アオハライドは読めないけれど

3月のライオン 10 (ジェッツコミックス)

母がわりと「興味のない分野は、どちらかといえばネガティブ」に捉えるほうで、特にマンガ・アニメに関しては完全に「子供のもの。あれを楽しむ大人は、どこかおかしい」と考えている(ように見える)。

なので、TVを見ていてコミケ等が出てくると、「あなたの部屋にある漫画、女の子の表紙よね」みたいな事を、ぽつりとつぶやく。
ほんの少しだけ、息子が「宮崎勤」になる可能性を考えたような口調。十年前まで普通の企業でばりばり働いていたにしては、世界が狭いし、古びた感覚だとは思うが(毎日の電車通勤で、漫画を読む大人を見ていなかったのか?)、まあそんなものかもしれない。
「あれは『3月のライオン』だから、健全です。安心してくださいな御母様」って言いたいのだが、そういう話をすると長くなるし、十中八九徒労に終わる予感がするし、そもそも母と漫画の話なんてしたくないから、「今の若者は、みんな漫画を普通に読んでいる」と、簡潔に説明するに留めている。「だから大丈夫」まで言うと、逆に大丈夫じゃなさそうな印象を与えそう。
そもそも娯楽や趣味については「大丈夫であるか否か」はモノサシとして適切では無いと、心の奥底に残ったサブカル魂がささやくため、あくまで「平成27年の日本国では、漫画を読む大人も多い」という事実を解説するだけ。
母にとっては興味のない分野の話だから、せいぜい「ふーん」という反応の後に、話題は切り替わる。

最近はしばしば、「でもあなたは、もう若者では無いでしょう」といった指摘をされる。確かに若者ではないけれど、でも読むのです。
年若い知人が貸してくれた、「めっちゃイイ」という「アオハライド」は、きちんと読み通すことができなかったが、でも漫画は楽しいし、たぶん老人ホームに入る歳になっても、何かしらコマとフキダシのある物語を楽しんでいると予想する。それともいつか、漫画を“卒業”して、もっと大人っぽい何かを楽しむようになるのだろうか。時代小説とか、そういったものを。

 

さよならガールフレンド (Feelコミックス FC SWING)

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