昨日に書いた、INAXライブミュージアムの続き。
この博物館で開催されていた特別展「あの世でもハッピーライフ-中国二千年前の住宅設備機器-」について書く。
そもそも、この特別展に興味があって愛知県常滑市まで足を運んだのだった。
ちなみにもうこの展示は終わっている。結論から言うと、「見られて良かった!」と断言できる。楽しい特別展だった。

概要としてはこんな感じ。
中国古代の墳墓には、家屋、井戸、豚小屋付きのトイレ、カマドや家具など建物や生活用品をかたどった、建築明器(めいき)と呼ばれる陶製のミニチュア模型が副葬品として埋葬されていました。
死者は現世の延長となる世界で生き続けると考えられていたため、来世でも不自由なく幸せに暮らせるようにと、生前の日常にあった、今でいう住宅設備機器や生活様式などがやきもので再現されたのです。
大きさも素材も実際とは異なり実用性は失われていますが、理想の暮らしを祈る思いが表出し、素朴ながらも写実的で生き生きとしています。
要は墳墓の副葬品として埋められていた、陶器のミニチュア生活用品の展示である。
様々な文明にある「死者に向けた、妙に現実的な贈り物」なのだが、これがなかなかおもしろい。

お供え物を象った陶器は、ずいぶんと小さい。
寸法や素材に合わせたディフォルメがされているけれど、変なところが現実的。例えば瓶の持ち手や、台の継ぎ目にある釘などがきちんと再現されている。
大昔の人も「神は細部に宿る」と思っていたのかもしれない。
おおらかな作りのものでも細部にこだわれば、それはリアルなのだ。

これは竈(かまど)。
本物そっくりの部分もあれば、縁起をかついでデザインされた要素もある。
いずれにせよ、日本でいうところの縄文時代の頃から安土桃山時代にかけての長い期間の副葬品が、種類ごとにたくさん並んでいた。

様式も様々だが、解説がしっかりしているので意味不明でつまらなく思うような展示はひとつもない。なかなか親切設計な特別展なのだった。

折りたたみチェア。こういうものも、あの世に持っていきたいのだろうか。
確かに便利ではある。
映画監督の椅子と同じく、権力の象徴でもあるのだろう。


豚舎を模した副葬品も多い。
人間のトイレがそのまま豚の飼育施設になっている。きちんと豚たちもいて、ずいぶんと説明的。でもミニチュアというのは少なからず説明的なのだった。
しかしどうして豚舎(兼トイレ)なんてものを、あの世に持っていくのか。それくらいに、当時の人達には大切なのだったとは想像できるが、他に色々あるだろうとも思ってしまう。

それほど広くはない展示室に、段ボール板を積み重ねたシンプルな展示台が並んでいて、ちょっとおしゃれ。でもあくまで展示が主体で、見せ方だけが悪目立ちするようなこともない。
そういえば"愛知県陶磁美術館コレクション "と銘打たれていたが、似たようなものを愛知県陶磁器美術館で見た記憶がある。あちらはとにかく広くて、古今東西の陶磁器が並ぶので、「こういうものもあるのかー」程度で通り過ぎてしまっていたが、今回のように(数は少なくとも)ひとつの特別展として並べられていると感想も違ってくる。
この特別展のために訪れ、特別展に大満足し、そして常設展や他の展示施設も堪能できたので、今回の常滑日帰り旅については大成功といえる。
そしてこの日は、常滑市を楽しんだ後に三重県に足を伸ばしたのだった。
日帰り旅で2つの県というのは移動が多すぎなきらいがあるが、でも三重県北部と愛知県の伊勢湾岸というのは意外と近いのだった。
友人知人やお気に入りの店が多い三重県北部には、機会を逃さず行きたいところ。というわけで少し頑張って、三重県まで車を飛ばした。
そのことについては後日書く。
今日はもう、お風呂に入って寝ます。
大雨で疲れたのです。
おやすみなさい。








