ベトナム・カンボジア旅行まとめ:カンボジア(シェムリアップ・アンコールワット・アンコール・トム)



夕方にシェムリアップ空港へ到着。
カンボジアという国はとても貧しい。経済規模は、日本の地方都市程度。でも空港は立派だった(日本のODAで建てられたらしい)。
世界遺産アンコールワットとアンコール・トム観光の為に作られたようなところ。
ハノイに比べると、とても静か。車の数も、クラクションを鳴らしまくるバイクも少ない。空港前の白タクも数台だった。

水田。収穫期だった。 進入不可の塔。
ガイドさんの手配した車に乗って、シェムリアップの街まで移動。
空港と市街地とアンコールワットとアンコール・トムへの道だけが舗装されている。市街地も脇道は赤土がむき出しで凸凹している。
雨季が終わったばかりで、道の両脇は冠水していて、よく見るとウナギみたいな魚が見えて面白い。
ベトナムに比べると古い車が多い。ぴかぴかの新車は少ない(でもみんな洗車はしてある)。
気温は高くて、むわっと暑い。熱帯に来たなあ、という感じがする。田園風景とジャングルが交互に現れる。





ホテルは町外れに建つ大きなリゾートホテル。ほとんど外国人観光客用で、入口には門番がいて、地元の人は入れないようになっている。
窓から見える市街地は、藁葺き屋根やコンクリート造りで、粗末な感じ。どの家にも椰子の木やバナナが植えてある。
晩ご飯は、クメール料理。ベトナム料理よりも匂いの強いハーブ等が少なく、あっさりしている。雷魚のスープとか、酸っぱいサラダを食べた。


ホテルで無線LANを使うのに、手続きが必要だった。
英語は全然話せないので「私は無線LANWi-Fi)ネットワークを使用したいです」とか、紙に英語で書いてフロントに行った。
フロントの人も英語はそれほど得意ではない(たぶんフランス語担当だと思う)。お互いに単語のやりとりで意思疎通をする。
両親の持っていた10ドル札を崩してもらうのも、手書きイラストと単語。
全部済ませたら「イラスト、ジョゥズネ!」と日本語で褒められた。日本人観光客も多いため、少しは日本語もできるみたい。でも絵が描けて良かった。上手いとはお世辞にも言えないけれど、それなりに正確に描くのは日々の習慣があるからだと思う。イラストと地図が描き慣れていると、いざという時に助かる。しかし本当は英語を喋りたい。憧れる。


根がすごい。 バイヨン寺院の仏頭
翌日はアンコールワット周辺の観光。
エジプトのピラミッド級の、大規模な遺跡群。なので見所は沢山ある。京都が一日で廻れないように、本当は何日もかけて見るものだと思う。
タ・プロームとかバンテアイ・スレイといった寺院跡を見てまわる。名前は聞きなれないが、どこも有名な遺跡。石造りの寺院に、ジャングルの木々が絡まって育っている。
2時間程度の観光だが、かなり歩いたし、日差しも強くて疲れてしまった。日陰ならば乾いた風もあってしのげるのだが、日向にいるとじりじりと体力が減る。
生まれて初めて、野生の「オジギソウ」を見た。それと、カンボジアのクローバーは全て四つ葉だった。


一旦ホテルに戻り、シャワーを浴びてから、昼食を摂る。
どういうわけか、先日の夕食とほとんど同じメニューが出た(お皿は違っていた)。「高級クメール料理」との事だったが、何かのミスか、「高級クメール料理」の料理の幅が狭いのかわからない。でも美味しいのできちんと食べる。
この「ホテルで一休み」がとても大切だと後でわかる。遺跡群が広大で、ちょっとしたハイキング並の運動量になるのと、暑さとで、休憩をいれないと参ってしまうのだ。



野菜は色が濃い。 海産物のお店。衛生的ではないが、種類は豊富。美味しそうだった。
午後に「オールドマーケット」という、地元の人も観光客も使う市場に行った。
沖縄の公設市場を不潔にして、狭くて暑くしたみたいなところ。客引きも多い。すごく臭くて、途中で引き返す観光客もいる。
確かに匂いはすごいが、でも市場というのは何処でも楽しい。日本と似た野菜や魚もあれば、見たことのない食材もある。赤いアリ(強い酸味がある)やゲンゴロウ(香ばしい)を食べる(ガイドさんの奢り)。
この市場で「日本人が経営しています」と看板を掲げたお土産菓子屋さんがあって、ガイドさんも勧めるので、お菓子(ルーベラみたいなもの)を買った。街の相場よりも高いとは思ったけれど、お土産はどこかで買うつもりだったし、味も悪くなかった。でも値段交渉とか値引きがすごくて、逆に「なんだか怪しい。感じ悪い。もしかしたら損をしているのかもしれない」と思ってしまった。
次の日に、本当に日本人が経営している「アンコールワットクッキー」のお店に行ったら、日本の観光地にあるような「しっかりとした包装で味もそこそこ悪くない」クッキーが、定価販売されていた。価格は街で買うよりもするけれど、定価できちんとした質のものを売っているので、気持ちよく買い物ができる。
ゲーム理論ではないけれど、みんなで競いあって(あるいは騙し合って)大損をしたり大儲けをする経済よりも、多少利益は低くても信頼のおける定額商売のほうが、安心して買い物ができると思う。特に現地通貨の手持ちが少ないと「沢山買ってオマケしてもらう」以外に交渉の余地がないので、駆け引きをする買い物はしづらい。
普段、価格交渉をするような習慣が無いので、この旅行中でいちばん安心して買い物ができたのが、この「アンコールクッキー」だった。





場所によって、塔の見える数が違う。 中央祠堂。
「オールドマーケット」の後は、アンコールワット観光。
アンコールワットは、ヒンドゥー教と仏教の寺院。カンボジアの国旗にも描いてある。
とにかく大規模で、しかも石造りなので、歩いているだけで疲れる。そしてガイドさんが徹底的に説明をしてくれる。
ヒンドゥー教の神話の、ものすごい量の彫刻があり、しかもガイドさんはいくつかの「ヒンドゥー教エピソード」が大好きで、その場面になると長く詳しい説明が行われる。なのでヒンドゥー神話の「乳海攪拌(いわゆる国造り神話)」や「ブラフマー神の大活躍」は暗記してしまった。
塔も沢山あって、急な階段を登り下りする。それ以外にも、ちょっとした段差がいくつかある。
というわけで、大変に感動はしたものの「疲れた」という印象が残っている。
しかし、またいつか行ってみたい。ジャングルに沈む夕日も綺麗だった。



意味はわからないが、でも綺麗なダンス。
夕食は「Amazon」という変な名前の、観光客向けのビュッフェ・レストランで、伝統芸能の「アプサラダンス」を見ながら食事。
そろそろ、毎日のコース料理に疲れてきたので、主に野菜を食べる。カンボジアの甘いお菓子(ウイロウみたいな餅粉を蒸したもの)や、フルーツも堪能した。
ダンスも素敵。タイの宮廷舞踊に似ているけれど、ちょっと違う。


ホテルのロビーで出たお茶菓子。蓮の葉に包まれた緑色の餅菓子。 ホテルのお風呂。別にシャワールームもある。
ホテルはびっくりするぐらいに「リゾート」っぽい。猫足のバスタブとかがある。
そしてホテル側の手違いで、天蓋付きのダブルベッドのある部屋に一人で泊まることになった。ベッドは広いが、真ん中は心細いので、隅に寝た。






顔の上のトンガリは蓮の花。 象。観光客用。乗りたかった。
次の日(5日目)は、アンコール・トムを見学。
こちらは主に仏教の寺院。でもヒンドゥー神話のレリーフも多い。日本人の仏教と神道のように、どちらも信じて、ご利益を期待しているようだ。
アンコールワットとも違う、でもスケールの大きい遺跡だった。
しかし前日の疲れで筋肉痛があって、ふうふう言いながら歩いた。
ベトナムにいた時は「なんだか温くて癖のある甘いだけのポカリみたいだな」と思っていたココナッツジュースが大変に美味しく感じられる。1ドルで2個(本当は5個くらいは楽に買える価格だと思う)買って、ガイドさんと1個ずつ飲む。お釣りは現地通貨のリエル。額面が大きいが、全然価値が無い。汚いお札は受け取ってもくれない。
観光客も多いが、物売りも多い。幼稚園児くらいの子供も、積極的に売りにくる。でも断る。「この日本人は駄目だよ、買わない」みたいな事を仲間内で言いあっている(現地語はわからないが、こういうのは雰囲気で伝わる)。ペットボトルを拾う子も多い。ゴミを収集すると僅かながら賃金が出るらしい。
カブトムシが歩いているのを見つけて、写真を撮っていたら、子供が「それちょうだい」みたいな仕草をする。ガイドさんによれば、カンボジアの子供もカブトムシが好きなのだそうだ。
このカブトムシは地元の子供が持っていった。カンボジアの子供もカブトムシが好き。




昼過ぎまでアンコール・トムを歩きまわって、遅めの昼食。
ツアーガイドには「本格的フランス料理」と書かれていたが、パスタ抜きのイタリア料理だった。量が少なめで、トマトやさっぱりしたチーズ(モッツァレラ)がとても有り難い。
この頃には「食前に何か飲み物を注文する」事にも慣れた。父はビールを、母と僕でミネラルウォーター1本をシェアする。
食後にホテルに戻り、荷造りと休憩をする。


アンコールクッキー店(前述のとおり、とても良心的なお店だった)でお土産を買い、マンゴージュースを飲んだりしてから、空港へ。
シェムリアップ空港からタンソンニャット国際空港ホーチミン市)までは1時間足らずのフライト。でも機内食バインミーと水)が出た。半分だけ食べる。
低気圧帯を抜けるため、大変揺れて怖い思いをした。
シェムリアップ空港からタンソンニャット国際空港(ベトナムのホーチミン市)へ移動。


タンソンニャット国際空港ホーチミン市観光のガイドさんと合流し、市内のホテルへ移動。
ホテル内のレストランで晩御飯。北のハノイとはちょっと違う、南のベトナム料理。どちらも美味しいと思う。




2日間の遺跡探訪ですっかり疲れ果てたので、この日は早く寝た。明日からはホーチミン市観光。
睡眠薬を常用しているのに、この旅ではほとんど使わなかった。それに夜中に目覚めることもない。
やや食べ過ぎのきらいはあるものの、野菜中心の食事だし、運動量も多いので、概ね健康的な旅行だったと思う。




写真はこちら(4日目 5日目




 

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