なかなかに忙しい日曜日。あそこに行ってこれを渡して、あれを買って帰宅して、そしてイラストを仕上げて送信したら見本を印刷、といった細々とした物事が続く。
日曜日だというのに、それらを夕方までに済ませる必要がある。兄の家族が夕食を食べに来るのだ(今、食べてきた。今から甥と姪と遊ぶ)。
さて、昨日のライブの感想。
こぢんまりとしたカフェでのライブは久しぶり。友人に誘われて、たまにはいいかと行ってみたら、実に素晴らしかった。終わってからにこにこして、心なしか肩こりが楽になった感じ。いつも聴くタイプの音楽ではないのに、ここまで楽しめたのは本当に珍しいこと。
前座の「中村佳穂」さんは、ピアノの弾き語りというのか。
芸術でもなんでも、表現を志す人のなかに稀にいる、「それ、そのものが好き」な人に見えた。つまり「自分は音楽で、こういう世界を描きたい」とか「あの人のようなかっこいい歌手になりたい」といった展望を持ってその道に進むのではなくて、「音楽が好き。だから音楽をやりたい」という人。だから表現はどうしてもメタな部分が増えてくる。小説家でも、そういう人は存在する。絵描きにもいる。音楽を、それもライブハウスで楽しむようなそれでは、ちょっと珍しいのではないか。
だからといって、変に理屈っぽいとか、皮肉が気になるといったことはまるでない。逆に、自分のやりたいことをのびのびとカタチにできる、そのための技術もあるし、自分も他人も楽しませるために何をすればいいのか、それを工夫することも楽しめている。少なくとも、そう見える。聴いていて本当に幸せになれる音楽なのだと僕はしみじみと思ったし、なんだか演奏中はびっくりしてしまった。
いつだったか、都会の街中でやっていた音楽祭、ジャズフェスティバルで、似たような人に遭遇したことがある。きちんと教育を受けた人が楽しそうに演奏する。素人が聴いていても、何か工夫をこらしていることが伝わってくる。「自分も、ああいう風に手が動いたらいいなあ」と羨ましく思ったものだ。
いつまでも続きを聴いていたい、そんな音楽でした。
「中村佳穂」さん、名前を覚えた。次のフジロックにも出演するそうです。
主演は「New Day」の3人。金管とドラムのトリオで、こちらは洒脱かつ面白い、いかにもカフェライブっぽい人達。ああかっこいい、美男子じゃないけど、こんなにかっこいいのはずるい、なんて思ったのでした。
トロンボーンやサックスを間近で見る時は、その息継ぎを自分も真似すると一体感が桁違い、と村上龍氏が何かに書いていた。今回、それを実践してみた。オリジナル曲が多くてずれることは多いが、それでも確かに(驚くほどに)曲が身体に“入って”くる。村上龍もすごいが、「New Day」もすごい。
ライブ会場(浜松市、佐鳴湖の近く、エスケリータというところです)を後にして、夜中だというのに「さわやか」で食事をしたりと、なかなか楽しい夜だった。
そして(唐突だが)今日のおやつは、MARIATHANKの初夏の味覚、「ピーチタルト」と、「チェリー・プリン・パイ」の盛り合わせ。贅沢。アイスティーが最高に合う。
本もどっさり買えたし、何か忘れた気がするけれど、ともあれ充実した週末だった。