リル・カンケン ──カンケンのショルダーバッグ化──

3日かけて、幼児用のリュックサック「Kanken mini」をショルダーバッグに改造した。

以下、手順を記す。

 

1. メルカリでKanken miniを購入

今回はプロトタイプということで安価に済ませる。
Kankenは普段使いのかばんであり、かつ擦れることで色落ちも激しいので、値段も下がりやすい。
ただしそれほど数は出ていない。子供用だからか。
メルカリの使用は2回目、今回は極めて事務的な人(業者さん?)だったので実に楽だった。

 

 

 

2. 洗濯(1日目)

Kanken miniは先週中頃に届いた。ここからが実作業となる。
使用状態は想定内。
しかしいわゆる「人ん家の匂い」がするので、ごしごしと洗う。
スニーカーを洗う要領で、ブラシと石鹸を使いこすり洗い。その後に十分にすすぐ。
このKankenシリーズに使われている合成繊維「ビニロン」はとても強い。トラックの幌の布と同じだから、扱いは簡単。
そして乾くのも早い。

 

ストラップの幅を測り(25mm)、ホームセンターと手芸店でアジャスターやナスカンを買っておく。
ここまでが一日目。 

 

 

3. 分解(2日目)

バックストラップを切断する。
できるだけ長く欲しい。肩の側はぎりぎりに切り、下側はアジャスターパーツをニッパーで破壊した。

これで、2本の長いナイロンベルトを切り出すことができる。

 

4 再構成

ベルトから100mmほど切り出し、D環を入れたまま2つに折ってストラップ接続部とする。これを2つ作る。

購入しておいたアジャスターやナスカンを組み合わせ、ショルダーストラップを作る。元から付いていたベルトを止めるための部分を上手く活用してみた。調整用に環になっているベルトを束ねる仕様。

 ストラップ接続部はかばん本体、左右側面に接着する。

 

コニシ ボンド 裁ほう上手 45g #05371

コニシ ボンド 裁ほう上手 45g #05371

 

 今回は、ストラップを作るのも、本体へ付けるのも、ぜんぶ「裁ほう上手」を使用している。
この接着剤は本当に便利。
匂いが少ないから室内作業でも大丈夫で、強度も十分。
ビニロンもナイロンもしっかりくっつく。

 

 

裁ほう上手 スティック #05747

裁ほう上手 スティック #05747

 

 最近、スティック糊みたいなタイプも発売された。これは裾上げや補修があっという間にできるので、1本持っておくといい。

 

接着部位(ベルトの端3箇所、ストラップ接続部と本体側面)はそれぞれクリップや洗濯バサミで動かないようにしておく。
強力な接着剤だが、粘着力が生じるまで時間がかかり、加えて紐状のものを取り付けるので無理な力がかかりやすい。
固定作業こそ、この工作のコツといえるかもしれない。
しかしこれでは布かばんを作る工程には見えない。

ここまでで、2日目が終了となる。

 

 

 

5 穴あけと固定

接着だけで強度的には十分かもしれない。
少なくとも引張強度は完璧に近い。
とはいえ、剥がす方向にゆっくり力をかけると、じわっと接着剤が伸びてくる。
完全乾燥すれば大丈夫かもしれないけれど、なんとなく心配なので「カシメ」でも固定する。
縫製しない場合は、2種類以上の固定方法を併用すると安心。
特にかばんは力がかかる部位に手を抜けない。出かけた先で壊れるのは悲劇だ。

 

とはいえ、頑丈なナイロンベルトと布を貫いて穴を開けるのは容易ではない。というわけで電動ドリルで開口する。ますます裁縫趣味からは外れてくる。

 

穴を通したカシメをしっかり締める。これはレザークラフトの道具でできる。
手芸店にも道具はあるし、100円ショップにだって売っている。
金具の色味さえ合わせておけば、素人仕事とは気づかれないだろう。

Clover カシメ両面 中 15組入り アンティックゴールド 26-333

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6 仕上げ

色落ちが極端で不自然なので、全体的に整える。
いや、普通に使っていた色落ちだから自然なのだけれど、白っぽいところが目立ちすぎるように感じるのだ。

目の細かい紙やすりと、軽石(がなかったので珪藻土コースター)で濃い色の部分をこすり色落ちさせる。

ほつれている糸や、ベルト切断面を加熱して溶かす。
ごく少量のシリコンオイルをファスナーの摺動部分に塗る。
最後に全体を濡れた布で拭いて、乾いたら完成。

 

 

 

 

驚きの吸水速乾! マルチに使える珪藻土マット BOOK (バラエティ)

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評価

使い勝手は上々。
スクエアなかたちで収納力が大きい。7Lの四角いかばんは、散歩用にちょうどいいサイズ。
デイパック時のまま背中部分のパッドを残した結果、四角い形が保てることも使いやすさにつながっている。
ただしショルダーバッグとしては、「ぱっと開けてさっと取り出す」つくりになっていない点は少し不満。
それと、深さがそこそこあるため、バッグインバッグは必須だろう。
暇があれば内側にポケットを増設したいところ。

手持ち用のハンドルはデザイン上の特徴ではあるが、頻繁な開閉を考えると1本は外してもいいかもしれない。
通常サイズのKankenと違ってサイドポケットもフロントポケットも小さく、水筒や傘の入れ場所は一考を要する。
リュックサック時代のホックやループが残っているから、これらを利用して追加のベルト(外部固定用)を増設しても面白いかもしれない。


そういえば、ベルトに残ったホックを活用すれば、ワンショルダー風にも使える。これは想定外の仕様だったが、例えば椅子の背にかけておく時に一時的にコンパクトにできる点は便利だろう。

 

名前はリル・カンケン。
出鱈目スウェーデン語で「ちいさなカンケン」という意味。いま思いついた。

次に作る時はもう少し小奇麗に仕上げたい*1。というか、これは練習で、知人から2つ受注したのだった。

 

 ともあれこうして、空いた時間を活用してひとつの試作品を作ってしまった。縫製作業を避ける一心で工夫した結果としては、なかなか良いと自己評価している。

 

ゼロ・トゥ・ワン 君はゼロから何を生み出せるか

ゼロ・トゥ・ワン 君はゼロから何を生み出せるか

 

 

お題「キャンプ」

お題「今日の出来事」

お題「ひとりの時間の過ごし方」

*1:色と擦れ具合から、ミリタリー風味が強く出てしまった。実際は青っぽい謎のオリーブドラブで、なんとも形容しがたい雰囲気。

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