徳島ラーメン(袋入り麺)のつくりかた

昼から所要のため休み。
なのでお弁当ではなくて、家でラーメンを作って食べた。

 

滅多に袋入り麺*1は食べないのだけれど、少し前に衝動買いした「徳島ラーメン」があったのだ。徳島製粉株式会社のラーメンは「金ちゃん」のブランド名で静岡県でも知られているけれど、この徳島ラーメンという商品は四国に住んでから目にするようになった*2

そもそも徳島名物の徳島ラーメンについて僕は知識が足りない。徳島市でも香川県でも何度か食べた記憶があるけれど、濁った醤油味の甘辛い味付け、洗練されているわけでも徹底的に濃いわけでもない、説明の難しいタイプのローカル・ラーメンとしか認識できていない。

そういう意味では、徳島製粉が売る徳島ラーメンは、ひとつの正解といえるのではないだろうか。

ところで、この袋入りのラーメンは、実家では「茹でこぼすもの」だった。つまり、麺を所定の時間茹でた後に、ザルに上げてお湯を切り、丼に用意しておいたスープに入れて、上に具材を乗せる、といった工程を経て完成する。

両親も祖母も、袋入麺は茹でこぼしていた。あの時代の人達は「工業的に作られた簡便な食品」に何かしらの疑いを持っていた。「茹で汁に含まれる油が悪い」みたいな事を言いそうな気がする。あるいは単に「茹で汁は捨てるもの」と考えていたのかもしれない。乾麺も生麺も、基本的に茹で汁は使わない。


もちろん「徳島ラーメン」の調理手順を見ればそれは間違いだとわかる。
原材料表示を見ても、麺の材料には、味付けに関わる色々なものが含まれている事が読み取れる。

人生で何度も、他人から「茹でこぼす必要は無い」と教わり、そして茹でこぼさず作って問題が無く、一時的な「メーカー推奨の作り方」を維持した期間があった。

それでも子供の頃の記憶というのは恐ろしい。いつの間にか、自分ひとりで作る時には、麺が茹で上がるとザルにあけている。

今日だってそうだった。
鍋にお湯を沸かしている間に、電気ケトルでもスープ用のお湯も用意していた。そしてもちろん、ザルも準備して、きちんと茹でこぼした。

あの捨ててしまったお湯には、たぶん油やアミノ酸の旨味と、メーカーが計算した塩気がある筈。
次に作る時(「徳島ラーメン」は5袋入りパックを購入した)には、茹でたお湯を味見してみるつもりだ。
そうやって体感しない限り、この血の呪いは解けないと思う。
袋入ラーメンを作る時には第一に「手っ取り早さ」を求めているから、何も考えずにまたケトルにお湯を沸かし、ザルを用意してしまうだろう。知識が追いつくのは、3分茹でた後になる。

べつにメーカーが意図した味が正解だとは思わない。今日のラーメンも十分においしかった。
でも、洗い物は増えるし、多少とはいえ資源の無駄なので、いつか“克服”したいと思っている。そのうえで、自分で判断して、茹で汁を捨てるのか、スープに活用するのかを決めるのが、賢い生活と言えるのではないだろうか。

 

 

*1:チキンラーメンから続く即席ラーメンの一族

*2:たぶん注意していなかっただけ。「ご当地ラーメン」の雰囲気が無いので、徳島製粉の進出地域では普通に買えるのではないか?

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