう性分に育ってしまったのだと思う。性格ではなく思考回路、と言うべきか。悪気は無いのだ。

なにしろ「ピンセットは研いで使う」という話も信じないのだ。
これは仕事に影響するので、地味に困っている。安物のピンセットならともかく、数千円する金属製の品は、基本的に研ぐ事も設計に折り込んであるものなのだ。
僕達の仕事ではそこまでの精密さは必要とされないが、きちんと砥石を使って調整したものは実に使いやすいし、落として曲がってしまったものは研がないと先端が合わない。研ぐ方法や必要性は、調べれば、というかそもそも購入時の添付書類に書いてあるし、きちんと研磨しながら使っている部署だってあるのに。

 

明工舎製作所 MKS 平角アルカンサス砥石

明工舎製作所 MKS 平角アルカンサス砥石

 

 

しかしここまで極端ではないけれど、妙に「じぶんフィルター」を強く働かせる人は以外と多い。
でも僕は思うのだ。
「自分の目で見たものしか信じない」と言っている人は、そうでない人に比べて見えるもの自体がとても少ない。
これは「わかればいい」程度の気分と知識で資料を作ると、結果的にわかりづらい資料が出来てしまう問題と似ている。

自分の脳の外側に世界を定めておく、それは大人の最低条件だと考える。少なくとも、嘯いても益は無い。世界も常識も、自分の認識よりも遙かに広いのだから。

 

それにほら、猫の舌がラングドシャという“雑学”は、役に立たないけれど、否定しても害は無いけれど、とても素敵な知識だろう。
食べる前に、つい、しみじみその形を眺めてしまう。ただの薄焼きバタークッキー、そしてわけのわからないフランス語という組み合わせではたどり着けない世界が、そこにはある。

 

お菓子の由来物語

お菓子の由来物語

 

 

 

魚のサンドイッチとかばんの洗濯

昨日は遊んで過ごした。今日はのんびり過ごす。

というわけで、あまり遠出せず、観たい映画もパスして穏やかな休日となるよう心がけた。

 


といっても昼食はなかなか良いものを食べてしまった。
ALLEE RESTAURANTのランチメニュー、白身魚のフリッターとルッコラのサンドイッチ。
僕はこの白身魚の揚げたものが大好きで、いつか英国に滞在し、あの芋と魚の組み合わせを飽きるほど食べるのが夢なのだ。
このサンドイッチは、おそらくもっと上質なものなのだと思う。見た目からして美味しそうで、味は予想を超えて素晴らしかった。

食後のガトーショコラも美味しい。外は暑くとも、チョコレートは大歓迎。

 

静岡 至福のランチ

静岡 至福のランチ

 

 

 

 

 

昨日、三島市で購入した甘いものが、今日のおやつ。
クッキーでチーズケーキを挟んだ品。最近あちこちで見かけるが、流行っているのだろうか。コンパクトで食べ応えもあって、手土産にも良い。
この店の品は、クッキーにホワイトチョコレートが塗られていて、1日置いてもべたっとしない。しっとりしてはいるが、クッキーがクッキーらしさを保つ、良い工夫だと思う。きちんとした環境で保管できない場合に、真価を発揮するのではないか。自分としては、チョコレートのかりっとした歯触りは違和感があったのだけれど、これはこれで美味しいもの。

http://konditorei-mine.jp/wp-content/uploads/2017/05/cropped-itunes-488.jpg

今日、食べたのはラムレーズン入りのもの。このラムレーズンがきちんとしたラム感があって感心した。もう1個買っておけば良かった、という程に気に入ってしまった。

三島の中心街から東、丘の上にある明るい新興住宅地にあった店。ここは「君ならばきっと気に入る」と、先日教えていただいた場所。人の助言には従うものだ。確かに良い店だった。

 

KonditoreiMine | コンディトライミーネ

営業時間 10:00~18:00 火曜日定休+不定

静岡県三島市西旭ヶ丘4041-10

  

 

ただし食べたあとに、ぐぐっと眠くなって、後で考えたらその眠気はアルコールの作用だった。元より酒に弱く、かつ飲酒の習慣も無いせいか、最近はとても酔いやすい。

 

 

さて、先ほどから通勤用かばんを洗濯している。
無印良品か何処かで購入した、帆布のかばん。
かばんを洗う、というとびっくりする人もいる。でも、厚手の綿の、カジュアルなものならば、ごしごし洗っても大丈夫。小学校の頃に上履きを洗った、あの感じが近い。

汚れていないように見えて、お湯に漬けると(洗剤は少量で良い、と思う)意外とそのお湯が濁ってくる。もちろん溶け出した染料がほとんどだろうけれど、洗って乾くと(色落ちと共に)清潔感が目に見えてわかるから、効果はあると思っている。

固く糊をしたトートバッグなどは洗わないほうが良いが、それこそ無印のような、カーキとかベージュとかオフホワイトの、くたっとしても平気なものは、半年に一度は洗いたい。すすぎの最後に、薄めに洗濯糊を溶かした水に漬け込むこともあるけれど、今日はそこまでしなかった。
洗面台に張ったぬるま湯と洗剤の液に浸し数十分、その後、雑にブラシで擦り、何度か水を替えてすすぎ、タオルにくるんで踏み脱水とする。家族がいなければ、洗濯機の脱水機能を使うところだけれど、あれは音がするから今日は止めておいた。

明日の昼には乾くだろう。
こういう、細かな日常の手入れは好きだ。やらなきゃならぬ、とToDoリストに書き入れて焦るのは駄目だが、こうして日曜の夜にふと思いついて始める家事は楽しい。

でもそろそろ寝る。明日は早い。おやすみなさい。

 

 

クウネルの本 ハウスキーピングブック

クウネルの本 ハウスキーピングブック

 

 

函南熱海三島そして沼津

日帰りで静岡県東部を探索してきた。
いくつかの目的地を決めた以外は、かなりいいかげん。食べて買って、自転車に乗って、とまあいつも通りの遠出。どういうわけか出費が多かったけれど、それ以外は問題無し。

https://www.instagram.com/p/BVJBbdWHLYp/

まずは、ずっと前から行きたかったアンティーク・ケーキ・カフェの「irodori」で午前中のおやつを。この店のケーキは、以前は静岡市でも食べられるお店があったのだが(あるカフェが取り寄せていたので)、閉店してしまった。ケーキの味は変わらないのかもしれないけれど、店の雰囲気はまるで違う。静かで趣味が良くて、素晴らしいお店だった。

https://www.instagram.com/p/BVJCVRGny3g/

駅から徒歩1分、という立地にもかかわらずとても落ち着くお店。近所に欲しい。

ちなみにケーキは「ピスタチオのショートケーキ」を食べた。ショートケーキというより、上質な各種クリームを味わっているような品だった。ラズベリージャムの酸味がアクセント。
この店のコーヒーは、かなり濃くて苦い。基本的にブラックで飲む僕でも、少しだけミルクを加えたくらい。たぶんダークチェリーのタルト(定番)などで、丁度良いバランスなのだと思う。

実はこの後に訪れた熱海温泉の帰りに再度寄ることもできたのだが、さすがにそれは我慢した。それくらいに気に入った、ということだ。

www.irodori-nitta.com

 

 

 

熱海。
子供の頃は家族旅行でよく訪れた。
親戚や祖父母と、いわゆる「観光ホテル」に何泊かするのが、毎年の習慣だった。
最年少だったからか、あるいは小児喘息の関連か、理由は忘れたが、僕と祖父以外だけが宿に残ったことが何度かあって、そういう時は、熱海の温泉街、繁華街を2人だけで散歩して時間を潰した。
そして普段は行かないようなレストランや喫茶店に連れていってもらった記憶がある。
特に「スコット旧館」のクリームコロッケは鮮烈な印象があった。ぺたっとしてウスターソースや中濃ソースをかける総菜のコロッケしか知らない幼稚園児が、さくさくしていて、しかもよくわからないソースが銀の器に添えられたコロッケに出会ったのだ。
店の名前は大人になってからも何度か本で見かけていた。なにしろ熱海の名店。店名の書かれたお皿と、いくつかの名物メニューは、旅行本の定番だ。

そのお店に、今日は初めて、自分で行ってみた。
海の近くに車を停め、数十年前の記憶に従い自転車を走らせる。
お店はほどなくして見つかり、席もタイミングよく空いた。

店内は、子供の頃の記憶とは違うが、しかし昭和の洋食店らしさが溢れている。

メニューは、想像していたよりも高価だった。祖父、こんな良いものを幼稚園児の孫に食べさせてくれたのだな、と驚きながらも感謝する。確か人生初のタンシチューはこの店で食べた。ランチは少しお得な価格で、前菜からデザートまで付いてくる。きちんとクリームコロッケも存在した。

そのクリームコロッケは本当に美味しかった。
パイ包みのカニ肉と海老が入ったクリームコロッケに、トマト風味のソースをかけて食べる。なんとも贅沢な味。でも、いわゆる高級コース料理ではなくて、面白い。

近くの席では、身なりの良い老姉妹がそれはもう凄い勢いで注文し、お喋りせずに延々と食べていた。連れていた孫よりも食べていたと思う。おお、江國香織っぽい!と嬉しくなってしまった。僕はランチセットだけでお腹いっぱいだったのだが。

restaurant-scott.com

 

熱海では古いお店や風景を眺めたり、お菓子を買って過ごした。
坂が多いから自転車散策には向かないし、人も多くて疲れる。延々と積み重ねてきた「昭和レトロな温泉街」の演出も飽きてくる。でも、それでも良い街だと思う。しばらくぶりの訪問だったが、また近いうちに遊びに行こうと考えている。

熱海は斜面の街。
そして観光ホテルは衰退していく一方。だから、こういう風に、取り壊し風景が「断面」として見物できるし、建物だけ剥がされて骨格だけになった廃墟もあちこちにある。僕が20代の頃に泊まった宿は、老人ホームになっていた。

 

熱海の次は三島。
三島には「Z会」という、通信教育の会社があり、その会社が運営する「大岡信ことば館」という「ことばと詩の美術館(博物館?)」がある。小さいけれど、面白いイベントが多い。
今日はそこで開催中の「新海誠展」を観てきた。

ここでの展示で定番の、立体に切り抜いた「ことば」が展示品とリンクして飾られている演出が、とても合っている。新海誠監督の最初の作品、「ほしのこえ」の紹介ではブラウン管のTVで映像を流したり、といった工夫も面白い。
絵コンテや修正指示、美術資料など盛りだくさんの展示だった。監督がそれぞれの作品で目指すものが明確、かつ過去のインタビューなどできちんと残っているので、とてもわかりやすいのも特徴かもしれない。
建物を出てから、三島の風景が「新海誠的にキラキラ」して見えて困ってしまった。

そう、三島は自転車散策に最適の街だ。ゆるやかに坂があるのは疲れるけれど、綺麗な水が流れる水路や古い街並みに沿って走るのが気持ち良い。時には自転車を押して、あるいはどこかに停めて、歩くのも良い。大きな神社のある街らしく、飲食店が多い印象。
僕は三島市に来ると、公園でアルパカに会うのが習慣になっている。

三島では気になるケーキ店に行った。何やらお祭りが開かれていて、なんとなく眺めたりして夕刻まで過ごした。


ことば館では、この本を買った。
 素敵な本。しかし詩集なんて買うのは久しぶりだ。

大岡信詩集 丘のうなじ

大岡信詩集 丘のうなじ

 

 

 

 

三島から沼津は、あっという間。
どうしようかな、と思いながら沼津市の「クレマチスの丘」へ行く。入館時刻ぎりぎりに写真美術館に到着し、なんとなく今日は止めておこうと近隣を散歩するに留めた。
有料の箇所はどんどん閉まる時間帯だったが、そうでない部分を歩くだけで十分に楽しめる。夕日と緑だけで満足。ちなみに写真は撮り忘れた。

それから沼津の街に行き、軽い夕食を食べたり、どういうわけか書店に寄ったりして夜まで遊ぶ。そして、静岡県中部までのんびり帰り、今に至る。

なんと、先日の松本日帰り旅よりも、買ったものが多い。主に焼き菓子、そしてうっかり寄り道して買ってしまった服とか。
今から荷物の整理をして、そして寝ます。以外と疲れたが、想像以上に移動時間が短かった。静岡県東部、以外と近い。

 

 

ポケットに静岡百景

ポケットに静岡百景

 
静岡百景

静岡百景

 

 

 

 

あめせんべい

先ほどから、飴せんべい、というお菓子を食べている。
先日の松本散策の折に出会ったお菓子。老舗の専門店、なのだと思うが、そのせんべい状の飴だけを売っているお店があって、なんとなく気に入って、何箱か買ってしまった。

…箱に、創業寛政八年、と書いてある。老舗だと思う、なんて店じゃなくて、本当に老舗だった。「飯田屋」というお店。

和風の、ごくプレーンな飴をびよーっと伸ばし、板状になったところで固め、四角く切り出しただけの品、そういう風に見える。
さくさくしていて、材料そのままの味がする。一番近いのは、綿菓子の味。

ただのプレーンな飴味と、塩が入ったもの、コーヒー味と和三盆味があった気がするが、僕はプレーンと塩を数箱ずつ購入した。というか、それしか残っていなかった。
この種のお菓子にしては安価だったこと、職場などに持っていくのに数を多めに見繕ったことが、複数を購入した理由。もちろん自分用にも買った。
大変に壊れやすいお菓子なので、きっちりした箱に入っている。軽いが、それなりにかさばる。

http://www.iidaya.com/products/img/amesen3.jpg

職場では、わりと好評だった。
見た目と材料から、味の想像ができる。だから手をつけない人も多い。でも、食べた人は何枚も口にしていたし、これはこれで良いのではないか、と評する。茶道部に持っていったところ、先生にも喜ばれた。
ただし配るためのお菓子には向かない。
個包装されていないし、開封すると吸湿しそう。きちんと管理すれば延々と持つが(何しろ飴だから)、いちどベタベタし始めるとリカバリ不能だ。

www.iidaya.com

そしてこの飴せんべい、まだ1箱、まるまる残っている。
前述の通り、つい多めに買ってしまったものが、目論見を外れ余ってしまった。僕はわりとそういう「お土産菓子の余剰在庫」を作ってしまう。でも、自分で食べるから問題無い。甘党で良かった。

 

https://www.kaiundo.co.jp/html/upload/save_image/5275.png

松本の土産では、「白鳥の湖」が抜群に美味しい。
これは「ほっこり乙女」系の旅行記事などに必ず載っているから有名。確かにその評価は頷けるものがある。こんなに美味しいポルポローネスは食べたことが無いし、きちんと和風になっているのも珍しい。
落雁とクッキーの良いところを実に高いレベルで達成していると思う。壊れやすさ以外は、日本代表を狙える実力があるだろう。
これ、現地で買う、あるいは土産に貰う以外では出会った記憶が無いのだ。あまり物産展などに出さないのかもしれない。

開運堂 / 白鳥の湖

 

では寝ます。
明日は伊豆半島に行きます。下調べ、ほぼ無し。県内だから大丈夫!たぶん。

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