映画「この世界の片隅に」片淵監督舞台挨拶とサイン会





昨年に観て大感動した映画「この世界の片隅に」が、お気に入りの映画館「静岡シネギャラリー」で始まった。もう1回、観ておきたいと思っていたところ、なんと監督の舞台挨拶があるという。

整理券の配布は朝の9:30。たぶん、思いっきり混むであろう、という友人のアドバイスに従い早めに列に並ぶ。40番台の整理券を入手できた。

映画は14:25から。一旦帰宅し、昼食後に出直す。
余裕を持って家を出たのに、事故渋滞その他の事情でぎりぎりの時間に到着となった。途中で目についたコインパーキングに車を置き、自転車で急ぐ。こういう時、折り畳み自転車の機動力は本当に便利。ただし駐車場代が想定より高くついてしまった。

 

のん、呉へ。 2泊3日の旅

のん、呉へ。 2泊3日の旅

 

 

映画は、もちろん素晴らしかった。
たぶん僕の友人知人ならば、ほとんどの人が気に入ってくれるのではないか。別に宣伝をする訳ではないが、このブログを楽しんでいる人にも、何かしら波長が合う部分がある、と思っている。でも上手く説明できない。

 

しかしこの感動は何なのだろう。
話の筋は把握しているし、どういう名場面、見どころがあるのかも、今はインターネットを介して色々と知ることができる。でも引き込まれてしまうのだから、やはり大した映画だ。
今回は1階の大ホールでの上映で、ここはスクリーンの品質はそこそこだけれど、音響はなかなか良い。笑い、泣き、最後には盛大な拍手。この辺りは、さすがに舞台挨拶に来るだけの(つまり朝から並ぶだけの)人達ならではの一体感だった。

監督の挨拶とスピーチも本当に楽しかった。
それほど長い時間ではない。
静岡といえばちびまる子ちゃんの制作で繋がりがある、といった思い出話から、映画のエピソードと現実との繋がりを調べ、そしてそれを実感するために、例えば原作にある「戦時中なので、野草を摘んで食事にした。塩の配給が滞っているため、塩抜きの料理になった」という状況を、きちんと試したのだという。その不味さ、味気なさが映画を作るにあたって大切なのだと。

誠実さ以外は本当に普通の人にしか見えない監督の、木訥な語りを聞けただけでも、今日は静岡市まで行った甲斐があったというもの。
おまけにサインまでいただいてしまったし、少し会話もできた。
作品のファンになっても、作り手に会いたいなんて普段は思わないのだけれど、この映画に関しては例外だ。

短い、質疑応答もトークショーも無い舞台挨拶。でも、まるで親友の(良い雰囲気だった)結婚式の後みたいに、知らない人とでも「良かったねえ」と言い合えてしまう、不思議な親密さがあった。

前にも書いたが、この映画に出会えて本当に良かったと思う。
漫画が原作のアニメーションでも、世界の片隅を切り取ったものなのだと監督は行っていた。つまり映画と現実は繋がっているのだ。今日はそのことをずっと考えている。たぶん寝るまで考えるだろう。

良い1日でした。
映画が好きで、良かった。

 

 

 

この世界の片隅に 上 (アクションコミックス)

この世界の片隅に 上 (アクションコミックス)

 
この世界の片隅に 中 (アクションコミックス)

この世界の片隅に 中 (アクションコミックス)

 
この世界の片隅に 下 (アクションコミックス)

この世界の片隅に 下 (アクションコミックス)

 

 

映画&ケーキ(日常)



映画を観た(ひるね姫)。

車の定期点検もした。

昼食に入ったピザ屋(新静岡セノバの隣の、ペガサート1階)は、それはそれは酷かった。もう行かない。ピザはそれほどでもないけれど、接客その他の印象があれほど悪い飲食店も少ないのではないだろうか。

それから、夕方からは親戚の家でちびっ子達と楽しく過ごした。

そんな、書くべきことはたくさんある1日だったのだが、いつの間にかこんな時間。明日は早いため、もう寝る。それに、今日は本をどっさり購入したから、目を通しておきたい。



 

 

https://www.instagram.com/p/BRxdCxWDPNM/

とりあえずケーキについてだけ書く。

お気に入りの「笠井珈琲店」へ、映画の後に行ってきた。セノバのシネコンの後はこの店が個人的定番。おやつには遅いが、夕暮れには早い時間帯だった。
今日は店主さんから声をかけてきた。
「ハーフ、でいいですか?」
これはつまり、「いつも注文する、1/2サイズのアイスコーヒーと、温かいブレンドコーヒー、クリーム無し、のセットですよね」という意味だ。いつの間にか顔を覚えられていた。他のお客さんが、ちょっと驚いていたようだ。
このアイスコーヒーは、少し甘くて、濃い。クリームが上に注がれていて、どうやら混ぜずに飲むのが作法らしい。
ブレンドコーヒーは、わりとたっぷりの量。クリーム無し、を指定するとさらに増量される。ブラックで飲むのならば、まず選択しておきたいオプションである。

そして、僕がケーキを迷っている間に、少し薄めに、でも普通に満足できるサイズの綺麗なケーキが皿に載ってやってくる。これはサービスというか試作品のお試しということらしく「ラズベリーのバタークリーム・ケーキ」だと説明される。ここでまた他のお客さんの会話が止まる。
なるほど有難い。でも自分はきちんと注文もしたい。だから、お礼とともに、自身の選択も伝える。「フルーツのパウンドケーキをお願いします」と。
するともちろん、フルーツのパウンドケーキも供される。

なかなか壮観な眺めとなる。
小さめのグラスに入ったアイスコーヒーと、大きなカップ入りの温かいコーヒー(途中で注ぎ足してくれた)。
そして、鮮やかなピンク色のバタークリーム・ケーキに、しっとりして量感のあるパウンドケーキが並ぶ。
甘みが上品で、コーヒーも飲みやすい味だから、これが全てすんなり入ってしまう。バタークリームといってもラズベリーの酸味が効いていて、爽やかささえ感じる。
もっと食べ応えのある、例えば「ガトーバスク」だったら、ちょっと大変だったかもしれない。

でもやはり、バタークリームのケーキとパウンドケーキだから、夕食前にあまりお腹が空かなくて困ってしまった。ちびっ子達の食欲が旺盛、そして大皿から銘々に取り分ける料理ばかりだったから良かったものの、やや贅沢に過ぎる気がしている。
しかし美味しいケーキだった。コーヒーもそうだが、今日のおやつこそ、「存分に楽しむ」ことの体現だったと思う。

 

では寝ます。
映画については後日。普通に美味しい、という表現があるが、そんな作品でした。

 

神山健治Walker ウォーカームック

神山健治Walker ウォーカームック

 

 

 

まくらカバー

洗濯の都合で、まくらカバーが無い状況に陥った。
古びたものは洗ってから細かく切り裂いて、工作用のぼろ布にしてしまった。それから、予備というか過去に使っていたものを引っ張り出すつもりでクローゼットを漁ったのだが、どういうわけか見つからない。

まくらカバーなんていくらでもあるだろう、とは思う。わりと頻繁に買い換えているし、畳めば小さくなるので「何かに使えるかも」と古びていても保管はしている筈だ。いつもいつも(ウエスとして)切り裂いているわけではないのだから。

でも見つからない。
探して夜の時間を無駄にするのもなんだか悲しい。
とりあえず、Tシャツを着せてみた。
買ったがあまり外では着ない「ヘムレン氏」のプリントされたもの。
これがわりと良さそうな雰囲気。手触りも良いし、余った部分を折り込むと、本当にまくらカバーみたいなのだ。
首のところは折り方を工夫して隠す。ヘムレン氏は、悪いけれど裏側に回ってもらう。

大昔、車のシートカバーにTシャツを使う、という文化があった。
まだ4WDの車にカンガルーバーを付けるのが格好良かった時代だ。Tシャツのシートカバーは廃れたが、未だに「バンダナをヘッドレストに装着」は見かけることがある。いかにもバンダナ、という柄と色がほとんどだから、たぶん意識してあのスタイルを維持しているのだろう。ちょっと面倒くさそうな老人(カウボーイハットを被っていて、あえて軽トラックに乗っている、みたいな人)だと、それっぽいと思う。

とりあえずまくらカバーは、明日か明後日に買う。
いつもなんとなく麻か麻と綿の混紡を選ぶが、まくらに限っては生成りの麻素材は洗っても洗っても薄汚れた感じになるのが早いと思う。あれは、なぜだろうか。白い麻だと平気なのだが。

 

https://www.instagram.com/p/BRvcOx2jc-C/

ところで今日は、無印良品で「歯ブラシスタンド」を買ってきた。
可哀想に、半額以下。思わず2つ購入。
といっても、歯ブラシは立てない。ペンスタンドにする。
いくつか特定の場所に、よく使うツールを立てておきたくて、専用のペン立てとして活用する。大人になると、ペン立てまでは必要とはしないし、あれはあると何でも突っ込んでしまう。
というわけで、iMacの前にひとつ(タブレット用のペン)と、工作台のところにひとつ(デザインナイフ)を配備。以前から使っていた陶器のものは、ボールペン立てとする。

陶器製より、重さと頑丈さが心強いです。これは良い買い物だったと思う。

 

長く使える ずっと愛せる「無印良品」探し

長く使える ずっと愛せる「無印良品」探し

 

 

紅白饅頭をいただく(小学生に)

紅白餅(す甘)2個入り

仕事の帰り道、友人宅に寄る。何冊か本を貸すことになっていたので、まとめて持参する。
今日は友人夫婦の娘さんが卒業式だったと聞く。めでたい。
そして、驚く。いわゆる「早いものだねえ」という奴である。赤ちゃんの頃から知っているちびっ子が、もう小学校を卒業である。びっくりである。

その娘さんが、小箱に入った紅白饅頭をくれた。正確には、紅白の“すあま”の、1個は食べてしまったので、残り1つ。色は白だった。
「おじさんが食べてください」とのこと。「和菓子が好きだった、はずなので。それと、箱も良いです」とも。

素晴らしい。
年に数回しか会わない、親戚でもなんでもない大人にこういう気遣いが出来るのだ。
小学生の自分には出来なかっただろう。僕は、誰にも食べられないように冷蔵庫の奥に隠して(入念に偽装もしただろう)、そのまま忘れてしまう子供だった。
こういう子なら、中学校でも楽しくやっていけるだろう。

 

紅白饅頭 中2ヶ入(こし餡 つぶ餡)

紅白饅頭 中2ヶ入(こし餡 つぶ餡)

 

 

そういえば以前、この卒業式の紅白饅頭について職場で話したことがある。一人の若い子、といっても30代前半だから既に若者ではないのだが、とにかくそんな人が、こんな事を言っていた。
「あれ、ばかまっずいよね。ウチらみんなで壁に投げて遊んだわー。めっちゃうけるー」
こう言っては何だけれど、田舎のヤンキーが因習を蔑ろにしたら、ただの外道である。因習と不文律こそ、ヤンキーにとっての灯台なのに。
ともあれ、中学か高校か、何の卒業式かは聞かなかったけれども、その場に居合わせた人達が気の毒である。

こういう事を笑いながら話せる人は、本人がいない場で、「悪い人じゃないんだけどねー」と評されてしまう。
「食べ物を粗末にするネタ」を不用意に(めっちゃうけるナカマ以外の人達に対して)公開する人間は、価値観の違い云々は別にして、単に能力的な評価として低く見られてしまうのではないか。

 

現役の素晴らしい小学生と、少し前に聞いた過去の残念なエピソード、なんとも対照的な紅白饅頭を取り巻く世界。
しかし(そんな話とは関係無く)紅白のすあまは美味しい。どこまでも滑らか、単調な甘さ、表面の澱粉も素敵。どこにでもありそうで、でもこの祝い菓子にしか無い趣きと味がある。
和菓子の辿り着いた、ひとつの到達点だとさえ思えてくる。
素敵な楕円形をありがとう、と次に会った時には伝えよう。何かお祝いの品を添えて。

 

地球 (福音館の科学シリーズ)

地球 (福音館の科学シリーズ)

 

 

 

 

定期点検に行きそびれる

Hi Story 1/43 MAZDA ATENZA SEDAN (2016) ソウルレッドプレミアムメタリック

定時ぴったりに職場を出る。
今日は18時に、車の定期点検を予約してあった。ディーラーの人には、無理かもしれないけれど、と伝えてある。実際、渋滞の具合によっては難しい位置関係なのだ。

運が良ければ、あるいは他の日ならば、それなりの余裕を持って到着しただろう。でも今日は水曜日。あちこちの企業と事業所で「定時退社日」となっている。だから、いつもよりも少しずつ、橋を渡ったり、大きな道路を横切るのに時間がかかってしまう。小さな渋滞も、他の日よりも信号1回分長くなる。

というわけで、早めに電話して、点検をキャンセルした。
別の日を予約。
無理をすれば、数分の遅れで到着したかもしれないが、お店側だって18時は最後の予約時刻だったのだ。あまり待たせる訳にもいかない。

 

そんなわけで、今日はずいぶんと夜の時間に余裕がある。
メールその他の閲覧も済ませた。Webサイトもチェックした。今からお風呂に入ったら、その後でマーマレードを作ろうと思う。

 

でもとても眠い。ここしばらく睡眠不足気味だった。
早く寝て、マーマレードは朝に煮ようか。
とりあえず、お風呂に入って考えたい。

 

オーバーステア 1/64 MAZDA AXELA SPORT (2014) メテオグレーマイカ

オーバーステア 1/64 MAZDA AXELA SPORT (2014) メテオグレーマイカ

 

 

イチジクのパウンドケーキと、旅先の無理と、万博婚(優性婚)について。

職場の人達へ、ホワイトデーのお菓子を贈る。
なにしろ対象がお菓子だから、こういうイベントは得意かつ好きだ。小さいが吟味して選び、包装し、机に置いていく。
みんなで休憩時間に食べるために、ホールのケーキも買ってきた。もちろん職場に持ち込めるような、しっかりとしたパウンドケーキ。干しイチジクやナッツなどが入っている。直径は小さいがきちんと円形だ。先日、静岡市の「bikini」で購入した。

www.swbt.jp


ホールのケーキを買う、というのはひとつの娯楽だと思う。
いつだって楽しい。マリー・アントワネットくらいになるとさすがに飽きてくるのだろうが、僕はどんなものであっても、ホールのケーキを買う時はわくわくする。

それほど関係が無いけれど、今日は「別腹が空いた」という表現を開発した。我ながら良い言葉だと思っている。
意識の高い甘党ならば、そう珍しくない状況だと思う。朝なのに、朝食を食べたばかりなのに、クッキーを見たとたんに、「あっ、別腹が空いちゃったな」と思うことが、確かにあった。

これもまた直接の関係は無い、と思いたいのだが、旅先で食欲を「ブースト」させる事が、僕は出来てしまう。1日4食+おやつ(和と洋を各1回)とか、大丈夫なほうだ。
これを職場で話したところ、誰も感心してくれなかった。「早死にする」「脂肪肝になる」「糖尿が…」等々。健康ネタで指摘されるのが、いかにも年齢を感じさせる。
僕の場合は、飲酒の習慣が無いこと、夜だからご馳走、といった拘りが薄いことが、この旅先での無理を可能にしているのだと推測する。胃腸は人並みの丈夫さだが、根っからの貧乏性が満腹感を押さえ込んでいるようにも思う。要は、「今食べなきゃ、もったいない」と思ってしまうのだ。せっかくの旅なのだからと。

でも全ての食事を頑張るわけではない。
ホテルのビュッフェなら野菜と飲み物で済ませて、その代わりに外食で“ブースト”する、といった工夫は常にしている。それに、旅ならば、その土地の物だけを食べたい。

 

これはまるで関係が無いが、なかなか凄いニュースだと思う。

「万博婚。遺伝子データを活用したマッチングなど、新しい出会いを応援する」

 

素晴らしいディストピアSFだ。
ハリウッド映画ならば、開会式の開催宣言の寸前にヒーローが「万博統合管理システム」を停止させる。トランプ大統領みたいな大阪府知事がロボットに乗って応戦するし、ヒーローに感化された警察署長(黒人)が「府知事閣下、我々は知事ではなく、府民と法を守るのです」とか言うのだ。
大阪駅の地下道深くには凄腕ハッカーがいるし(名前はニッポン-バシ)、もちろんカニとフグは暴走する。
さすが21世紀である。
出会いが新しすぎる。

たぶんこういう「公表原稿」をうっかり作る人、チェックしても気付かない人は、「優秀な遺伝子を持った日本民族」なんて説明も、ころっと信じてしまうのだろう。
「綺麗な言葉で書かれた優生学を見抜けない人間は、優生学と同じくらいに危険だ」と書いたのは誰だったか。

 

新装版 コインロッカー・ベイビーズ (講談社文庫)

新装版 コインロッカー・ベイビーズ (講談社文庫)

 
新装版 限りなく透明に近いブルー (講談社文庫)

新装版 限りなく透明に近いブルー (講談社文庫)

 
希望の国のエクソダス (文春文庫)

希望の国のエクソダス (文春文庫)

 

 

 

ミュシャはコンピューターグラフィックスでしょう?

たまに社員食堂で会う元同じ職場の人が、面白い事を言っていた。
ミュシャってCGでしょ」
思わず笑ってしまった。そうか、そう見えるか。

この人は、虚言癖というよりも、よくわからないまま言葉を発するきらいがある。9割は偏見や思い込みだが、稀に面白い発言が混ざるから楽しい。

以前、「ネバーエンディング・ストーリーはSF」と言っていた。これはつまり、特撮の類を使った映画は全てSFだと思っていたからなのだが、もちろん指摘してもそう簡単には直らない。しかしSFマニアの人は一般に憤死しやすい体質だから、どこかで耳に入ったら大変だ。

「女は男よりも痛みに強い。お産に耐えるために、そういう風になっている」というのも、面白い認識だと思う。どうやって調べたのか。「男は並列処理的な仕事が苦手」などは、主語が大きいのに照れないところも良いではないか。

なんとなく、自身の“納得”だけで理屈を採用している人ではある。それで世界が説明できるのならば、人類はそろそろ火星へ植民し、科学と宗教は統合されているだろう。
ともあれ、竹内久美子氏の本に騙されそうな人ではある。

 

そんなバカな!―遺伝子と神について (文春文庫)

そんなバカな!―遺伝子と神について (文春文庫)

 
女は男の指を見る (新潮新書)

女は男の指を見る (新潮新書)

 

 

 

 

この人もそうだが、今の若い人と、自分が若者だと考えている人のなかに、他人に親の話をする時に「おとうさん、おかあさん」と呼ぶ人がいる。昔より増えている感触。
これについては、指摘すると(といっても雑談の中で笑いながらの話題であり、だからどうしろ、という話ではない)、まずは「本当に改まった場では、きちんと父・母と言えるから、問題無い」と返ってくる。やや疑問だが、本人が出来るの言うのだから否定しない。

それから、この「おとうさん・おかあさん」という言い方こそがフレンドリーな物言いであり、知り合いに使うのはむしろ正しいのだとと言う。敬語なんて冷たい形だけのやりとりよりも、ピュアで本質的なコミュニケーション手法なのだと。
そして、両親と仲が良いからこそ、あえてそう呼ぶべきなのだ、とも。

なるほどねえ、と言うものの、同意はしない。
なんだか「ぶっちゃけた話こそ本物」みたいなノリである。そういえば、「欧米先進国には敬語は無いのだ。英語は相手によって表現を変えたりしない」と言っていた。戦争映画は観ないのだろう。あるいは、字幕は嫌いなのかもしれない。

 

と、ここまで書いたところでお風呂が沸いた。風呂の水というかお湯は沸騰する訳ではないのに「沸いた」と表現するのは、やや独特だと思う。少なくとも台所では言わない。

 

 

鯛焼き『鯛春』 #袋井

春になり、そろそろ今年の営業も終わりかな、と気になりだしたらどうしても食べたくなった『鯛春』の鯛焼き。数ヶ月ぶりに行ってきた。

https://www.instagram.com/p/BRh2sLSjA7V/

この店の鯛焼きは変わっている。

まず、漉し餡であること。
赤福のそれに似た、どちらかといえばあっさりした餡。小豆の風味はそれほどでもないが(これは漉し餡にはよくあること)、温かい状態で食べてもしつこくないところは素晴らしい。よくある“飴のような甘さ”ではなくて、和菓子に近い味わい。この漉し餡だけで、ファンになる人も多いのではないか。

皮はとても薄い。もちっとしていて、これも独特だ。
ところどころ焦げていたり歪んでいるのも特徴といえるかもしれない。

焦げや歪みは、この鯛焼きがいわゆる「天然物」である事が関係しているのだと推測する。つまり、型が繋がっていなくて、1匹が1つの型になっている。
じっくり焼くのではなくて、1匹ずつ独立した型を焜炉に突っ込んで、短時間で焼いていくのだ。
今日は初めて、焼いているところを見た。
1匹ずつ焼く型にしては、ずいぶんと薄く作られている。
今だって注文すれば「天然物」の型は作れるだろう。でも、こういう薄い鋳物にするには、普通の焼き型屋さんに説明抜きで注文しても無理かもしれない。単型の鯛焼き三重県で何度も買ったけれど、この薄さは珍しい。

薄い型とはいえ、やはり「養殖物」に比べれば数を焼くのは遅くなってしまう。前述の通り、まとめて注文する人がほとんどであり(見るからにファンという人達が多かった)、焼くのは店主1人、だから行列が出来ることも多い。
今日は開店直前にお店に到着したから、ほとんど待たなかったが、状況によっては諦める場合もあるだろう。特に行列が苦手な人、鯛焼きに行列は似合わないと考える人にとっては(僕がそうなのです)、地理的な遠さよりも、買うのに気合いが要る店である。

 

行列の横を通って、暖簾をくぐるのは地元の人達。
そう、この店は基本的に「食事処」なのだ。
昔ながらのあっさりした醤油ラーメンや、トンカツ定食、ハムエッグなんてものもある。特別に美味しい店とは思わないけれど、長く続いている庶民の味として、どれを食べても安心できる。
鯛焼きは秋から冬だけ、入り口の一角で売る季節限定の品。聞いてみると、例年通り3月で営業終了、でも最終4月1日(土)と2日(日)までは売ろうかな、ということだった。

 

たい焼の魚拓 単行本

たい焼の魚拓 単行本

 

 

自分としては珍しく、この店では鯛焼きをまとめ買いする。今日は6匹を購入。2匹は移動中に食べ、残りは冷凍保存。
焼き方か餡の具合か、箱に入った状態ではすぐにしっとり濡れてくるため、老店主の助言に従い冷めるまでは箱を開けておく。今日は少し離れた河川敷に車を停めたため(お店の駐車場がいまいち使いづらいのです)、鯛焼きの詰まった箱を抱えたまま、蓋を開けたまま街を歩くという、ちょっと妙な状況になってしまった。なにやら西洋人の団体(たぶんキリスト教新興宗教の研修生たち)にすれ違ったが、彼らにはどう見えていたのか。魚はキリスト教の象徴だから、好印象を持ってくれたら嬉しいのだが。

r.gnavi.co.jp

この鯛焼き、冷めてからが美味しい。
この味はどこかで…と考えていたが、あの赤福もそうだけれど、法多山のお団子が近い味だと気付いた。そういえば法多山も近いのだった。

 

ソニー SONY デジタルカメラ DSC-HX90V 光学30倍ズーム 1820万画素 ブラックCyber-shot  DSC-HX90V BC

まるで関係無いが、先日の金沢旅行の途中でカメラが壊れ、その修理を依頼してきたのだった。その対応をしたカメラ店のスタッフがとてもとてもボンクラであり、ここでは詳しく書かないがWebサイトの「お客様の声アンケート」には正直に書き綴るに足る人物であったことだけは、ここに記しておきたい。穴を掘って叫びたい気持ちにさせるなんて、カメラのキタムラはどういう教育をしているのだ、本当に。

 

 

 

映画『ワイルド』とサンドイッチ。

ホワイトデーのお菓子(と、自分用のお菓子)を買ったり、お昼に『ALLEE RESTAURANT』で美味しいサンドイッチを食べたりして過ごす。
サンドイッチは、リコッタチーズとマーマレードだった。なにやらお洒落な葉野菜(春菊をカフェっぽくした感じ)が挟んであって、そのほのかな苦みがとても良い感じ。付け合わせから食後のパウンドケーキ(クルミとラムレーズン)まで、どれもこれも美味しい。

https://www.instagram.com/p/BRe7JwrD2Sq/

 

https://www.instagram.com/p/BRe87X2jGkG/

 

 





映画は『ワイルド』を鑑賞。
かなり癖のある作品だからか、席に空きが目立つ。年配のお客さんが多いシネギャラリーには珍しい作風かもしれない。でも、いかにもミニシアター的な映画で、僕は気に入ってしまった。

孤独で職場にも馴染めない若い女性が、偶然出会った狼に惹かれ、部屋に連れてきてしまう。狼への欲望はエスカレートしていくが…といった映画で、では寓話的かというと完全に直接的に「狼を家に連れてきて恋人のように接する」お話で、ストレートすぎてびっくりした。
いや、何かのメタファだったり、耽美さを楽しんだりする部分もあるのだろうけれど、要は社会との摺り合わせが上手くできない狂人を淡々と描いていくだけなので、共感も感情移入も阻むつくりになっている。
だから映画としてつまらない、という訳でもないし、人によっては“ドン引き”するかもしれないので、見るのならば本腰を入れて楽しむべき作品といえるだろう。
狂人というのは端的に言うと「自分の発想に囚われている人」であり、他者からするとどうしても面白みに欠ける。ここまで「ワイルド」になる女性となれば2時間はあっという間だが、でもやっぱり飽きてしまいそうになった。

この映画の狼は、CGや特撮ではなくて、本物を使っているとのこと。主人公の女優は、文字通り体当たりの演技である。怪我ですら本物ではないか、と思えてくる。
つくりものではない生き物ならではの、無駄のある振る舞いが、この作品に奇妙な空気感を与えていた。このいささかのめり込み難い作品に、引っかかりというか奥行きというか、最後まで見続けさせる力を与えていたのは、あの“本物の”狼だったと思う。

しかし「若い女性が狼と同居」という前情報で期待して観たガールやレディが軒並みがっかりしていたのには同情する。そういうレディコミ的な映画じゃなかったですね。友達は「本当に獣だった!」と文句を言っていた。
最初に書いた通り、僕は気に入りました。予告編でぴんと来た方にはもれなくおすすめ。

Schleich シュライヒ ワイルドライフ オオカミ  14741

他はまあ、色々頑張ったけれど、体力が足りなくてなんとなく中途半端に。明日頑張る。過ごしやすい良い土曜日でした。自転車も乗れた。

 

暮しの手帖別冊 徒歩旅行

そうそう、この本を久しぶりに見かけて、また欲しくなってしまったのでした。以前買ったものは人に譲ってしまった。
暮しの手帖で大好きだったページのムック。雑誌扱いだが、今でも書店で買えるのだろうか。

暮しの手帖別冊 徒歩旅行

暮しの手帖別冊 徒歩旅行

 

 

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